台にアニバーサリー【毎週ショートショートnote】
コーヒーの移動販売をはじめてから二年たつ。
きっかけはブラック。
ブラック企業に勤めブラックコーヒーばかり飲んでいた。
僕はコーヒーが心底すきなん台。
いや間違えた「すきなんだ」
接客に不慣れで、無駄に女性に好かれややこしいことになったりしながらなんとかここまでやってきたん台。
思い出にひたりながら自宅でコーヒーを淹れていると、謎に台が揺れ、僕はやけどした。
病院にいき、手当をうける。
当面営業は見合わせることにした。
二周年アニバーサリーだったのに。
だが、本来いくはずの屋台村までの道路で事故があった。
言い寄られていた女は別のキッチンカーの男にしつこくつきまとったあげく殺していた。
ひょっとして、守ってくれたのか、台。
台よ、台二の人生を一生に生きてくれてありがとう。これからも一緒だよ。
そういうと、カタッと音がした。
「ちょっと痛いかもしれないけど」と僕は思いついて自分の名前を台に彫る。
台は勝手にピンク色になった。
【410文字】
あなたのサポートがわたしの自信。とにかく生きる希望ー!