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引っ越しをしよう!

引っ越しをしよう、今すぐに!
という内容の記事です。ではさっそく行きます。


引っ越しの素晴らしさ

引っ越しが大好きです。
去年、日本→オランダ、という大がかりな引っ越しをしたんですが、つい最近も、オランダ国内で引っ越しをしました。アムステルダムの一画から、すぐ近くの隣町まで。
引っ越した理由はいくつかありますが、コロナになったので、子供たちに庭をあげようというのが一番の理由でした。我ながらいい親だな〜と思いますが、子供たちから感謝の声は特に聞こえて来ません。まあでも楽しそうに遊んでいるのでよしとします。

このように、人生の、その時点でのライフステージに合わせて家を変えられる、というのが引っ越しの最大のメリットだと思います。この点は大事なので後述・詳述します。


家がなんかとっちらかってきたな、、、と感じると、大掃除をして片付けるぐらいなら、いっそのこと引っ越してしまいたい、すべてをリセットしたいと思ってしまう、そんな危険なタチです自分は。

まっさらな空間に身を置き、どこに何を配置しようか♪ そうだ、明日IKEAでも行こうかな♪ と考えているときってワクワクしませんか?あれが好きなんですよね。ああいうワクワク感って、コロナ時代の今は特にそうですが、人生において必要だと思うんです。今の家に住んでてワクワクしますか?っていう話。だから引っ越しはやめられない。


理想の引っ越しのスタイル

ちょっと余談になりますが、引っ越しをするとき、僕の理想は
1.今住んでいる家にある荷物を全部どこか(貸倉庫など)に入れてしまう。
2.新居には、「歯ブラシ」とか「明日の着替え」とか、本当に必要最低限のものしか持って行かない。ほぼ身一つで引っ越す
3.その後、新居で生活を続ける上でどうしても必要になったものがあれば、それを貸倉庫に取りに行く。無い場合は買う。

というスタイルです、実際にやったことはありませんが。

断捨離やこんまりメソッド、とてもいいと思うんですが、僕含め多くの人にとって、モノを手放すのって大きなストレスを伴いますよね、手放した方がいいんだろうな、と分かっているのに。もう使っていない植木鉢であっても、ついつい取っておいてしまう。
でも、上記のやり方であれば、「捨て」ていないので、(これって要るかしら、捨てようかしら・・・)という判断が不要。全部貸倉庫に放り込めばいい。で、新居で一年ぐらい生活し、結局貸倉庫に取りに行かなかったモノは処分し、貸倉庫を解約すればいいのです。ああ、一度やってみたい。


引っ越しは、実はそれほど大変ではない

引っ越しは大変、というイメージがあります。手間と時間とコストがかかる、という。
(ちなみにこの「手間と時間とコスト」という概念ですが、その内の「手間と時間」の部分がややダブルカウントなのではないか、と常々思っています。正確には「金銭的、および非金銭的コストがかかる」と言うべきでしょうか)

でも、果たして本当にそうでしょうか。ほんとにそんなに大変か?
確かに引っ越しは大変ですが、前述の「大掃除 VS 引っ越し」の例の通り、今の家を徹底的に大掃除・大片付けするのだって大変ですよね。それはそれで「手間と時間とコスト」がかかりますよね。
で、引っ越し業者もいろいろなサービスを提供していて、「全部お任せパック」みたいなのもあります。荷物を新居に運んでくれるのはもちろん、今の家での荷造りから、新居での荷ほどきまで全部やってくれるという。これ、一度お願いしてみたことがありますが、ほんとラクです。その分「金銭的コスト」は多めにかかりますが。

ちなみに、引っ越しが大変なのだとしたら、その一因は「無駄な荷物の多さ」にあります。荷物が少なければ少ないほど引っ越しはラクです。

引っ越しにかかる「手間と時間とコスト」は、なんというか、実際のそれよりも多めに感じるという先入観(?)のようなものがある気がします。そしてそれは、後述する「定住バイアス」と密接に結びついている。

引っ越しは確かに大変。でも思っているほど大変ではない(かも)。そして、今の家に住み続けるのだって大変といえば大変。

引っ越しをしたまさにその日の夕方。乱立・林立するダンボールに囲まれて、「今日がんばったし、とりあえず焼き肉でも行くか」と言ってのけるときのあのすがすがしさといったらありません。引っ越しサイコーです。


僕の引っ越し観

引っ越し観って人生観だと思うんです、大袈裟にいうと。そんな僕の引っ越し観を象徴する引っ越しについてご紹介します。

当時、東京都大田区の馬込に住んでいました。賃貸です。
住み始めてから2年が経ち、ちょうど更新を迎えました。そこそこ気に入っていたし、特に問題を感じていたわけでもないので、更新料を払って更新をしました。
(ちなみにこの更新料という制度、ほんとしょうもないというか、ダメな制度だなぁ、と思います。自分が大家側に立っていたとしてもそう思うと思います。っていうか、僕だったら取らない。お金が欲しいのであれば、潔く家賃一本で勝負すればいい。)

馬込の家の契約更新をしてすぐの週末、家族でフラッと横浜にドライブに行きました、とくにあても無く。

みなとみらいのあたりを流していて、(なんかいいなぁ、この辺)と思いました。あの開けた感じ。海が近い感じ。そして、いろんなお店がたくさんある。馬込はただの住宅街だったので、幼子を抱える身としては、商業施設の多さはとても魅力的でした。

家に戻ったその夜。奥さんと晩酌しながら、ひまつぶし(?)に横浜の賃貸物件を見てみました。「もちろん引っ越さないよ、もちろん(笑)。更新料払って更新したばかりだし、今の家に不満は無いし。でも、どんな物件があるのか見てみよう」なんて言いながら。

不動産サイトを見てみると、みなとみらいエリアはやっぱり人気のようで、家賃が結構高い。そこで、(引っ越すつもりは無いけど)捜索の範囲を横浜駅周辺にまで広げると、(引っ越すつもりは無いのに)まあまあリーズナブルな物件がありました。

・今の家に、特に不満は無い。
・家賃1ヶ月分の更新料を払って契約更新したばかり
・横浜のその物件の家賃は、みなとみらいエリアほどではないにせよそこそこ高くて、今の家の家賃と比べるとちょっとした増額

あらゆる要素が「引っ越さない」を指し示しています。でも、なんか気になる。
「引っ越すべきか?」と考えると、「いや、引っ越すべきではない。引っ越したい気持ちはあるが、それはただの贅沢、ただのわがままではないか」という自問自答が繰り返されました。

何日か悶々と考えていたところ、あるとき、キー・クエスチョンが天から舞い降りてきました。

もし今横浜の、あの物件に住んでいたとして、馬込に引っ越したいと思うかどうか

そう、それまでは「横浜に引っ越したいかどうか」というアングルでしか考えていなくて、それでなかなか答えが出なかったんですが、逆に「(横浜から)馬込に引っ越したいか」と問われると答えは間違い無くNo、つまり「横浜に住み続けたい」でした。
だとしたら、それはもう「お前は横浜に住みたいのだ」ということなんだから、贅沢とかわがままとか言っていないで引っ越せばいい。そう考え、すぐに、そして一切の後ろめたさや後悔も無く横浜に引っ越しました。
(その結果、奥さんが横浜という街を大好きになり「将来も住みたい」と言うに至ったり、世界で一番好きなお店との出会いもあり、結果的に横浜への引っ越しは大成功でした。)

ちなみにこの話は、転職とかにもまんまあてはまると思います。

あなたが今A社に勤めていて、B社への転職をするかどうか悩んでいるとしましょう。

転職にはリスクがつきもの。
年収も、(その方が話が分かりやすいので)B社に移ると下がるとしましょう。でも仕事の内容がおもしろそう、という設定で。
親父も「安易な転職はよくない」と言っていた。

あらゆる要素が「転職しない」方に傾いています。

この状態で「B社に転職するべきか」と考えていても、いつまでたっても答えは出ません。これは経験者談で、僕はこのために結局新卒から7年間も大企業にいてしまい、20代の貴重な時間を無駄にしたという後悔があります。

問うべきは「B社に転職すべきか」ではありません。
「今、もしB社に勤めているとして、わざわざA社(つまり、自分が今実際に勤めている会社)に転職してくるかどうか」
これです、問うべきは。そして、もし答えがNoなのであれば、断固、どんな犠牲を払ってでもB社に転職するべきだと思う。それが自分のやりたいことなんだから。それを追究するのは「贅沢」でも「わがまま」でもなく、自然なこと、当然のことです。
つい話が熱くなりました。そうそう、引っ越しの話でした。


引っ越しのよさ再考

記事の冒頭で書いた通り、引っ越しのよさは、なんといってもライフステージに合わせた家に住めるということではないでしょうか。

日本に住みたい? あるいは海外に住んでみたい?
都会に住みたい? あるいは、あえて田舎に住んでみたい?
戸建てがいい? あるいはマンション?
庭はいる? 今はいらない?
やっぱり書斎があった方がいいんじゃないの?
1LDK? 2LDK? 3LDK? 4LDK? 5LDK? 6LDK? 7LDK? 8LDK? バッキンガム宮殿?
子供部屋は何部屋あるといい?
新築がいい? あるいは使い込まれた、味のある物件がいい?

こういうのって、人生のそのときどきによって変わってくると思うんですよ。で、「定住」しちゃうとそれを選べない。

ライフステージに合わせて家を選ぶのか
あるいは家に合わせて自分の希望を調整(矯正)するのか。実際には人の気持ちは完全には抑え込むことは出来ないので、結局ガマンすることになります。

IKEAが行った興味深い調査があります。
2016年の「IKEA Life At Home」レポートによると、今住んでいる家の居心地のよさを問われて、実に42%の人が
「自宅よりも外の方が居心地が良い」
と回答したそうです。
これは、ある意味意外ですが、ある意味納得の結果で、だからこそスタバとか居酒屋とか(あと、会社もw)といったThird place的な場所がもてはやされるというか、必要とされるんでしょうね。

家の外に居心地のよさを求めるのもいいけど、特にコロナ時代にあっては、家そのものの居心地のよさが従前よりも大事になってくる。そしてそれは、「定住」を追究するばかりに今のライフステージに基づく希望をないがしろにしていたら得られない居心地のよさになってしまいます。だから、そうです、引っ越しましょう!


引っ越し = 世間への反逆

家もそう、結婚もそう、仕事もそう。
世間はなにかと「定住」することを推奨・干渉して来ます。「定住」する方が有利なように出来ています、世の仕組みは。

これが仮に僕の単なる思い込みではなく実際にそうだったとして、それにはまあ一理あると思います。みんながみんな好き勝手に動いていたら、社会は成り立たない。
いや、でも待てよ、、必ずしもそうでもないかもしれません。みんながみんな好き勝手に動いた方が、かえっていい世の中になるのかも知れません。ガマンしちゃってる人、妥協しちゃってる人、諦めちゃってる人だらけの世の中よりも、ガマンしない・妥協しない・あきらめない、そんなフリーダムな人たちがたくさんいる世の中の方が実はいい世の中である、そんな気がしてきました。うん、だからこそ引っ越しをしましょう。


引っ越しは、「定住」を求めてくる世間への反逆なんです。
本当に定住したい人、定住するのが好きな人はいいですよ、定住すれば。でも、そうではない人だってこの世にはいる。たくさんいる。自称定住派の人も、自分が本当に本当に定住したいのか、定住したくて定住しているのか、あるいは世間からそう思い込まされている(?)からそうしているだけなのか、あるいは金銭的にその方がトクだと思うからそうしているだけなのか、という自問自答が必要だと思います。


確かに定住した方がトクです。住宅ローン控除しかり。近所のお店のスタンプカードしかり。でも、これは全部、よく考えてみると「相手の都合」です。自分の今のライフステージに応じて一番住みたい家に住む、これはサイコーの贅沢のようで、実はそうではないんです。当たり前のことなんです。それが出来ていない今の状態が異常なんです。

「贅沢」の話が出たので、不動産における贅沢についてちょっと考えてみます。ちなみにここで言う「贅沢」は過分を意味する悪い「贅沢」ではなく、いい意味での贅沢です。かりに「ぜいたく」としましょうか。
僕は不動産というものについて、いろいろな面で関わってきました。不動産の証券化の仕事をしていた時期もあります。一個人としては、不動産を借りたこともあるし、引っ越したことももちろんあるし、家を買ったことも3度あるし、家を売ったことも2度あります。それらの経験を踏まえて思う、不動産における「真のぜいたく」は、

家を買おうと思えば買えるけど、でも買わない。ライフステージ(っていうか、要は自分自身そのもの)に合わせた家を選択出来る「賃貸」を選ぶ

ことだと思います。よく「賃貸か分譲か」という話が、マンション販売につなげたい業者から(笑)提起されていますが、それで言うと「賃貸」です。
いや、買ってもいいんですよ、別に。でも、買ったからといってその物件に縛られない、ということです。買ったは買ったけど、他の家に住みたくなったから引っ越す。そうそう、「ぜいたく」という意味で言うと、「家を買えるのに賃貸」もいいけど、「家を持っているのに賃貸」もすばらしい、いい意味でのぜいたくだと思います。

こう考えてくると、どうしてもお金の話になりますね。そもそも引っ越し自体がお金のかかることですが、「賃貸」というのは「若い時期に家を買って一生そこに住む」のと比べると確かにお金のかかる話です。損と言えば損です。
引っ越しはお金がかかる。賃貸は(購入と比べ)お金がかかる。確かにそうかもしれません。でも、ここが腹の括りどころだと思うんですが、自分の人生において何を重視するか、という話です。家って大事ですか?大事ならお金をかけてもいいんじゃないでしょうか、という話です。「自称旅好きの貧乏旅行」という格言(by me)がありますが、それと同じです。旅行が好きなら、なにも貧乏旅行にせず、必要十分なお金をしっかりかけて旅行すればいいんです、その方が旅行を楽しめるのであれば。
逆に言うと、引っ越しすることをケチり、賃貸派で生きることをケチり、それでセーブしたお金で何を買うんですか?家、、、ですか(笑)?まあ、僕はこんなことばかり言ってるからなかなかお金が貯まらないわけですが、どうせ長くてもあと数十年で死ぬんだし、子供たちに大金を残してもしょうがない(むしろ有害)だし、だったら今住みたい家に住む、これでいいと思うんです。
大事なのは、家を「買える」かどうかではなく、実際に家を「変える」ことです。うまいこと言いました。


まとめ

今回のコロナ騒動は、多くの人にとって、仕事観、そして人生観を見直すきっかけになっていると思います。見直すだけでなく、見直した結果それらがガラッと変わっちゃった、あるいは変わりつつある人もいるでしょう。
仕事観や人生観は、住まい観と密接に結びついています。切っても切れないものです。結局根底にあるものは同じなんですね、仕事も人生も住まいも。

今回のコロナはネガティブなことだけど、でも、とてもいい機会でもある。100年に一度のこの大変革を機に、「家を変えてみる」という小変革をしてみませんか?その結果、人生がプラスの方向に動きはじめる可能性は大いにあると思うんです。家を変えたとき、変わるのは「家」だけではないのです。
さあ、あなたも引っ越しましょう!!