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大河ドラマ「光る君へ」第二回感想

第二回タイトルは「めぐりあい」。百人一首の紫式部の歌、 「めぐり逢ひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月かな(月影)   」のように六年の歳月を経てめぐりあえた道長とまひろもまたすれ違ってしまいそうな終わり方でした。


冒頭のまひろの成人の裳着の場面が終わって、為時と宣孝の二人が簀で談笑している姿が絵巻そのもので感動しました。為時が片膝を立てた姿なのも、絵巻で見たことあるポーズだ!うわっうわっうわぁ!!でした。笑
やっぱり映像の力はすごいなぁ、ありがとうNHK。
二人が談笑している間にまひろが写していた「人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道に惑ひぬるかな」はまひろの曽祖父の藤原兼輔が詠んだ歌です。まひろはこの歌を口ずさみながらなんとなく納得がいかない様子。和歌では親は子供のために悩むと詠まれているけれど、私の父親は本当に子供である私のことを考えているの?と父親の気持ちをはかりかねているのでしょうか。この時のまひろがしている十二単の上着である袿が何枚も重なったまままとめて脱ぐ方法は、後でもう一度着付ける時にさっと羽織るだけで簡単でもあるし、この袿を現代の掛け布団のように上から掛けてそのまま就寝したらしいです。ふと思ったけれど、平安時代の貴族達寝る時に寒くないですか?御簾や几帳を使ってもやっぱり寒さつらいですよね?『源氏物語』の末摘花の邸は貧しすぎてそういう寒さをしのぐ道具類も売り払ったらしいけど、こうやってビジュアルを見るとつらさが想像できますね。
この時代の所作や振る舞いやしつらえをしっかり見せてくれるのがいいですねこのドラマ。

まひろの弟の惟規はすっかり学問嫌いに育ってしまって「学問が好きすぎる姉上が気持ち悪い」と言ってましたね。ひどい!この発言ひど過ぎる!笑
でもおもしろいポイントをついてくるなと思いました。
まひろの学問が好きで和歌が詠めて漢詩が読めて好奇心と感受性が強いという部分は長所である一方、多分彼女はこの特徴の為に生きにくくもなるんですよね。
『源氏物語』の桐壺帝が、何かを極め過ぎるのはいいことばかりではないからとにかく広く学ぶようにといったことを光源氏に諭していたのを思い出します。


まひろが和歌の代作の仕事をすることで様々な恋愛を知るというのもおもしろいと思いました。よく紫式部は宮中でお仕えする時に見聞きした色んな出来事をもとに『源氏物語』を書いたと言われているけど、今回の話のようなこともあったら楽しいですね。
和歌の代筆を頼んだ男が女の邸で夕顔の花を見たというエピソードが出てきましたが、夕顔は実が食用にもなることから身分のあまり高くない者の家に咲く花らしいです。なんとなくこの女の住む家の雰囲気がわかりますね。『源氏物語』「夕顔」巻の夕顔が住む邸もそんな感じでした。


散楽の人達の場面が毎回本当に興味深いのですが、実際どの程度風刺していたんでしょうね。今回は藤原詮子や宮中のことを風刺していたけれどここまで露骨な風刺を検非違使は取り締まらないのかしら?検非違使仕事しろ!笑


そして道長!えっ!あれ!私なんか道長が好きになってる!道長の行動や発言にニヤニヤしてしまう!笑
道長の装束は本当に綺麗な赤ですね。絵巻で見るともっとふっくらゆったり着ているのだけれど、道長はまだ若いからわざと身体の線の細さが出るように着付けたのかなぁ。
なんか道長とまひろのこの始まりそうで始まらない感じ、よくないですか?笑
この辺りはぜひ上手く創作して欲しい。
次回が楽しみです。

あとギラギラした兼家も好きです。笑