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#001 なりたい自分になれると思ってたのになれなかった話。


こう、女の子として生きてたら
「こういう顔になりたい」や
「この芸能人の顔に近づきたい」
なんて思う気持ち、少なからずあるじゃないですか。

多分私は人一倍その気持ちが強かったんでしょう。
理由としては単純にひょんなことから25kg以上のダイエットに成功し、
ずっとデブでブスだった自分に若干の自信がついたことが原因です。良くも悪くもですね。

太ってた頃の自分は、恐ろしいほど自信家でした。
自分のことを太ってるなんて思ったこともなければ、
自分のことをブスだと思ったこともなかったです。

でも、少し痩せて世間の女子とおなじ目線に立った時
圧倒的に自分が劣ってることに気づきました。
正直衝撃でした。
自分のことを有村架純だと思ってたら、渡辺直美だったレベルです。


そこからというもの、とにかくがむしゃらでした。
今から考えると冷静な判断能力もなかったのかな?と思います。

目を整形してみたら案外可愛くなったから、次は鼻!エラ!口元!脂肪吸引!などなど。
正直バランスなんて考えずとにかくパーツを綺麗にすることを考えました。まあ言うてプチ整形でとどまったので脂肪吸引以外は戻せるんですが。

ここまでの施術については全く文句もないです。
むしろ本当に綺麗にしてもらえて感謝です。
そんなに元々の自分が大きく変わる施術でもないですし、後悔したことは1度もなかったです。

友達と飲みに行って、見向きもされない屈辱。
男性からただの性の対象としか見られない屈辱。
そんなものから解放された私は、自分の可能性が無限大であると過信しました。
悩んでいることや、内面的に辛いことも、全て見た目が綺麗になることで解決すると錯覚したのです。

そう、整理するとこの記事を書くきっかけになったのは、歯列矯正に興味を持ったからなんです。

ちょうどその時仲が良かった同期はとても歯並びが綺麗なのに「歯列矯正をしたい。」と悩んでいました。
正直焦りました。
私の歯並びはもちろん綺麗ではありません。それなのにこんなに綺麗な歯並びをした同期でさえ、歯列矯正を考えているではありませんか。


そこからの行動は異常に早かったです。
1週間以内に2件の矯正歯科を回りました。
ただその2件の病院で出た診断は、

「元々顎の骨が曲がっているため歯列矯正では大きな変化は期待出来ない。顎変形症の治療と合わせてできる矯正歯科に通うべきだ。」との診断でした。

話を聞くと顎変形症の手術と歯列矯正をセットでした場合、保険が適用されるので手術費込みで40万円ほどで済むとのこと。通常の歯列矯正は100万円以上。40万円なんて、腕の脂肪吸引より安いんです。
整形に全く抵抗が無くなっていた私はなんの恐れもなく顎変形症手術を前提とした歯列矯正を始めました。
それがちょうど今から2年前のお話です。


もちろん顎変形症手術を前提とした歯列矯正なので、途中でやっぱり辞めますなんて言えません。その場合は全額10割負担でとんでもない金額を請求されます。
私の場合犬歯や奥歯など6本の歯を抜いたので、途中歯抜けになる事もありました。わざと下の歯を前に出したので、前から見たらただのしゃくれ、横から見たらアンコウそのものでした。

それでも顎変形症の手術さえ終われば、理想の自分になれるんだと信じて疑いませんでした。どんなに辛くて痛い矯正も、どんどん醜くなる見た目も、手術後の理想の自分の姿を思い浮かべてなんとかモチベーションを保てました。


迎えた2019年10月。いよいよ手術です。
怖いので、手術内容の具体的なもの等はあまり見ないようにしていましたが、私の手術は簡単に言うと
・上顎の骨切り
・下顎の骨切り
・エラ削り
の3つの内容です。
骨まで削ってしまえば、自分のコンプレックスだった面長の顔ともやっとおさらばだと考えました。
正直期待しかなかったです。
憧れる世間一般的に言うバランスのとれた綺麗な顔にやっとなれるのです。
手術の前日は新しく生まれ変わる自分への期待でいっぱいでした。


いよいよ手術着に着替え、全身麻酔し、手術。
全身麻酔から覚醒し、自分の顔を見ました


某芸人の言葉を借りるのであれば、
「思てたんとちがーう!!!」です。
でもその程度のものでした。
術後はかなり腫れると言われてましたし、腫れているからこんなに丸い顔なんだろうな、と割り切れました。

それでも時は経ちます。1週間、2週間、1ヶ月、明日でちょうど2ヶ月になります。
まだ少し腫れているとは言え、自分の顔が大きく変わったことをやっと受け入れることが出来てきました。

今鏡を見てそこにいるのは、思ってたような綺麗系と言われる顔ではなく、どちらかと言うとかなり幼くなった自分の顔です。
短くなった顎。削られて丸くなった顔。少しだけ広がった鼻。

納得なんていきません。でも所詮美容整形ではなくただの外科手術です。
なりたかった自分なんかじゃありません。でももう戻れません。

受け入れるしかないんです。


ただ、そこで気づきました。
私の求めてた物、求めていた自分は、顔を変えることで手に入るものじゃなかったんです。


ずっと誰かに認めて欲しかった。
ずっと誰かに必要とされたかった。


変わっていく見た目に追いつかない自分の内面。
変わる周りの対応と、何も信じられない自分の心。
見た目も取り繕い、それ以上に内面も取り繕いました。
見た目が変われば変わるほど、自分の内面も頑張ってそれに追いつこうとするんです。無意識に。



なりたい自分ってなんなんでしょうか。
それって本当に、自分の見た目を変えることで手に入るんでしょうか。
見た目に自信がつくことは人生に大きなプラスを与えてくれます。でも、大事なのはそれについていけるかどうかです。


私はついていけませんでした。
ここからは、内面と外側のすり合わせに人生を消費していくことになりそうです。
でも後悔はしてません。本当にいい経験になったとは思います。


でも、同じように悩んでる人がいたら少し立ち止まって考えて欲しいです。


あなたは、十分綺麗です。
自分が思ってるよりも何千倍も綺麗です。





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