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あなたにもきっと出来る!断酒一年を目指す道しるべ


ご覧いただきありがとうございます!
この記事をご覧いただいたあなたは「これから断酒を頑張って行きたい!」または「今継続している断酒をこれからも続けたい!」というような思いを抱かれている方なのではないでしょうか?

この記事は、酒呑み一家に育ち自身も大酒飲みだった筆者が、医療機関にかからず、自助団体にも属さず、自力で断酒を継続していく中で感じた「大切にしたい物事」について記したものです。

診断の有無に関わらず、お酒との付き合い方を見直したい方や今一度自分の中で断酒の意義を再構築したい方などなど…断酒を通して人生をより良い方向へ進めていきたい全ての方に向けて…。

まだまだ断酒歴1年少々と道半ばの私ではありますが、誰かの背中をほんの少しでも押すことが出来たらそれほどの喜びはありません。
どうぞ宜しければお付き合いくださいませ。

筆者について

私の家庭環境

私は両親が自営業を経営する家庭で育ちました。父は大の酒好きで、母が生前「お父さんがお酒を飲まない人だったら、遠に家一軒は建ってるよ。」と笑いながら話していた事を覚えています。

兄弟も私を含めて4人おり、家族総勢6人とも酒には強い方で、兄に至っては現在居酒屋を経営する父親譲りの無類の酒好きです。そんな家ですから、自然と酒には寛容な環境になります。

父は「酒を飲まずに死ぬくらいなら、絶対に飲んで死んでやる。」と豪語していたくらいで、決して酒癖も悪くなく、むしろいつも楽しいお酒を飲む人でしたので、私自身も『酒呑み』に対する印象は悪くありません。

若かりし頃の私

ガッツリ体育会系で育った私は、さすがに高校卒業までに酒を飲む機会はありませんでしたが、大学へ進学してからは多くの酒の場を経験し、案の定酒には強い事が徐々に明らかになり、気が付いた頃には“ザル”を通り越して“枠”と言われる程の酒豪として宴の場に鎮座しており、大学在学中〜社会人と、二十数年間の期間を“酒呑み”として過ごしました。

私を『断酒』に向かわせたきっかけ

これまでも、自分がお酒を飲み過ぎている自覚はあった訳ですが、数年前の父の死をきっかけに、自分の飲酒習慣に目を背けられなくなったように思います。

父の死因は『食道癌』でした。食道癌は酒呑みには常にリスクが付いて回る代表的な疾患で、父も例外ではありませんでした。

また、父は以前にこれまた酒の飲み過ぎが原因の『心疾患』も患っており、本来だったら食道の癌を手術で取り除く事も可能でしたが、父の心臓は既に全身麻酔に耐えられるだけの能力が無いという事で、抗がん剤や放射線治療を中心とした治療を行うことになりました。

徐々に弱っていった父ですが、割と治療の経過も良く、相も変わらずお酒は大好きでした。最終的には亡くなる少し前まではお酒を飲む元気もあり、本人が豪語していた「酒を飲まずに死ぬくらいなら飲んで死んでやる。」という信念は貫いた形になります。

きっと本人も本望だったでしょうね。笑

私も父に負けずとも劣らない程の酒好きではあったのですが、それでも私が『断酒』という選択をしたのは何故なのか。

それは父の最期を自分と重ねた時に、納得出来ない自分が居たこと。

それとこれからの自分の人生を考えた時に、その多くが『酒に支配されている時間』で良いワケがない。という思いからです。
斯くして私は2023年1月18日、何かに導かれるようにして断酒を始めたのでした。

長期の断酒に向けて

さて、この記事ではとある短期間における断酒を目指すためのものではなく、より長期又は半永久的な断酒を目指すために大切にするべきだと筆者が考えている事をまとめていきたいと思います。

長期間に渡り断酒を続ける為にはどのような事を意識するべきでしょうか?

『断酒』に限った事ではなく、何かを始めたり、その始めた事を継続する為に大切にするべき共通項。それは“モチベーションを下げない事”だと私は考えています。

人は何かを始める時、高いモチベーションを掲げてアクションを起こします。そして最初に掲げる目標を壮大なものに設定し、初日から120%のアクションを起こし、翌日も同じ事を続ける事を不安に思い、今後訪れるかもしれない試練を想像し、打ちひしがれ、そして断念しがちです。

断酒においてもそれは例外ではなく、スタートした段階で年単位の目標を掲げたり、半永久的な断酒を宣言してしまうと、その目標の大きさ故にその先の自分像がイメージ出来ず、挫折する可能性が高くなってしまう気がします。

まずは多くを求めず、1日1日を積み重ねていく事を大切にしながら、長くても数週間や1ヶ月といった近い目標をクリアしていく事で、1週間が2週間に、2週間が1ヶ月に、1ヶ月が2ヶ月に…と加速度的に目指す目標がどんどん大きくなっていくのではないかと考えます。

そして結果として、その延長線上に『長期の断酒』という事実が残ったのではないかと私は感じています。

ここからは、実際私が断酒一年を目指し、それを達成していく過程の中で、具体的にどのような物事や考え方を大切にすることでモチベーションを一定以上に保ってきたかを書き残していきたいと思います。

自分の取り組みを『見える化』する。

人は自分の意志で始めた事であっても、時間の経過と共にその当初の目的や思いを忘れがちです。

もちろん目的や思いは良い方向に育っていく事もありますが、反対に消えて無くなってしまう事も珍しくありません。

そうならない為にも、自分の日々のおこないを『見える化』する事はとても価値のある事だと私は考えています。
以下に私が実際に実践している『見える化』対策をリストアップします。

☆S N Sによる発信

昨今は様々なS N Sがありますので、ご自分が気に入っているプラットフォームをお使いになれば良いかと思います。

私はX(旧Twitter)で断酒専用アカウントを作成し、1日の初めに断酒に関係する事やそうでない事など、何でも構わないので『断酒〇〇日目』という始まりでツイートを続けています。

X内には、“#Twitter断酒部”というコミュニティがあり、時には自分のツイートに励ましの声を頂けたり、他の誰かの歩みに刺激を頂けたりと、これまでの私の断酒継続にも多大な影響を与えてくださいました。


私の場合、リアルで会う知人に『断酒』を宣言したとしても中々理解してもらえないというか…元々が大の酒好きだけに「そんなくだらない事やめとけ!」とか、「絶対続かないよ。」といった心無いことを言われる事が多かったです。

私の場合、アルコール依存症と診断されている訳でもなく、何か大きな疾患がある訳でもないので、『断酒』を宣言するにしても、周りからすれば信憑性に欠けていたんだと思います。

こちらとしては本気で取り組みたいんだけど、それを真剣に語るのが恥ずかしい気持ちもあったし、面倒臭い気持ちもありました。そして私は最終的に、そんな労力を使ってまで知人からの理解を求めようとする事をやめました。

しかしながら、意志の弱い私が断酒を継続する為には、自分一人の力だけでは厳しいんじゃないかという思いは拭えませんでした。
 
その点、S N Sの世界はリアルで会う事は稀だろうし、それぞれがどの程度の覚悟で断酒に取り組んでいるのかは正直わかりません。

しかし、少なくとも私は自分の取り組みに対して不用意に足を引っ張られる事はなかったし、何より自分の足跡が残るという事や、同じ目的で頑張っている人達の存在は、自分のモチベーションを下げない為に必要不可欠なものでした。
今後もこの取り組みは続けていこうと考えています。

☆アプリによる記録管理

こちらも多くのアプリが出ていますが、私使っているアプリは至って単純な断酒専用アプリ『禁酒マン』というアプリです。

努力の成果として継続期間やアルコール摂取量、節約した金額などがわかりやすい形で見える化し、ちょっとしたゲーム感覚なのも相まって、モチベーションを保つ一つの要因となった気がします。

報酬

酒呑み時代は、毎日当たり前のように仕事帰りに酒を買い、家に帰ってそれを飲み干すという生活を続けていて、正直恐ろしくてその浪費額を調べようとも思いませんでした。

しかし断酒が板に付いてくると、図らずも一つの事実が明らかになります。それは、思っている以上に「めっちゃお金が浮く」という事です。

そもそもその事自体が報酬でもあり、ある意味『断酒=副業』という考え方もできる訳ですが、断酒を継続しているご褒美として、『〇〇日達成』という名目で自分へのプレゼントを検討しても良いと思います。

やはり人間、何かわかりやすい形で報酬が得られるという事は、モチベーションを下げない大切な工夫であると考えます。

その際、私が考える理想的な自分へのプレゼントは、“ジュエリー”や“時計”などといった、それ単体で成立し、それ以降の行動に繋がらないモノではなく、そのプレゼントによって、更に次の行動へと自分が掻き立てられるようなものが良いのではないかと考えています。

例えば新しいパソコンを買ってI T系のスキルを身につけ始めるとか、浮いたお金を使って株式投資を始めてみるとか、ジムに入会してワークアウトを始めてみるとか…考えだすと色々な方法が生まれそうですね!

趣味

私は元来の性格がいわゆる『ミーハー』で、色々な事に興味がありました。語学にも興味があるし、歴史にも興味があるし、最近では“書”にも興味があります。

しかしながら、酒呑み時代はお酒を飲む事で経済的にも余裕は無くなるし、お酒を飲んでいる時は実質脳が思考停止状態のため、何か趣味に没頭するなんて事は不可能です。

つまりお酒を飲む事で、身体面と経済面の両面で、自分を趣味や興味から遠ざけていしまっていた訳ですね。

それが今となっては経済的に余裕が生まれた事から、気になる本を買ってみたり、参加してみたかった講座に参加したりと、興味のある事に積極的に手を出す事ができるようになりましたし、もちろんお酒を飲んでない訳だから車で出掛けることも可能です。

断酒という行為が多方面に波及して、自分自身の人生の質…いわゆる『Q O L』が飛躍的に向上したと実感しています。

このような実感は、断酒のモチベーションを下げない上で大変価値あるものとなります。

正しく恐れる事

断酒の期間が長くなると、良くも悪くもその生活に慣れて来ます。しかし、絶対に安心しないで欲しいという事を強くお伝えしたいです。

私たちが気を抜いた瞬間、誘惑はアッという間に私たちを飲み込む可能性があります。

かく言う私も断酒半年を前にして、私生活のモヤモヤが原因となってあわやスリップをしそうになりました。

その時、奇跡的にも過去の自分に逆戻りする事に強く恐怖心を感じる事が出来た事で事なきを得ましたが、「もう少しモヤモヤやイライラが強いものだったら…。」「あと5分早くコンビニが見つかっていたら…。」と考えると、今頃こんな記事を書けていなかったかもしれません。

それどころか、前のように酒浸りの日々を送っていた可能性も十分にある訳です。

そういった意味で、自分の弱さや脆さを正しく恐れる事は、モチベーション云々の話ではなく、断酒を継続する上では決して軽視するべきではないと断言します。

日々の生活との連携を大切にする事

上記の『正しく恐れる事』とも繋がる話ですが、飲酒欲求が出現する背景には日々の生活で起こる出来事が大きく影響すると考えています。

どれだけ高いモチベーションがあり、どれだけ固い意志を持っていたとしても、ふとした瞬間に湧き上がる飲酒欲求を抑え込める保証などどこにもありません。

そこに日々の生活が穏やかなものでないとなれば、飲酒欲求に飲み込まれるのも『時間の問題』と言っても過言ではありません。

断酒を『断酒』単体で考えるのではなく、日々の生活における自身の安定した精神状態を一緒に『断酒』に絡めていく事が大切ではないかと考えます。

危険は「乗り越える」ではなく「近寄らない」

断酒を継続しようとする時、私たちの身の回りには多くの誘惑や罠が現れます。

例えば
ついついお酒を飲みたくなるような食べ物との遭遇。
飲酒を勧めてくる人物との遭遇。
スーパーやコンビニのような簡単にお酒が手に入るシチュエーション。
チラシやC Mなど飲酒欲求を煽るような媒体との遭遇。

など…それらは予測可能なものから不可能なものまで実に様々です。

私は個人的に、それらの危険因子に対して、「打ち負かしてやる!」という意気込みは無くていいと思っています。

もちろん絶対の自信があるならチャレンジしても良いと思いますが、大切なのは“勝つ”事よりも“負けない”事。そして負けない為には勝負しない事。そう、『逃げるが勝ち』の作戦です。

それは決して情けない事ではありません。こと、断酒に関して言えば、無理に勝負を挑んでも、その勝負に負けた時のリスクを上回るようなメリットは絶対にありません。

ならば答えは単純明快。危険と思われる状況は、可能な限り徹底的に避ければいいのです。それでも避けられない状況に出会った時は、その時こそが勝負の時です。是非その時が車では平穏に、確実に断酒道を歩まれる事をお勧めします。

ドリームキラーの捉え方

皆さんは『ドリームキラー』という存在をご存知でしょうか?我々が何かを成し遂げようとする時、その足を引っ張ろうとしてくるアレです。

一説では、簡単に成し遂げられることにはドリームキラーは現れないという事も聞いた事があります。逆に、本当に自分にとって大切な事や、一筋縄ではいかない事にチャレンジしようとする時、決まってドリームキラーは姿を現すそうです。
しかも、自分にとって大切な人がドリームキラーとなって現れる事も珍しくないとか…。

皆さんは断酒に向けた行動の中で、『ドリームキラー』現れましたか?私は現れました。まず先述のように断酒を始めてすぐの時期。私は家族の理解があったのは幸いでしたが、やはりこれまで共に酒を酌み交わしてきた飲み友達からは嘲笑われました。

そこに関しては私が「理解をしてもらう必要は無い。」と自己処理できた事によって回避できましたが、断酒一年を迎える直前に当たる2024年のお正月。今度は親戚や兄弟の集まる新年会で、ドリームキラーは現れました。

その時ドリームキラーとなったのは、私が心から慕っている兄です。

居酒屋を経営している兄は、先述の通り無類の酒好きで、私も断酒を始めてから兄だけには断酒している事を伝えていませんでした。
なぜなら兄が私がお酒をやめたと知ったら100%残念がるのが目に見えていたからです。

しかし、いつまでも会わずに済むわけもなく、遂にお正月に顔を合わせた訳ですが、やはり兄は案の定大変落胆していました。
大好きな兄であり、以前は一緒にお酒を飲むのが私も本当に楽しみだっただけに、その姿を見るのは大変苦しかったです。

ここで私はドリームキラーの存在について思い返しました。ドリームキラーが現れるのは自分にとって本当に大切なことを成し遂げようとする時。今兄がこうして私の前にドリームキラーとして現れたという事は、それだけ私にとって『断酒』という選択を貫く事が大切な事だという証拠なんだ。そのように捉える事にしました。

人によっては薄情と取られるかもしれません。しかし、私が兄の期待に応えてお酒を共に酌み交わしても、兄が私の人生を生きる訳ではありません。私は私の選択で自分の人生を歩むべきなんだ。そのように捉える事にしました。

何が正解かは分かりません。しかし、選んだ事を正解にする強さが今の私には求められているんだと信じたいと思います。

自分への賞賛の気持ちを忘れない事

今現在断酒をしてみえる方、これから断酒をしようと思っている方。そんな方がこの記事を見てくださっていると思います。

そして、そんな皆さんは心から自分の事を賞賛して頂きたいです。

私が考えるに、診断の有無や、問題行動の有無など、多少の違いはあれど、今ここに立たれている皆さんは、自分の中の『葛藤』に目を背けなかった方だと確信しています。

私を含め、多くの人間は可能なら自分自身の中にある葛藤から目を背けたくなるものです。もしかしたら、葛藤から目を背ける為に酒に走ってしまった事もあるかもしれません。

残念な事に、世の中にはそのまま自分の中の葛藤に気付かないフリをして生きていく選択をする人も多くいる事でしょう。

しかし皆さんは違います。葛藤に向き合おうとしていらっしゃいます。
もしかしたらこの葛藤を越えられるかもしれません。
或いはこの葛藤を越えられないかもしれません。

しかし、大切なのは葛藤と対峙する為の土俵に立つ事ではないでしょうか?紆余曲折ありながらも、今ここでこうして土俵に上がった我々は賞賛に値するんです。忘れないでいきましょう!

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました!今回の記事では私自身の経験を元に、断酒一年以上を目指していくのに大切にしたい事をまとめていきました。

この記事を作っていく中で、最後に自分が過去に書いた記事を見返してみた所、これまでの私も今の私と驚くほど同じような内容を書いていました。

それは「何も進歩していない。」と捉える事もできる一方で、それだけ一貫した思いや考えがあり、そのお陰でこれまで断酒を継続できたのかもしれません。そしてもしかしたら、大切なものなんてそう簡単に変わるものではないのかもしれません。

そうは言うものの、個人の性格や置かれている状況により、断酒に対して必要な取り組み方や考え方は十人十色です。私のこれまでの行動や思考が絶対のものではないと思いますし、今後私が断酒を継続していける保証もどこにもありません。

しかしながら、ここまでの私の歩みが誰かの力になる可能性がほんの少しでもあるならば、私にはこの記事を書く使命があるんじゃないかと思い、今に至っています。

断酒というのはあくまで『手段』であり、その手段を使って手にしたい目的というのは、人生をより良く生きていきたい。という事なんだと思います。この記事を読んで下さった皆さんの人生が、より良きものにまります事を心からお祈りし、結びの挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました!

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