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ユニコーンオーバーロードのバトルシステムが素晴らしかったのでそのヤバさを説く

ユニコーンオーバーロード、好評ですね。
メーカーから品薄のお詫びがでるほどでした。
(あ、ここの話はそんな重要じゃないので面倒な人は目次までスクロールしてください)

ユニコーンオーバーロードを作ったヴァニラウェアさん(アトラスさんは販売担当)といえば根強いファンを持つゲームメーカーです。よく2DアクションかRTSを作っています。

2Dアクションだと「朧村正」や「ドラゴンズクラウン」、「オーディンスフィア」など。

RTSだと「グリムグリモア」や「十三機兵防衛圏」。最近だと一番有名なのは十三機兵防衛圏ですね。

またユニコーンオーバーロードに近い世界観で、傭兵とか雇いつつ国家間の争いをするゲームとしては「グランナイツヒストリー」もあります。
オンラインで自分が所属する国家を決めて、皆で陣取り合戦するのが特徴的なゲームでした。

とまぁこんな感じで、けっこう色んなゲームを出している会社さんです。
個人的にはどのゲームも「アタリ」で、安定して面白いゲームを供給してくれます。
というか自転車操業なのでどのゲームも当てないと会社が存続しないという危なっかしい会社さんでもありますが、それもまた魅力ですね。

またシナリオやグラフィック面で高評価を得ることが多く、その反面ゲーム性では「及第点ではあるんだけど……」みたいな扱いを受けることもたまにあります。

・シナリオ  :S
・グラフィック:S
・ゲーム性  :B

みたいな。十三機兵防衛圏のバトルも私は好きなんですが、育成部分とかけっこう大雑把な所とかあって「ランクは?」って聞かれたら私も「B」って答えそう。


さて、今回のユニコーンオーバーロードですが。
ゲーム性のランクは?って聞かれたら「Sランクで」って答えます。良い意味で予想を裏切られました。おいおいおいおいどうしちゃったのマジかようっひょーってなもんです。

ふだん私のTwitter(ん?X?アルファベットがどうかしました?)をフォローしている人は分かると思うんですが、私が素直に「Sランクです」だなんて高評価をすることは珍しくてですね。

私はゲームデザイナーであり「どうすればゲームが面白くなるのか」というのを考えて実現させることで飯を食っている人間です。
そしてゲームを遊ぶ時、必ず大きな指標になるのは

新しいゲーム体験、ゲームデザインがあったか

というのが大きくあります。
どんなに面白いゲームでも「他のゲームでもあるシステムをうまくまとめたね」という状態だと「Sランクです」なんてのは口を裂けても言いません。
メトロイドヴァニアとして面白かったけど、既存のメトロイドヴァニアと世界観が違うだけでゲーム体験としてはそんなに変わらなかったな……とか。何か文句つけます。
(ゲームのシナリオも世界観も大好きな人間だけど、それはそれ、これはこれ)

で、繰り返し言いますが、ユニコーンオーバーロードは「S」でした。
つまり

・まず純粋にゲーム体験として面白く、夢中になれて
・かつその体験には他のゲームにはない、新しい所があり
・それはゲームデザイナーとしても非常に参考にできるレベルで
・またあらゆるゲーム内の要素が面白さを作るためにしっかりまとめあげられている

と遊んで思ったので、こんな事を言っているし今こんな記事を書いています。なんか、これまで蓄積してきたヴァニラウェアさんの経験が濃縮されて爆発した感じ。良作でした。
個人的には遊んでいて非常に勉強になって、今後自分が作るゲームにも影響あるなぁというのは実感しております。

ということで、この記事ではですね。
ユニコーンオーバーロードが作り上げていたゲームデザインに対して、私がゲームデザイナーとしての目線で遊びながら分析していた

・どんな所が優れていて、それが何を生み出していたのか?

というのを解説していこうかと思います。

※なお遊んだ時の難易度はエキスパート(最初に選べる難易度で一番難しいやつ)のみです。他の難易度による感想はちょっと分からない。




◆大まかなバトルの説明

色々と解説をするにしても、どんなゲームなのか・どういう要素があるのか把握していないとアレなのでまずはどういうゲームなのかざっくり説明していきます。
ゲームデザインの話ではなくゲームの要素の話なので、既にゲームの内容を把握されている方は読み飛ばしても大丈夫です。まだゲームを遊んだことが無い人向けに羅列しています。

ユニコーンオーバーロードは、RTS(リアルタイムストラテジー)寄りのシミュレーションRPGです。シミュレーションRPGでいうと

・ファイアーエムブレム
・スーパーロボット大戦

あたりが老舗で有名ですが、それらと違って

・ターンの概念がない
・マス目の概念がない

のが特徴ですね。上記に挙げたゲームだと「自分のターンで自キャラを一斉に動かして、敵のターンで敵が一斉に動き出す」みたいな形ですが、ターンの概念がないので敵味方が同時に動きます。

そうして敵の本拠地を落とすべくリアルタイムに部隊を動かしながら、会敵・戦闘を行っていくわけですが……
RTSでは専用のバトル画面が基本的に無くフィールド上で戦闘が行われることが多いんですが(十三機兵防衛圏なんかもそう)、それらとも違いシミュレーションRPGらしく1ユニット同士のぶつかり合いで戦闘画面に移行します。


◇ざっくりしたバトルの説明

特徴的なのは1ユニット1人ではなく1~5人まで設定できるところ。
序盤は1ユニット2人までですが進めていくと5人まで設定でき、5 vs 5 で1つの戦闘を行います。ここも既存のシミュレーションRPGと違う所ですね。
(なお、ユニットは10ユニットまで編成可能)

※スパロボも「2ユニットでタッグを組ませて1ユニットとして扱う」みたいな事をやってたりはしますが、それとは根幹が違います。
1 vs 1 への追加要素として複数人で戦う要素があるのではなく、複数人でのPTバトルを前提としたバトルシステムです。

戦闘自体はオートで行われますが、事前に「作戦」で各キャラの行動を細かく設定できます。ゲーマーの方には「FF12のガンビット的なやつ」といえば通りがいいですかね。

攻撃力UPバフを最も物理攻撃力が高いキャラにだけかけるとか、回復は味方のHPが半分以下になったらかけるとか、敵に重装系の敵がいる時は魔法系のスキルを使ってもらって、そうじゃない時は範囲攻撃をしてもらうとか。

なおスキルはアクティブスキルとパッシブスキルに分かれています。
アクティブスキルは自分の行動順番が回ってきた時に使うスキル。パッシブは条件を満たした時に発動するスキル。

パッシブスキルの例としては「味方が攻撃された時にかばう」とか、「味方が攻撃した後に追撃する」とか、「敵が攻撃してくるときに暗闇にする」とか、「戦闘終了時に味方を回復する」とかですね。
これに対しても条件を設定できるので「HP50%以下の味方が攻撃された時だけかばう」とか自分で組み込んでいくことができます。

そして1回の戦闘はどちらかが全滅するか、行動を消費し切るまで行われます。(アクティブスキルを使用するにはAP(赤い宝石)、パッシブスキルを使うにはPP(青い宝石)が必要なので、消費しきるとその戦闘では何もできない)

ちなみにオートバトルなのもあって戦闘画面に入る前から結果が分かります。どれくらいHPを減らせるとか、このまま戦ったらこっちが死んじゃうなとか。
なお会敵して実際に戦う直前にも作戦や配置を弄ったりでき、ちょっとした作戦や配置の違いで結果が大逆転することもあるので、殺されそうな時も時には諦めずに編成を弄るのが大事。

ちなみにユニットの距離が近いと、会敵した時に戦うユニットを変更できます。なので

物理防御に特化したユニットで会敵したんだけど、敵が魔法使いでこのままだと全滅させられちゃう。
 ↓
近くにいた弓兵ユニットに切り替えて、魔法を使われる前に射殺しちまえ!

とかもできますね。それも踏まえてどのユニットを護衛につけて進軍させて……とかも考える要素としてあります。


◇連続戦闘とスタミナ

こうして会敵した敵と戦っていくわけですが、1ユニットで無限に戦うことは難しいです。
戦ったユニットは「スタミナ」を消費し、スタミナが無くなると移動ができない状態になります。

基本的に制限時間内に敵の本拠地を落とせなくても負けてしまう(高難易度を選んでるとわりと時間との勝負もある)ので、移動ができないだけでも大きなロスに繋がります。

なのでスタミナを回復するには「休息」をする必要があるんですが、休息中は動けない上にこの状態で戦闘に入ると非常に不利で、普段は勝てる相手にも殺されかねません。

あと雑魚敵は敵の拠点から一定時間周期で湧いて出てくるので、○体倒した
からOKということにもならず、スタミナに気を付けて動く必要があります。

なので広いマップは特に複数ユニットを上手く使うことが重要になりますね。

ちなみに飛行系のユニットは地形を無視できるので素早く進軍できますが、スタミナが低めに設定されているので(歩兵が6に対して4)、単独で突っ込むだけだと袋叩きに合うようになってます。
(スタミナをアイテムで回復しまくる事もできるけど、アイテム自体は1フィールド内で使用回数制限がある)


◇他ユニットによる戦闘アシスト

各ユニットにはリーダーキャラが設定できるようになっています。
それによって移動タイプ(歩・騎馬・飛行)が決まったり、リーダー効果としてちょっと特殊な効果がついたりするんですが……。

その中に「アシスト射撃」「アシスト魔法」というものがあり、それをもったキャラの一定の範囲内で戦えば戦闘開始時に全体攻撃をしてくれます。
(ただしそのキャラのスタミナを1消費する)

青い円の範囲内ならアシスト射撃をしてくれる
複数のアシストを重ねて同時に攻撃してもらう事もできる
キャラが行動する前に全体へダメージ

例えばアシスト射撃であれば、弓兵をリーダーに据えればやってくれますし、その部隊の中に弓兵が多いほどアシスト射撃の威力が上がります。
アシスト射撃で先に敵を倒せれば、戦闘の内容自体が大きく変わる事も多いです(普通に戦ったら負けるけど、アシスト射撃を入れたら被害が少ない状態で勝てるように変わったとか)

なので単純に強いユニットをぶつけるだけでなく、他のキャラに支援してもらいながら有利に戦う、そのために支援用に弓兵オンリーの部隊を作るのも「アリ」なわけです。

そしてこれは当然の如く敵もやってきます。
弓兵が多く待ち構えている所に適当に突っ込むと、ただのぶつかり合いなら勝てるけどハチの巣にされて大敗する……なんて状況も生まれます。

ちなみに「アシスト回復」もあり、こっちは戦闘終了後に味方全体を回復してくれます。

※実際はこんな挙動とったりして「ちょっと君達さぁ……」ってなったりもしますが、今回の話にとって重要な話でもないので割愛。



◇ブレイブスキルによる補助

そのほか、戦闘で工夫できる要素としてあるのがブレイブスキル。
その部隊に編成されたクラス毎に使えるスキルで、フィールド上で有利な効果を展開できます。

味方のHPやスタミナを回復したり。戦闘不能の味方を生き返らせたり。
移動速度を上げたり。マップ兵器よろしく戦闘外で攻撃したり。
戦闘時の攻撃力を上げたり。
とにかく色んな効果があり、単純なぶつかり合いで対処できない相手もこういった要素も駆使して攻略できます。

もちろんコストは必要なので無限には撃てません。
必要な「ブレイブ」は敵を倒したりするとたまりますが、1ユニットを出撃させるにもブレイブが1必要なので、出撃させるかスキルを使うかはちょっとしたジレンマの要素になっています。
(戦闘の序盤~中盤は。後半になると部隊が出そろうので後は基本的にスキルのために使います)


◆それで何を達成しているのか

さてようやく本題です。
ようやく話したい事が話せます。

先ほどまで話してきたの個々のゲームの要素にしかすぎません。そこは重要ではなく、問題はそれらの要素を何のために、どうまとめるかです。
つまりコンセプトとしてどんな体験を作って何を楽しませるのか、それをどうやって達成するのか?という話ですね。

◇達成しようとしているコンセプト

ということでまず、このゲームが目指しているであろう面白さの部分。
これは

ぼくのかんがえたさいきょうのぱーてぃー
を最大10個つくって同時に運用し、ぶつけ合う

がこのゲームの根幹かなと思います。つまり

・自分が思う最強のパーティーを組む、構築の面白さ
・色んなコンボを組んで、色んな方向の「最強」パターンを作る面白さ
・そしてそれらを1つの大きな戦闘の中で、同時に展開していく面白さ

ですね。
私は開発に関わっていないので憶測ではありますが、実際に遊んだ体験としてもそうですし、複数のインタビューで「デッキ構築」に類する言葉が散見されています。

これとか。(https://news.denfaminicogamer.jp/interview/240308u

これとか。(https://www.4gamer.net/games/739/G073904/20230922082/

まぁ「シミュレーションRPGにデッキ構築の要素をつけたよ!」とだけ言われると ( ´_ゝ`)フーン ってなるだけなんですが。
ただそれだけではなくてですね。

構築した複数のデッキを使う

という点が、他のゲームにはない広がりを見せてくれました。
個人的には「デッキ構築型」というゲームジャンルを一歩先に進めかねないくらいの効果があるかなと思っています。
他の人がそれを使ってゲームを作るかはともかく。

……とまぁ語ることは色々とあるんですが、それは別の項目で語るとして。まずは順を追って説明していきましょう。
まずは各要素について見ていきます。


◇構築の遊びを支えるもの

さて、デッキ構築が楽しいゲームである……という話ですが、デッキ構築で想像するような「カード」はこのゲームには存在しません。
ただデッキ構築的な遊びで重要なのはカードというUIを扱うことではなく、

色んな効果でシナジーを出して、強力なコンボを叩き込む
(僕の考えた最強のパーティーを実現させる)

という部分ですかね。
まずこれを達成するのがこのゲームのコンセプトとしての大前提になってきます。そして、あらゆる要素がこれに対して紐づいています。

具体的にはまず

・クラス(基本的なスキルやステータス、属性)
・装備(ステータスの補助や追加スキル)
・作戦(スキルの条件設定)
・隊列(位置によるヘイトや相乗効果)

とか。例えば、「作戦」も「ガンビット的なやつ」で説明したりしましたがこれは「ガンビット的なやつ」を目指した仕様ではないでしょう。デッキ構築の遊びのために作られた仕様です。

実例を出すと、例えばこのツイートのパーティー。

解説するとこんな感じのこと考えて設定しています。
(そんなに読まなくてもいいです。雰囲気が分かれば)

◆主軸の攻撃
・相手に何もさせないためにスキルで最速行動ができるクラス(ウィッチ)を採用
・そのウィッチにチャージ無しで全体攻撃ができる砂塵の杖を装備させる
 →仕留めきれなくても気絶ついているのでより安全

◆更なる火力の増加
・確実に当てるために攻撃時に必中・会心効果を得る装備をウィッチに追加
 → 威力を上げつつ回避キャラも確実に潰す
・魔法系のキャラが装備で使えるソーサリーコネクトでさらに魔法攻撃力UP
 →ただしその魔法系キャラの魔法攻撃力が半減する
 →物理攻撃も持っているエルフフェンサーで影響を小さく
 →ついでに後列の枠がないので前列で回避役も担ってもらう

◆再行動で確実にトドメを刺す
・砂塵の杖のAP消費量が大きいのでAPが回復できるソルジャーを採用
・再行動させるために猫耳フードを誰かに装備
 →後列枠が既に埋まっているので前列で適当に防御力が高そうなやつ
 (動画ではファイター入れたけど重戦士系のがいいかも)

◆戦闘終了時にHPを回復する(継戦能力UP)
・基本的には速攻で敵を潰すので、通常の行動ではなく戦闘終了時にHP回復をするファーストエイドを採用
・エルフアーチャーなら回復を受けた時にシェアヒールで全体回復ができるので、作戦でファーストエイドの対象を弓兵に限定して強制発動させる

みたいな感じですね。
これをゲームデザインの話として汎用的に言い直すと、デッキ構築の遊びとしては

①強みとなるそのデッキのテーマが考えられる
 → 最速で必中全体攻撃をぶちこんで相手に何もさせないぜ!

②その強みをより伸ばすコンボができる
 → ソーサリーコネクトで更に威力UP
 → 主軸のキャラを再行動させて追い打ちをかけるぜ!

③弱みをある程度はカバーする手段がある
 → 敵のアシスト射撃とかが入ると行動前に全体HPダメージをくらう
 → 戦闘終了時に全体回復できるようにしてカバーだ!

みたいな事が考えられると、構築の遊びとして面白くなってきます。
この部分はTCGとかのカードゲームと共通する所ではないでしょうか。

そして強力なコンボを組む、特にエグい行動で「悪さ」をしている感じができるとなお楽しくなってきます。上記で出した「相手に何もさせずにぶっ殺してやるぜ!」も悪さの一種ですね。

ただし「強力なコンボを組んで悪さをして楽勝」だけだと面白さは続きません。脳死でそれをぶつけているだけだとそのうち飽きますからね。
なので「そのコンボだけでは勝てない」ことも重要になってきます。

◇どうやって「最強」を殺すか

対抗手段として、最も分かりやすいのは「相性」です。
例えばファイアーエムブレムなんかは

・剣は斧に強く
・槍は剣に強く
・斧は槍に強い

みたいな三すくみがあって、有利な武器で戦うことで強いキャラにも対抗できるようになっています。

……が、この凶悪コンボゲーにおいては多少の相性差でなんとかできるものではありません。
前の項で例にあげた動画でボコボコにやられていた騎馬隊も、歩兵に強く対魔法キャラもいるのでまともにぶつかればこっちの方が強いです。ただ行動させずに全部吹っ飛ばしているので魔法パーティーが圧勝しています。

じゃあどうしようもないのか?と言えばそうでもなくでですね。
例であげた魔法パーティー、実は適当に対抗手段を考えただけでも

①魔法反射スキルで跳ね返す
→ 最強に高めた魔法が全部跳ね返ってきて一瞬で全滅する

②飛行キャラで組んだユニットをぶつける
→ 砂塵の杖の全体攻撃は空中に居る敵に当たらない
→ 最初に盛大にスカしてあとは蹂躙される

③相手の攻撃時に暗闇を付与する
→ 暗闇状態だと攻撃が当たらないのでこっちも盛大にスカす
→ 暗闇無効の装備もつけられるが、装備を1枠使うのでコンボが大きく弱体化する

相手の攻撃時に攻撃力を下げるスキルを使う
→ 攻撃力半減・会心不可をつける
→ 強力なスキルとはいえかなりダメージが下がるので倒しきれない→ そのまま反撃をくらう

相手のバフを無効化するスキルを使う
→ バフがかかった瞬間に全バフを解除するパッシブスキル
→ スキルで最速行動をしているのでそれを解除されると最速行動できない
→ 順番がズレることでコンボがガタガタになることも

一列を守って耐える(ホワイトナイトのラインバリア)
→ 魔法攻撃を受けた時に一列魔法ダメージと状態異常を無効化する
→ 二人いる列は壊滅するが残りの1列(3体)は無傷でしのげる
→ 色んなリソースを初動につぎこんでいるので残った3体が強いと逆転可能
→ 実は動画でボコボコにされていた騎馬隊も、作戦で「全体攻撃をつけた時」「最も人数が多い列」を条件に最優先で発動するようにすれば逆転できる

もっと速いキャラで最速行動をして先に潰す
→ 最速行動のスキルをこっちも使えば、あとは素早さ勝負
→ もっと行動速度が高いキャラで強力な全体攻撃をぶちこめば終わり

くらいはありますね。ちなみに①~⑥は通常の雑魚でも持っている敵がいるのでぶつける相手を考えないと普通に負けます。

このゲームが素晴らしいのはこうした「一見最強に見えるコンボを崩す手段が豊富にある」ところもあるかなーと思いますね。
対抗手段が1つだと結局それに固定化してしまって広がりがありません。
しかし対抗手段が豊富なので自分の好きなようにデッキ構築をしながら、自分なりの対抗手段で挑むことができます。

もう少しまとめ直すと、「コンボを組んで超強いことをする」に対して

・別方向の強さで対抗する
 → 状態異常や能力ダウンを駆使する相手だと倒しきれない……
・相手のコンボを妨害する
 → 最速行動を潰されたらどうにもならん……

という「強いのを作れるけど対抗手段も色々と用意しているよ」的な形で「1つの最強」だけでは通用しない状況を作っているわけですね。

ただし、これを用意しただけでは不十分です。
色んなコンボへの対策が簡単に取れてしまうと結局は広がりませんが

①1戦闘内で発動できる回数に限りがある(AP・PPが尽きるまで戦闘)

②装備は1キャラ4枠までで、全ての理想を叶えることはできない
→ 状態異常への対策もしたいが、コンボのためにAPやPPを増やす装備をつけるともう枠が無い……など)

③作戦で設定できる枠にも1キャラあたりに制限がある
→ アクティブ・パッシブ共通で8枠まで
→ 限られた枠の中で何を優先するか考える必要がある

といった制限があることで「対抗しきれない」状況を作っています。
なのでそうした所でパーティーごとに相性がつき「Aの構築ではBに勝てないけど、BはCに勝てない。でもAはCに勝てる……」みたいな所が実現されています。

しかし、まだそれだけでは駄目です。
こうした要素を活かすための土台として

・作戦で行動を事前に設定して動くオートバトル
→ 戦闘中に考える戦術は重要ではない
→ 事前にコンボを組む戦略要素が重要なゲーム
→ 戦闘中に判断を迫るコマンド選択よりもデッキ構築の良さを引き出せる

というのが、これまで話した色んな要素を支えてバトルの面白さを成立させています。

ただ何となく「面白そうな要素」をくっつけただけではないのです。
あらゆる要素が、このデッキ構築的な遊びの面白さを最大限に引き出すために存在しています。

ゲーム制作ではまず「コンセプトを立てろ」と言われたしますが、これは「コンセプト」をしっかり使ってゲームを作っている理想的な例ですね。
1人のゲームデザイナーとして、遊びなら

こいつぁ…「分かっている」奴の仕事だぜ……

とニヤニヤしながら遊んでましたよ。えぇ。
ここまでちゃんとコンセプトに忠実にゲームを組み立てているゲーム、世にある中で1~2割くらいなんじゃないですかね。だいたい捻じ曲がるので。
(作り手の能力が足らなかったり、大人数で作って色んな人の意見が混ざった結果半端になったり、偉い人の鶴の一声で忠実になれなかったり……)


◆複数デッキの意義

さて、ここまでは「デッキ構築」という部分に目を向けてきましたが。

デッキ構築というと、デジタルゲームの中では『Slay the Spire』がデッキ構築型ローグライクを誕生させ、そこから一気に広まり今では1つの大きなジャンルとなりました。

ただそれに類する多くのゲームは、「とにかく1つのデッキを育てて進む」というゲームデザインです。
カードゲームも基本的に複数のデッキを所持することはあっても、実際にその場で使うのは構築したデッキの中の1つでしょう。

そうしたシングルデッキの構築と、複数のデッキを構築する(マルチデッキ構築?)の違いを見ていきます。


◇組み上げたビルドをボコボコにしていい

どうやって組み込んだ最強デッキを殺すのか……というのを前項で説明しましたが、そもそもソロゲーのデッキ構築でデッキを殺すのは推奨されません。

例えば『Slay the Spire』で毒無効のボスなんか出しちゃダメです。
毒に特化したビルドが死にます。固定で毒無効のボスを出したら毒特化ビルドで突破ができなくなるし、ランダムで毒無効のボスを出したらそのボスに当たるか当たらないかの運ゲーになります。

コンボを組み込んで特化して悪さをするところに気持ちよさがあり、自分の強みを作って押し付けるのが前提のゲームデザインなので、安易にそれをボコボコにしちゃうとそのデッキ構築の楽しい部分が無くなってしまう。
なので『Slay the Spire』のようなゲームはデッキとボスの相性はあれども特定デッキをボコボコにするようなことはしないわけですね。シングルデッキだと対応できないので。
※TCGのように対戦ゲームの場合はもうちょっとボコボコにして大丈夫です。それも含めたメタゲームになってます。

では、プレイヤーが組み上げたデッキをボコボコにすることは悪いことなのか?デメリットしかなく百害あって一利なし、絶対に避けるべきなのか?
というと違います。

シングルのデッキ構築と相性が悪いだけです。シングルのデッキ構築の場合はデッキが1つしかないのでそれを叩き潰されたら終わりですが、しかしマルチのデッキ構築の場合は終わりません。別の特性をもったデッキで対抗すればいい。
これがゲームデザインに大きな違いをもたらします。

◇役割の明確化とフォローのための構築

プレイヤーが丹精こめて作ったビルドを叩き潰すことで生まれることは何か?それは役割とその需要です。

シングルのデッキ構築には「デッキの役割」という概念が存在しません。
1つのデッキをいかに育て、自分の強みを作り出し、敵に押し付けるのか?というのがゲームデザインの中心となります。

しかしデッキが複数あり1つのデッキでは通用しない状況が生まれると「その状況を解決する」ための需要が生まれます。
例えば

騎馬隊で敵の地上部隊を蹂躙してやるぜ!
→ 敵の飛行部隊に攻撃が当たらん、騎馬特攻で殺される
→ 飛行部隊に対しては必中のある弓兵部隊を当てて……

とかですね。騎馬部隊を地上の敵に当てて、飛んでいる敵には弓兵部隊を当てる、という形で役割分担が発生しています。

まぁこれだけだとデッキ構築の無い普通のシミュレーションRPGでもある要素ですが、しかしこのゲームでは構築の要素があることでより大きな広がりが生まれていました。「デッキ内の需要」と「デッキ間の需要」です。

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例えば飛行部隊の中に、敵の飛び道具から味方をかばい無効化する「ファイター」が入っていた場合……単純に弓兵部隊をぶつけただけでは逆に手痛い反撃をされてしまいます。
なので飛行部隊を編成する時はファイターも入れたくなるし、逆にファイターのいる飛行部隊を倒すためには弓兵だけじゃなく別のキャラを入れる必要も出てくる。

これがデッキ内の需要です。部隊の強みを伸ばしたり弱みを解決するために、こういうキャラが欲しいなー、という需要。デッキ構築の要素が入った事で他のシミュレーションRPGと差別化できている部分ですね。

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しかし飛行部隊を編成する時にファイターを入れるのも良いですが、攻撃力の高いキャラを入れるよりもその部隊の攻撃力は下がります。
このゲームの場合はスタミナがあるので、会敵して敵を一回で倒し切ることがとても重要です。飛行部隊のいい所は地形を無視して進軍出来る所ですが、しかし弓への対策なしに単騎で突っ込めば射殺されて終わってしまう。

「じゃあどうしようかな」といった時、例えば2種類の飛行部隊を作るのもアリです。片方は攻撃力に特化した部隊でメインの殲滅をする、もう片方は弓兵部隊への対策をする……とか。
もしくはもう片方の部隊は途中でリーダーを変更して魔法部隊として扱い、アシスト魔法でもう片方の部隊の補助をしたり……とか。

これが「デッキ間の需要」です。もう片方の部隊では満たしきれない部分を、別の部隊を作ることで解決する。

この「デッキ内の需要」と「デッキ間の需要」が両輪として回ることで、

新しくこのクラスが使えるようになったぞ!
→ 今度はこういう編成を作ってみようかな
→ 今の編成に追加すれば更に強化できるかも

敵の○○に対応できない……
→ だったらこういう編成をすれば対抗できるのでは?

みたいな感じにゲームが回って、自然とデッキ構築を楽しめるような仕組みが生まれています。これが試行錯誤の面白さを作り、それ故に「時間泥棒だ」と言われるゲームになっているのだと思います。


◆1ユニット5人がもたらすもの

さて、ここまでは「デッキ構築」の部分に目を向けてきましたが。
そもそもとして

最大5人1組を1ユニットとして扱う

というのも中々面白い仕組みだったので、こちらも考察していきます。
ここもゲームデザインとしては大きな意義のある所です。


◇HPの分散による脅威度の調整

1ユニット1人と5人。人数が5倍になっているわけですが、それによって何が変わるのでしょうか?1人が5人分行動をすれば同じ話になる?

最も考えやすいのはHPです。
1ユニット5人の場合、1ユニット分の最大HPを5分割しているとも言えます。つまり

1ユニット1人:最大HP50
1ユニット5人:総最大HP50、1人当たりの最大HP10

ってな感じですね。言い換えると

1ユニット1人:50ダメージを受けると死ぬ
→ 最大HP50の状態で10ダメージを受けてもまだまだ余裕がある

1ユニット5人:10ダメージを受けると1人死ぬ
→ 総最大HP50の状態でも、10ダメージが脅威になる
→ 1人死ぬことで1人分の行動回数が消え、その後の戦闘に悪影響が出る

という話になり、更に言い換えると

1ユニット1人:50ダメージを受けると死に、ユニットが消滅する
→ 被害が大きい

1ユニット5人:単体ダメージで50ダメージを受けると1人死ぬが、ユニットは消滅しない
→ 最大HPの5倍ダメージをくらっても被害は5分の1で済む

という話にもなったりします。
こんな感じでちょいと意味合いが変わったりしますが、コレが「プレイヤーが感じる脅威度」に大きく影響を与えます。

そしてこの脅威度という存在、ゲームサイクルを回すためにはとても重要です。敵から強い脅威を感じれば

敵から受けるダメージが高いぞ!(脅威度が高いと認識)
→ もっと回復が欲しいな、ヒーラーを入れよう
→ 死なないようにするために防御力の高いキャラで他キャラをカバーしよう
→ 防具ももっといい装備が欲しいな
→ いやもう、いっそのこと殺られる前に殺ってしまえば……
→ 敵が強く感じるし、もっと自分のパーティーを強くしたいな

みたいな感じに色んな方向の需要に繋がり、サイクルが回る起爆剤となります。しかし逆に楽勝だなコレってなると

敵から受けるダメージが低いぞ!(脅威度が低いと認識)
→ 新しいのが手に入る方が嬉しいけど、まぁどうせ勝てるしなぁ。

ってなってくるので、報酬を得た時の嬉しさが小さくなりがちです。
なので目指すのが難しいゲームでもある程度は簡単なゲームでも、ゲームを作る上でこの脅威度の調整は非常に重要になってくるわけです。
(これだけをテーマにゲームデザインの記事が1本書けそうなくらい)

ちなみにこれ、重要なのは「脅威を感じるかどうか」は「全滅しそうなほど敵が強いか」とは = 関係ではないという所。
フロムゲーの如く何度も死ぬゲームはもちろん脅威度を高く感じやすいですが、上手く工夫すれば「基本的に全滅はしないんだけど、脅威度は感じるので色んなものが欲しくなる」という状況が作れます。
(多くのゲームが目指すのはこの方向性かも)

そしてこの「1ユニット5人」という考え方は非常にその点で優れています。
プレイヤーが分かりやすく脅威度を感じるのは「死にかねないダメージを受けた」時で、例えば

最大HPの半分を一撃で削られた!

とかだとゲームを遊んでいて「痛ぇな」という印象になるかと思います。
1撃で死ぬような攻撃だともっと。そして少し前に出した例の

1ユニット1人:最大HP50
1ユニット5人:総最大HP50、1人当たりの最大HP10

の場合、最大HPの半分を一撃で削るなら

1ユニット1人:ダメージ25(最大HPに対して50%)
1ユニット5人:ダメージ5(総最大HPに対して10%)

という感じで、ユニットが消滅するまでのダメージ量は同じ50でも、1ユニット5人なら脅威度を感じさせるために必要なダメージ量がかなり少なく済みます。
(プレイヤーから見た認識としては、総最大HPの5%減ったな!って見方をする人はおらず、このキャラのHPが半分減ったなって見方になるので)

またプレイヤーに脅威を感じさせる上で、

「1キャラ死ぬ」事に対するデメリットが段階的に発生するようになる

というのも優れた点です。

シミュレーションRPGにおいて「1ユニット」の重みはかなり大きなものです。動かせるキャラが減って戦力が大きく下がり、戦いの自由度が減る。そしてそのユニットを復活させる手段も乏しい。
精神的にもゲームプレイにおいても重く、人によっては「1ユニットでも死んだらリセットする」なんて人もいるでしょう。(そのクエストが終了した後に復活はするとしても)

なので1ユニットが「存在している」と「消滅している」の間にはかなりの差があります。死ぬことで発生するデメリットがかなり大きい。
そして脅威度を上げるために敵の攻撃力を上げていくと、このユニット消滅のデメリットとストレスを安易に与えることになってしまうわけです。

それに対して、1ユニット5人という形式は「1キャラ死ぬ」と「1ユニットが消滅する」の間にクッションが設けられます。つまり

1キャラが死んでもユニットは消滅しない
ただし行動できる人数が減って弱体化はするので、脅威は感じる

という状態を作ることができるので、

プレイヤーをゲームオーバーにはさせないけど、敵を強く感じさせられる
(強くなりたい!あれが欲しい!こういう編成をしたい!と思わせるくらいの脅威度がある)

といったバランスが作りやすい仕様になっている……というわけです。


◇50キャラに感情移入できるゲーム

キャラに感情移入をしてもらう上で、

戦闘で使うメインメンバーに入っている

というのは非常に重要です。
メインメンバーに入らず戦力外通告を受けたキャラはプレイヤーの視界に入る事も少なくなり、感情移入の対象として外れていきます。
なのでメインメンバーの数が多いというのは、感情移入できるキャラの数に大きく影響します。
ではユニコーンオーバーロードはメインメンバーに何人まで設定できるのか?

50キャラです。
最大1ユニット5人で10ユニットまで編成できるので、戦闘で50キャラまでメインメンバーとして同時に運用できます。
しかも1キャラ1キャラに名前がついてキャラとしての個性もある。

これは他のゲームではそうそうお目にかかれない数字だと思います。(個性のない雑兵を設定できるゲームはありそうですが)

んまぁ、企画時にこんな事を提案したら

何を言ってんだよコストを考えろよバカ!!!

と言われちゃいそうですが…実現しているんですよねぇ……。

ただ、この形式はヴァニラウェアさんの個性にはかなり合っています。
元々シナリオやキャラの魅力を作るのに優れており、ちょっとした会話でキャラの個性や魅力を引き出すのが得意な会社さんです。
実際、ちょっとした所作から何から色んな所でキャラの魅力を引き出していて、短く少ないイベントの中でもキャラにしっかり感情移入をさせることができる方達ですし。こういうの。

なので無茶をしているといっても「自分たちが得意な方向で無茶をしている」ので、それがまた他のゲームでは早々真似できない個性を作っているのかなと思います。

◇報酬の需要の増加

使えるキャラ数が多いというのは、必要になる装備数も多くなる……という話でもあります。

例えばプレイヤーキャラが1人だけの場合、装備できる武器は1つ。そして新しい武器を手に入れてそれが前の武器の上位互換だった場合、元々装備していた武器はもう用済みになるでしょう。
しかしプレイヤーキャラが4人いる場合は、新しい武器が手に入っても元々装備していた武器を他のキャラに渡して使いまわすこともできます。

んで、ユニコーンオーバーロードのメインメンバーとして使えるキャラ数は前の項でも言った通り50人です。
武器だけでも最低50枠あるし防具も含めると200枠の装備枠があります。
APやPPを増やすような便利な装備は、十個以上を手に入れてもまだ欲しい。

アホみたいな数字ですが、実際これが報酬サイクルをいい感じに回しています。

クエストをクリアして街を解放すれば新しいショップで買い物ができる。
ショップで解放される武器や防具は在庫が設定されており、1つの店で全員分を揃えることができない。
だからまた街を解放して新しいショップを出したくなるし、そこで前の街と同じ物が売っていたとしてもまだ嬉しい。

ってなわけですね。
ここのゲームデザインも、色んな要素に合わせてしっかり作られています。


◆おまけ:オンライン闘技場について

色々書きたいんだけど!
ここまで書くのに体力が尽きて!!書けてねぇ!!!

ここでは人に読まれるための文章ではなく、自分のためのメモ書き程度に思っていることを書き残しておきます。

気が向いたらちゃんと書きます。
(……と思ったけど殴り書きしたら満足したので書かないかも)


◇ゲームデザイン

説明するの面倒なのでメモ書きでは割愛


◇不満点

あんだけ!
イイ感じに色んな要素をまとめたゲームデザインをしているのに!!
オンライン闘技場じゃそれを活かせてねぇ!!!

複数デッキの編成がこのゲームの良い所だったじゃねぇか!!!
それのおかげで編成にも色々広がりがあったんだよ!!!
1デッキ(ユニット)同士をぶつけて終わりでどうする!!!
そのせいで、クリア後だと状態異常とかデバフに対する対策が簡単になりすぎてんじゃねぇか!!!
状態異常キャラとかそっちに特化した編成を使いたくても使えねぇよ!!!

あと、連勝を目指すのはいいんだけども!!!
どんだけ順位を上げてもNPCがいるじゃねぇか!!!
強い相手と戦うほどポイントがデカいけど、レベルで判断されるからレベル最大(50)だとプレイヤーよりもNPCの方がポイントデカいよ!!!
勝てるかどうか分からんプレイヤーと戦う理由が酔狂以外にねぇよ!!!
というか負けると連勝が消えて、ポイントのボーナスが小さくなるからなおさらだよ!!!
世界ランク9位になったけど、ただ弱いNPCを相手にしていただけだよ!!!
順位を上げようとすると「俺より弱い奴に会いに行く」になっちまうじゃねーか!!!
あとレベルで判断されるせいでレベル50になったら世界ランク1位が恐ろしく目指しにくいじゃねーか!!!(自分より強いヤツと戦ってボーナスを得られなくなる)

あと、戦った負けた時に「その相手を倒すにはどう編成を変えて戦えばいいのか」を考えて工夫して再挑戦するのが楽しいのに、「オンラインで戦えるのは1日10回まで」の制限のせいで、その面白さが減っとるがな!!!
……と思ってたけどここは改善されるっぽいですやったー


◇こういうのが欲しい

3ユニットの勝ち抜き戦が欲しいなぁ。
それなら複数デッキの編成で戦えるし、色んなテーマの編成を突き詰めていくのに意味がある。

状態異常やデバフ無効も装備数は限りがあるから、対策できないパーティーも出てくる。それなら今だと死にがちな状態異常特化編成も使えると思う。

全員にこれを装備させたいけど、でも数が足らなくて装備ができない。
じゃあ誰を優先してどういう編成をするのか?というのがあれば、プレイヤー毎の個性ももっと出ると思う。
1ユニット5人の編成だと装備が「足りてしまう」ので足りなくして欲しい。

あと1回戦って終わりだと、戦闘終了後に回復するスキルとかもあんまり意味がない。(そのリソースがあるなら戦闘中に1ユニットでも守るか、相手のユニットを倒すかしないと負ける)
でも勝ち抜き戦ならそこら辺の意味も出てくるので、もっといろんな編成が出来る。


◆終わりに

んまぁ、ごちゃごちゃと書いてますが、あとはやって体感すればいいんじゃないかなと思います。


◆宣伝

これとは別にも、不定期でゲームデザインの話を色々書いています。
既存のゲームをテーマにしたものならコレとか。

もうちょっと汎用的なのとかだと

とか。興味あればこちらもどうぞー。


あと、今回みたくゲームを遊びながら得たゲームデザインの知見を活かして個人でゲームも作っています。

まだアーリーアクセス版で完成はしていませんが、一部のルートはもうすぐ完結します。
ちなみにただいまセール中。あとちょっと期間が終わりますが、興味ある方は遊んでみてください。(無料の体験版もあります)


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