見出し画像

大河ドラマ「光る君へ」第五回感想

↑ドラマで最近道長が着ている装束の色はこの絵巻のものと同じかな?すごく見に行きたい…。大阪の藤田美術館にあるんですけど…。どうしよう…。桜の季節にでも行こうかな…。
『御堂関白記』は京都の陽明文庫にあるので六月に見に行く予定なんですけど…。まとめて見ることできるかなぁ。



今回も面白かったです。第六回「告白」回。
左大臣右大臣がお酒を嗜みながら政治について話す中、猫を追いかけて倫子がさっと横切る。えっ?!あれはありなの?流石にはしたな過ぎませんか?ちょっとお顔見せ過ぎ感あります。
『源氏物語』の「若菜上」巻では女三の宮という高貴な女性に柏木が恋をします。そして執心を断ち切れぬ柏木が、女三の宮の住む六条院で蹴鞠が行われた際にその姿を垣間見るという場面があります。高貴な女性は深窓に姿を隠している時代です。なぜ垣間見ることができたのかというと、小さな唐猫が女三の宮の御簾から飛び出してきて、その首についていた綱が御簾に引っかかってめくれ上がったからでした。それでもこの女三宮の行動はかなり思慮浅いとされて光源氏は彼女にがっかりしてしまいます。
おそらく兼家はこれから息子の道長と倫子の政治的な結婚をたくらむのでしょう。



藤原道綱母と道綱がでてきましたね。道綱のうだつのあがらない感じがとてもいい!道綱母は『蜻蛉日記』の印象そのままに何もしてなくても怖い!人を愛し過ぎてしまう人という印象がある。

「光る君へ」前半は兼家役の方がドラマをひっぱっていく感じですね。兼家ってここまでギラギラした人物なのね。一線越えてるわ。笑
安倍晴明に弘徽殿女御呪詛を依頼する場面、火を消すと御簾の奥に他の大臣方が控えているのが最初生き霊かと思って怖かったよ!でも演出よかったです。花山天皇退位回が楽しみ。

毎回ドラマが始まって30分くらいたつと起承転結の転結が来て盛り上がるのですけど、今回はまひろが道長に母の死の真相を告白する場面でした。
前回までの話ではまひろは母親の死を道兼のせいにしたり動いてくれない父親を恨んだりしていて、それは確かにその通りなのだけれどそれだけでいいのか?と少しもやっとしていました。
それが今回の話でまひろが走って道兼の馬の前に出ていかなければ母は死ななかったのかもしれないという本人発言も出ていたので、深く考えきちんと自分のせいにしたりもできる人物なのだとほっとしました。
海外ドラマだと結構他責他罰なので見ていてもやっとします。
もちろん道兼が一番だめですよ!


「光る君へ」オープニングの場面について最初は「元禄繚乱」のオープニングのように源氏物語絵巻が動くものにしたらいいのにと思っていたのです。
でも今回の話を見て、男性と女性が手を繋ぎあう場面や女性が男性の装束に触れる場面がとてもいいと思いました。人の顔が見えないから今後のドラマ展開次第でその回ごとに色んな人物で想像できますね。
私はなんとなく道長とまひろはそういう関係になる前に別れると思っていたけれどもしかしたらもっと深い仲になってその後に別れが来るのかもしれないと思いました。そしたら切ないね。
紫式部のところに道長がやってきて『源氏物語』の続きを読ませて欲しいと催促したことがあったらしいですけど、もしも恋愛関係を終わらせた後の二人がそのような男女の関係を昇華させた関係になっていたとしていたら素敵ですね。二人とも三十歳過ぎ四十歳くらいとかで。
いいな…。


最近物書きって大変な職業だとつくづく思います。敷かれたレールのない仕事ですよね。自分で新しい道を拓いていくって本当に大変で、決まった休みがないからあいている時間があればそれを全て仕事にあてなければいけない。誰にも守ってもらえなくて理不尽なことが本当にあります。会社員とは違うから人に理解してもらえなくて誠意がないと決めつけられたりします。悔しい思いをたくさんしなければなりません。そして感受性豊かな人は人の倍傷ついてしまいます。でもその感受性を閉じてしまえばいい作品は作りだせません。
今回の話の中でまひろは父親から何度もお前が男だったらと言われます。昔も今も才能を持った女が生きていくのは難しい。
これからまひろがどう生きていくのかを魅せていただくのを楽しみに見ていきたいと思います。