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遅延だらけの台湾旅行記2日目

前回はこちら

2日目は台湾鉄道で南部の都市高雄へ

新しい発車標

台北駅に全面LEDの新しい発車標が出現していたがどんな表示になるのだろうか。

今回まずは花蓮までプユマで移動。

プユマ専用車両TEMU2000

この車両は日本車輌製なので全体的に日本の鉄道車両と雰囲気も似ている。

座席は結構大きめのテーブルがありフットレストも装備。
ヘッドレストも上下に調整できるタイプ。
台湾はそこまで寒くもならずヒーターを装備する必要が無いので座席下も空洞になっている。

台北から花蓮へは山を越えなければならず、しばらく山の中をうねうねと走っていく。
台湾鉄道は保線精度もあまり良くないので物凄く揺れて結構キツかった。
山を越えたらあとはひたすら海沿いを南下していく。
ちなみにこの区間、道路はトンネルで一直線に貫いていることもあり鉄道も同様のルートへの付け替えが検討されている。

途中羅東駅で自強号が自強号を退避する場面に遭遇。

花蓮まであと少しというところで和仁駅の待避線になぜか入線してしまった。
しかも隣には新自強と区間車に貨物まで居て何かが起きていることは分かったのだが、軽く調べたら少し前に台湾を直撃していた台風のせいでこの先の橋が片方流されたらしい。
そのため単線運転になっているということで、その行き違い待ちで列車が溜まっていた。
結局30分くらい待たされてようやく出発して次の通過駅までずっと最徐行で進んでいった。
ちなみに台湾鉄道は全線単線並列構造のため一見すると複線に見える区間でも実は単線が並んでいるだけなので、こういう時にすぐに1本の線路だけでも運転が可能になる。

花蓮駅舎

そんなこんなで30分くらい遅れて花蓮駅に到着
この先乗り継いでいく電車がいつ来るのかもよく分からないので駅からは離れず。
地方都市の駅なので大きな商業施設は無いもののいくつか飲食店と駅弁等が売っている店はあった。
遅れているせいなのかコンコースには人が溢れていたのと次乗る電車は定時と表示されていたので特に何も買わずにホームに入った。

ホームに入って予定の発車時間になった頃に突然遅延の表示が出現して最終的に80分にまで拡大していった。
つまり私はホームで80分も待たされていた。
本当に酷い。

EMU3000

結局90分近く遅れて入線してきた新自強。
この電車も台北方面から来ているので先ほどの単線区間を通っているのはそうなのだがそれにしてもここまで遅れるとは思わなかった。

ちなみに台湾鉄道は特急のことを自強と呼んでいるが、先ほどのプユマとタロコの2つのみ愛称が付いているため、その2つは愛称で案内される。
そして今から乗るこの電車には愛称が無いものの新しい自強号のため新自強と表記される。

今回は新自強にしかない騰雲座艙(ビジネスクラス)に乗車。
日本で言うところのグリーン車だが、台湾鉄道は元々非常に料金が安いため日本の感覚からするとそれでも結構安い。

こちらも日本の日立製なのでなんとなく日本車の雰囲気はある。
ただしベース車両がイギリス向けに作られたAZUMAなのでドアチャイムがイギリス仕様だったり異国感はある。

ビジネスクラスでは乗車料金に軽食等も含まれている。
今回はロータスとコーヒーを選択したが他にもいろいろあり、台鉄弁当も選択できる。
だいたいの人は台鉄弁当を選択していたのだが、この台鉄弁当はビジネスクラス担当の乗務員交代と同時に積み込みをしているので乗車駅によって出てくる弁当も変わるらしい。
先ほど乗車してきた花蓮駅も乗務員交代駅なのでホームで弁当と共に乗務員が待っていた。
勘の良い人ならお気づきだろう。弁当も90分以上蒸し暑いホームで放置されていたのである。
もちろん保冷剤は入っていると思うのだがダンボールでホームに置かれていたので正直食中毒の怖さはある。遅延してなければ良いのだが。

ちなみにこのコーヒーもぬるくなっていた。しかも韓国製で美味しくない。
というか韓国の缶コーヒーとしてはこれが普通なのだが、とにかく薄い。
コーヒーの水割りのようなもの。

あとこの新自強のテーブルは天面にゴムシートが貼られているため滑り止めにはなっているもののベタベタしてなんだか微妙だし細かいゴミが張り付いていた。
ただ花蓮を出てからとんでもないくらい揺れ続けていたのでゴムシートが無いと全ての物が転落してそうだったが。

気を取り直して。列車は遅延していることもあり結構飛ばして田園風景の中を南下。
花蓮から南は単線区間も多いが、元々自強号主体の区間であるため遅延時でも結構スムーズに進んでいく。
新自強のEMU3000型の営業最高速度は140km/hだが130km/hまでしか出さなかった。
この先の単線での山越え区間の手前でしばらく行き違い待ちのために止まっていたのでそんなに飛ばしても意味がないということだったのだろう。

台東を過ぎると台湾鉄道最後の開通区間の南廻線に入る。
日本統治時代から路線の計画はあったが、非常に険しい区間のため紆余曲折あり最終的に全通したのは1992年のこと。
そして2020年に電化されたことで自強号が台北方面から直通してくるようになった。
電化前もディーゼル自強号の一部は台北方面に行っていたが、電化後はその本数も増えている。

そんな険しい区間なので断崖絶壁にへばりつくように線路が敷設されている区間もあり景色は非常に良い。
険しい区間の割には開業が比較的最近だからか線形も悪くなく結構飛ばしていく。
先ほど台北を出た直後に通ってきた宜蘭線は日本統治時代に開業しているためこちらとは線形が大違いでトンネルもあまり無い。

途中の山越え区間はほとんどトンネルで一気に通過してしまいあっという間に西側に出てきた。
遅延していたこともあって丁度良い夕日が見れた。

大量の養殖場の中を通り抜け、続いて終わりが見えないヤシ畑の中も通り抜けていく。
この区間は高架なのだが、線路と同じ高さまで木が伸びていて日本ではなかなか見られない光景だった。

結局90分ほどの遅れは回復することなく高雄に到着。

5年前に来た時も工事をしていたのだがまだ工事中だった。
台湾のインフラ整備は本当に遅い。

こちらは有名な美麗島駅
ここは5年前と変わらずと思ったのだが、六合夜市方面まで地下街が伸びていた。

ということで六合夜市へ。
台湾の数ある夜市の中でも規模がかなり大きい方で広いこともあって回りやすい。
正直観光客ばかりでごった返している士林夜市とかよりこっちの方が良い。
あと臭豆腐はあるもののそれ以上のゲテモノはあまり無いので結構身構えることなく目についたものは問題なく食べられる感じでもある。

帰りにセブンイレブンに寄ったら日本製造のハーゲンダッツが販売されていた。
福島原発事故の関連で台湾ではしばらく日本製の乳製品等の輸入が禁止されていたため、その影響で日本製のハーゲンダッツも販売されなくなっていた。
輸入制限は数年前には解除されているのだが、前回1年前に来た時は日本製のハーゲンダッツは見なかったのでそれ以降に輸入を再開したのだと思われる。
ただ台湾の場合はバニラやストロベリーなど定番フレーバーはフランス製を販売しているので、日本製は華もちとかの特別なフレーバーのもののみ。
ちなみにフランス製は日本製よりは美味しくないが量は多い。

3日目へ続く


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