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バタリアンが好きすぎる

こんばんわ、ふと書きたくなって書いてます。
私の世代は夕方のご飯時にタールマンの溶けるCMを見て育った世代です。
はじめは怖くて仕方なかった。
金曜ロードショーであったのを録画して、段々とみていくうちに唯一無二の映画になった。
何よりも低予算でありながら、映画の基本的なテクニックを使って怖さとか緊張感とか笑いとかをしっかりとしている。
アップショットは要所要所で使い、基本はフィックスショットと固定ショット。ドリーショットはほとんど使わずに、カメラの切り返しと編集の上手さで作り上げている。
80年代は特殊メイクが一気に進み、名作のジャンル映画が多々生まれた。
この監督、ダン・オバノンはジョン・カーペンターと大学で仲間であり、彼らの学生映画はアカデミー賞をとった。
それからカーペンターはコツコツ良作を作って知名度を上げたがオバノンはダークスターの制作とか、出演とか、ゴムボールの宇宙人とか、あまり評価されなかった。
スターウォーズEP4でデジタル画面の効果で職を得たがルーカスにはダークスターのことをボロカスに言われて凹んだそうです。

起死回生で立ち上げたエイリアンの初期設定の為にHRギーガーを連れてきたり、デビット・ガイラーやウォルター・ヒルにクレジットを奪われそうになっても何とか頑張ってエイリアンの創造者としてまず名をあげた。

それ以降、エイリアンにはかかわってませんが彼には脚本家としての才能もあったし監督デビューも狙っていた。
ジョン・バダムのブルーサンダー、トビー・フーパーのスペースバンパイア、本来彼が監督するつもりで書いたものだが機会がなく出来なかった。
スペースバンパイアの走る感染者はバタリアンの設定にも生かされてます。

ようやく念願のバタリアン、予算は150万ドル、当時の日本円では三億五千万あったかどうか。

彼はスキャナーズで破裂する頭部、レイダースの溶ける顔、の技術は使いたかったからオープニングでタールマンが空気に触れて溶けるところは同じ技術を使って早回しで作った。ガラスが割れるのは想定外だったそうですがいい効果を出している。あれがはじめは怖くて怖くて。

さて、吹き替え版のバタリアンは稀に見る実力者声優さんたちのおかげで大傑作になった。富田耕生さん、二又一成さん、塩沢兼人さん、屋良有作さん、小山奈美さん、勝生万砂子さん、等々当時イケイケの声優さんたちがノリノリで吹替をしている。

それを録画したVHSを何度繰り返してみたか。数えきれない。
そして、時代はDVDへ。一番初めのDVDは安かったが吹き替え版が入ってない。それでも貴重な音声解説、メイキング等、いいものではあった。

それからHDリマスターのDVD、これには吹き替え版が入っていた。だがそれだけだった。

バタリアンの信者としてはいつかいい感じのブルーレイが出ることを願っていた。

そしたらやっと出た。素晴らしいものが。

音声解説は二つ、メイキング、キャストインタビューとか山盛り。ゾンビ字幕なんてマニアックなものも入っていた。

先日全て見ました。最高だなこれは。

そしてすでにマニアとして願うのは、4KUHDの発売です。

多分かなり売れているからいつかは実現するのではないかと思うのです。と言うか実現してほしい。

クラファンが必要なら出せる範囲内で出しますよ。生存されている吹替声優さんたちのインタビューなんか入っていたら最高。

日本人は想像以上にバタリアンが好きですからね。

2は同じパターンだがかなり好き、リターンズの3はブライアン・ユズナのきっちりした仕事が見事に昇華していて好き。
4、5は蛇足ですけどね。

ちなみに原案のジョン・ルッソはロメロ師父とナイトオブザリビングデッドの脚本を書いて、たもとを分かれたが彼のバタリアンの原案はナイトの続編以外何物でもないからオバノンは一から書き直したそうです。
リビングデッドのタイトルが使えるのはルッソが権利を持っていたから。
ロメロ師父は生きている間にリビングデッドのタイトルを使えることはなかった。彼らが考えたのに。

とにかく、80年代のホラー、スプラッターブームは半端ではなかった。普通に週末に13日の金曜日とか、エルム街の悪夢とか、ほとんどノーカットで放送されてましたから。いい時代だった。

しかし、M君事件で段々下火になってきた。時代はサイコスリラーに変化してきていた。羊たちの沈黙が始まりですな。

セブンとかコピーキャットとか、実在の殺人鬼のネタを可能な限り嫌な感じで映像化した。まあセブンはアンドリュー・ケビン・ウォーカーがタワーレコードの店員時代に煮詰めて書いたオリジナルですが。

羊たちの沈黙はそれだけ衝撃的だった。エド・ゲイン、ジェフリー・ダーマー、テッド・バンディとか色々ミックスしていて素晴らしかった。

わたしもレンタルで借りてレクター博士の逃亡シーンであまりに興奮して大はしゃぎしたものです。

時代は21世紀になり、28日後・・・、バイオハザードの成功によってゾンビブームが戻ってきた。ロメロ師父もなんだかんだ言って六部作を作れた。

ダン・オバノンはトータルリコールの脚本かいたり、ヘルハザードを監督したり、スクリーマーズの脚本かいたり、彼はF・K・ディックのかなりのファンだったのでしょう。彼は残念ながら60過ぎに亡くなられた。

しかし、彼の残したもの。例えば今やある程度古典になったゾンビのリメイク、ドーンオブザデッドはどこからどう見てもバタリアンの再映画化にしか感じられないし、走るゾンビというものは一定の評価を得ている。

ウォーキングデッドはロメロ師父に忠実ですが師父はメロドラマとして最後まで認めなかったそうです。確かに私もシーズン4でやめた。同じことの繰り返しだから。

さて、ロメロ師父はロードオブザデッドという脚本を残している。関係者が動いているらしいですが。

ダン・オバノンの功績は今回のブルーレイのアートワークをした高橋ヨシキさんが受け継いでいる。
ヨシキさんのバットマンリターンズの見方は私とほぼ一緒。わたしもあの映画の為に一日中映画館にこもりましたから。

80、90、年代と映画を消費し続けて、今は過剰なコンテンツ、供給過剰、だからこそ配信ではなく私は有料放送とレンタルと、セルにこだわります。
やはり映画館で観て、レンタルで二三回みて、ソフト買うという幼いころの体験は変えられない。それでいいと思っているし、時代は常に変化するから何が一番効率がいいかなんて誰にも分りません。

ただ一つ言えるのは映画というのは体験であり、経験であり、人生に影響を与えるものなのだということです。だから私は映画を観る、単純に好きだからというのもありますけどね。

長文でまとまりのないものを読んでくださりありがとうございました。


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