300回目のエクスタシー
があなたが抱いた女の数は
やたらめったらやりまくってきた私よりも
ずっと少ないでしょうけど
与えた幸福の度合いは、私とは比べ物にならないほど
あなたのほうが多いんでしょうね
だって生まれて初めてだったの
男に抱かれて、嗚呼、これが愛されるってことなんだなぁ、なんて
3ケタ超えてる私に思い知らせるあなたは天才
テクニックだけなら、そりゃあ上手い男もいたわ
でもエクスタシーって、心を許した相手から貰ったものでないと
本物じゃないんだって気付かされた
過去は絶対に消せないから、私の愚かな若気の至りは
明けない梅雨空のように降り続けるでしょう
冗談ばっかりいうあなたが、私の過去に嫉妬してるかは把握しかねるけど
私はね、あなたが触れた女たち全員を恨んでる
だってこんな風に愛されたら、もうその肌を忘れることなんてできないよ
愛の欠片もないセックスをし過ぎた私だから、そう思うのかもしれないけど
荒い吐息で名前を呼ばれる度、もう我慢できなくなる
けれど触れてくる指も舌も優しくて、じらされて、
逆にいじめられてるみたいで、自分の知らない自分の甘ったるい声が漏れる
こんな声は誰にも聞かせたことはない
何百との男と交わっても、たった一人、あなたにしか聞かせたことはない
それで許してくれるかな
貞淑な妻に生まれ変われたのは、あなたに出会ったからなんだよ
いや、やっぱり今も淫乱かも
だって深夜にひとり、あなたの寝息を聞きながら
こんなこと書いてる女ですものね
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