ショート小説「変人の悩み」

「悩むなー」

僕はとても重要な局面を迎えている.

「これもいいしな.いや,やっぱこっちの方がいいかな.でも,こっちの方が安いしな」

かれこれ20分悩んでいる.お店の人がジロジロと見てきて,あまり時間がない.少し焦ってきた.

「よし.やっぱこっちにしよう」

最後は自分の直感を信じた.

僕はガリガリ君を買うことにした.

え?たかがアイスを選ぶことが重要な局面かって?はは.笑わせないでくれたまえ.あなたにとってはどうでもいいことかもしれないが,僕にとってはとても重要なことなのだ.

いつも安くて買っているガリガリ君,高いがおいしいとうわさのハーゲンダッツ.金欠の僕にとっては究極の選択だ.

店員も周りの人も「なんだこいつは」みたいな目で見てきたが,僕は全然気にしない.周りにどう思われようが僕は僕が思うままにするまでだ.

ただ,今回は20分もアイス売り場を独占してしまって周りに迷惑をかけてしまったので,そこだけは反省しなければいけないな.

まあ,アイスも買えたことだし,僕はここでおさらばする.

「ではまた」


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