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皿うどんサラウンドの皿を割って話そう~ヘレンケラーな花火大会〜

夏休み突入。
ちらほら花火大会のニュース。
この季節になると毎年「ウォーター」と叫びたくなる衝動に駆られる。
決して年甲斐もなく庭先のビニールプールで水浴びしたいのでもなく、
「世界の果てに、ひろゆき置いてきた」みたいにナミブ砂漠の真ん中に置いてけぼりにされた訳もなく、
下記の出来事を思い起こすからだ。


数年前の花火大会
人混みの中、ゴールデンレトリバーを
連れて来ている母娘。
大きな音や雑踏に落ち着かないのか
ゴールデンは色んな所に
足を上げオシッコをしていた。
用を足す度
母は「ウォーター」と大声で娘に指示。
娘はタタタと素早く駆け寄り
粗相をした場所に「ウォーター」と
水を掛けていた。

さしずめ
母はサリバン先生
娘はヘレンケラー
ゴールデンは神風号

片田舎の花火大会に
ヘレンケラーご一行が
来日して下さったようだった。

「見えない」「聞こえない」「話せない」
三重苦のヘレンケラーが犬まで連れて
お越し下さっているのだ。
これを奇跡と呼ばずして何と言う。
奇跡の人の奇跡的な軌跡
生涯の1ページとして
記されること間違いなしであろう。


目の前に繰り広げられる
ご一行のチームプレイに目を奪われ、
また暑さと人混みで朦朧としてしまい、
花火大会どころではない。
現実に起こっていることなのかすら
怪しいくなる位だった。

マーキングをし続けるゴールデン神風号
「ウォーター」と叫び続けるサリバン母
水を掛け続けるヘレンケラー娘

幼き頃に繰り返し読んだ
絵本の中の出来事が
幾度となく繰り広げられていた。

ご一行の後を付いていくと
盆踊りの会場に着いた。
花火大会に負けじと、けたたましい音量で
ドラえもん音頭が流れていた。
ますますトランス状態となった私はふと足元を見た。
私はどうやらドラえもんが出してくれた
「絵本入りこみ靴」を履いて出たようだった。

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