緑の男 【インスタントフィクション #01】
赤い女も青い男も、不慣れな新居に困惑していた。電気が勝手に点滅する欠陥住宅。だが文句は言えない。何者かに突然、元の住まいを奪われてしまったのだ。路頭に迷っていたところを二人の紳士に見出され、このメゾネットを施された。両紳士を追い出す格好になってしまったが、紳士たちもちょうど新しい家を探していたところだった。
それはそうと、この新たな住まい手によって引き起こされた問題は極めて深刻だった。
青が点滅すると男どもがチャックをしめ、手も洗わず歩き去っていく。赤に変わり、並んでい