いとエモし in京都
初めての1人旅で京都に出かけました。
清水寺や伏見稲荷大社など、人気スポットを回る中で感じたことをマジメに綴ります。
舞台の中心でアレクサと叫ぶ
最初に向かったのは清水寺。
色づき始めた紅葉が、とても麗しかったです。
清水の舞台には客席がありません。
なぜだか知っていますか?
理由は、観覧者が本尊の観音様のみだからだそうです。
素敵ですね。
ただ、自分が住職なら、観音様にはもっと快適に過ごしていただきたいと考えます。
手始めにゲーミングチェア&ドリンクホルダーを設置。次にDolby Digital5.1のホームシアターを導入。
高速光回線のWi-Fi契約も欠かせません。
最初は「いらんことすな」とバチバチにお説教を喰らいそうですが...。
そのうち便利な生活になじんできて「アレクサ、Amazonでキッチンペーパー頼んで!」と、デジタルの世界に慣れ親しまれるのではないでしょうか。
慣れ親しまれるかー。
『ニューホライズン』を想起せよ
轟門をくぐって本殿に向かうと、大黒様がいらっしゃいます。
出世や商売繁盛など、嬉しいプレミアム特典ご利益があるそうです。
お賽銭を入れるために小銭入れをまさぐっていたところ。
「※★♀?」
振り向くと、東南アジア系のバリかわ女子。
「※★♀?」
おそらく英語だと思うのですが...
・女子と喋るの久々すぎてド緊張
・英語わからん
・コミュ障
・陰キャ
以上の4大勢力が徒党を組み、我を包囲。
ガチガチに固まってテンパり倒しました。
こんな時どうしたらいいん?
I don't speak English.と突き放すのは申し訳ないし。
Sorry. I'm comyusyou.と弁明しても伝わらへんやろうし。
ヤバいどうしよ...
たたかう
じゅもん
▶︎にげる
どうぐ
ドラクエしてる場合か
「※★♀?」
うわ、また喋ってきた。
なんて返したらいいん?
思い出せ。
答えは英語の教科書に載ってたはずや。
ニューホライズンを思い出せ。
あかん。
Good morning Ms.Green.とpardon?しか思い出されへん。
あとはパジャマパーティーてなんやねんの記憶しかないわ。
無念。
『GachiでKillする5秒前』by.バリかわ女子状態
降参した僕は、仕方なくGoogle先生に外注することにしました。
画面を見せようとすると、バリかわ女子は自分のスマホを取り出し、カメラモードを起動してビデオの録画ボタンを指差しました。
......え?
あ〜!
なるほど‼︎
動画録ってくれってことね。
ようやく僕は、彼女が言いたいことを察しました。
危うく柴犬の扶養家族だと勘違いされるところでした。
キュートな笑顔でお辞儀をし、僕にスマホを渡してきたバリかわ女子。
続けて彼女は被っていたベレー帽を脱ぎ、僕に渡してきました。
ワシャ荷物持ちか。
録画ボタンを押すと、大黒様の横に立ち、TVリポーターさながらに慣れた様子で喋り出すバリかわ女子。
上品な所作でお賽銭を入れ、最後はカメラに向かって指で♡。
カワイすぎるやろ。
『MajiでKoiする5秒前』by.広末涼子さん状態でした。
「Wao♡」と、バリかわ女子。
どうやら、僕の撮り方がとても気に入ってくれた様子。
「Thank you♡ アリガトー♡♡」
......待って。
これイケる感じ?
芸人時代のクズな自分が蘇りました。
アドレナリン✖️男性ホルモンは、コミュ障に効く特効薬なのです。
↑このように打ち込もうとした瞬間...
「Oh my god‼︎」
え?
「ティケト、マガタ‼︎」
バリかわ女子は、ぐにゃっと折れ曲がった清水寺の拝観チケットを見せてきました。
どうやら僕にベレー帽を渡す際、チケットも帽子の中に入れていたらしく...。
僕はビデオ撮影に集中しすぎたせいでベレー帽を雑に扱い、チケットを折り曲げてしまったようです。
親の仇を見る目で睨み付けてくるバリかわ女子。
『GachiでKillする5秒前』みたいな顔すな。
伏見稲荷大社で「いとエモし」
気を取り直して伏見稲荷大社へ。
全国に約3万社ある稲荷神社の総本宮で「お稲荷さん」の愛称でも親しまれています。
伏見稲荷大社といえば、千本鳥居。
実は千本ではなく、約一万本もの鳥居があると知っていましたか?
伏見稲荷大社は境内が非常に広く、敷地面積は約87万㎡にもおよびます。
なんと、稲荷山の山麓にそびえ立つ大鳥居〜頂上までの全体が伏見稲荷大社の境内です。
約一万本というのは、境内にある全ての鳥居を合わせた数。
千本鳥居とは、境内の一部の山道に、密集して建つ鳥居のゾーンを指します。
千本鳥居ゾーンの最後まで進むと折り返し地点があり、そこでUターンする人が多いのですが、僕は違います。
スポーツの専門学校を出ているのでね。
山頂まで登るに決まっていますよね。
ズンズン歩を進めました。
足取りは軽くなる一方でした。
余裕でした。
と、思っていました。
体力は落ちるものですね。
次第に息切れし、モモと尻の筋肉が焼けちぎれそうに。モモ裏の筋肉の何本かは、ミディアムレアぐらいまで焼き上がったと思います。
それでも諦めずに登りました。
30分ほど歩き続けると、前方に看板を発見。
『山頂まで40m』
「Wao♡」
バリかわ女子と同じぐらい喜びました。
束の間でした。
↓近付いてよく見てみると↓
『山頂まで40分』
分!?
メートルじゃなくて、ぷん!?
ちょっ、待っ......ぷん!?
その刹那、高熱・頭痛・吐き気・めまいetc...バリエーション豊かな仮病が発症しました。
よりによってナゼこんな時に...。
僕は根性のある勇敢な男なので、途中で諦めるつもりは微塵もありませんでした。
でも、フラフラで立っているのがやっとの状態というほど、仮病の具合は重度。
全力で己を鼓舞しても、身体が言うことを聞きません。
黄昏時。
僕は、あまりの悔しさに咽び泣いてしまいました。
立ちはだかる困難から一歩たりとも逃げずに立ち向かい、儚くも堂々と散った男の背中は、我ながら「いとエモし」だったと思います。
「初めて自分で自分を褒めたいと思います」by.有森裕子さん状態でした。
悔しいですが、仕方ありませんよね。
体が資本ですし。
みんなもそう思うやろ?
初めての1人旅で学んだことは...
単独行動は自由気ままでラクですが、イベントに参加しづらいのが難点でした。
最初に訪れた清水寺にある、音羽の滝。
3本の小さい滝があり、それぞれ「延命長寿」「恋愛成就」「学業成就」のご利益があるとのこと。
個々で1本を選び、飲めば願いが叶うそうです。
真夏のアクエリぐらい3本ともガブ飲みしたかったのですが、写真の通り長蛇の列。
並んでいる人は、水飲みシーンをめっちゃ見ています。
聴衆の前で威風堂々と振る舞う勇気など、劇的陰キャの僕にはありません。
(なにアイツ?)
(おっさん1人で寂し...)
(服ださ)
(顔ださ)
(お前はコンビニで水買えや)
(ティケト、ユルナサナイ)
などとヒソヒソ言われそうだからです。
こんな時、誰かと一緒なら、周りの視線を気にせずハシャいで滝水を飲めただろうなぁ...。
初めて1人旅をしてみて、単独行動と集団行動のそれぞれにメリ・デメがあると感じました。
ただ、そんな当たり前のことは行く前から予想できました。
今回の旅で学んだ最も重要なことは...
「スマソです」を英訳したら「It's smart.」なんやということです。
つたない写真展
以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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