英会話オンライン組手マッチングビジネス
会話の基礎レベルを脱し、中級・上級へ向かうにあたり、多くの人は「話す場」がもっと欲しいという悩みをもつことになると思います。
英語を習得するのはスポーツと同じで、基礎習得→実践といったプロセスが必要ですが、中級・上級者はこのうち後者が必要です。
この「実践」(空手で例えると「組手」)に特化した場が世の中にはあまり見当たらないため、ここに大きなスキマがあるのではないかと考えています(英語学習歴15年以上の私がずっと感じていました)。
今回、このスキマを埋めるビジネスを形にしていきたいと思います。
<参考:YouTube>
https://youtu.be/80ZvMURKhuQ
1.マーケット分析
(1)既存形態①(通学型英会話教室)
話す機会を増やそうと英会話教室に通い、外国人の先生が行う60分のグループレッスンを受講すると、60分÷人数の効果に対して5,000~6,000円のレッスン料を支払うハメになります。しかも通学の時間や待ち時間といったロスが発生します。
(2)既存形態②(オンライン英会話)
オンライン英会話でメジャーなのは、フィリピン人講師陣を多くかかえる サイトではないでしょうか。
オンラインでフィリピンの先生のレッスンを受けると、これは25分300~600円程度と安いのだけど、先生を変える度に、自己紹介するので自己紹介ばかりうまくなっていき、先生はまた受講してほしいので褒めるばかり、さらに日本人の英語学習者の悩みを理解できないので適切なフィードバックが得られない、という現象に陥ってしまいます。
(3)上記2つの中間にあるモデル
上記2つの中間に位置するモデルはなくはありませんが、どのモデルも極論すれば、日本人の先生が教えれば高額になるし、フィリピン人が教えれば質が低くなるということになります。
また、英語学習用スマホアプリがいくつか存在しますが、インタラクティブな会話をするのではなく、一方的なインプット型学習であることがほとんどです。
以下に紹介する事業のは、前述のような既存の英語学習環境のスキマを埋めるビジネスアイデアのひとつです。
2.事業の全体像
(1) 経営理念
話す場を欲する英語学習者に、いつでもどこでも気軽に参加できる会話機会を提供します。
(2)事業の内容
以下のようなプラットフォームを構築し、サブスクリプションモデルで提供します。
①英語力の近い日本人同士(学習者)が1対1で会話を行い、
「20分学習者同士が英語で会話+10分お互いに日本語でフィードバック」
というプロセスを行う。(空手で例えると「組手」)
②上記①に、英語指導者がオブザーバーとして参加し、
「20分学習者同士が英語で会話+10分先生が日本語でアドバイス」
というプロセスを行う。
(①と②は本プラットフォーム内に共存する)
③このプラットフォームでは自己紹介を禁止する(サイト内のプロフィール欄を参照するのみとし、学習者同士の会話では行わない)というルールを作ることで、無駄な時間を省略できる。
④会話のテーマは一覧表にして提供会話のテーマは一覧表にして提供し選択方式とする。これにより話題がないために時間をロスすることを回避する。
⑤相互に評価しシステム上ログを残すことで他の学習者の参考になる。
フィードバックは、良い点1~3、悪い点1~3を必ず指摘するなどとし、外国人講師のようにリピートを期待してただ褒めまくるという意味のないフィードバックを回避する。
(3)収益源
①学習者は、月定額を支払ってマッチングプラットフォームに登録(価格は後述)
②アドバイスをする先生は無料で参加(個人事業主である先生が自分のサービスの営業になるので、ここでは無償でアドバイスしてもらう)
(4)ターゲットとする市場
現状、日本人学習者同士がマッチングされるビジネス市場はないが、類似した市場としてオンライン英会話(初心者~上級者)がある。この市場のうち中級者~上級者が本ビジネスのターゲットとする市場である。
3.事業の分析
(1) 新規性・独自性
①日本人の英語学習者同士を繋ぐため指導者の料金が発生しない。このため指導者が存在する場合に比べて安価で済む。(サブスクリプション月額は後述)
②指導者が第三者として聞き手に回る形式も存在するが、この指導者は個人事業主としての自分の売り込みの活動にもなるので無料で参加してもらう。このため、価格を抑えることができる。
③同等レベルの人がお互いに指摘事項を日本語で伝えるのでわかりやすい。(「ここで言葉が詰まっていたけど、こういう言い方もあると思いますよ。」など)
(2)市場規模と特性
2018年度の語学ビジネス総市場規模は前年度比2.3%増の8,866億円。
このうち、外国語教室市場は同0.7%増の3,530億円。
e-learning市場(オンライン英会話を含む)は同13.6%増の125億円。
<出典:フィスコ企業調査レポート 2019年12月23日>
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08881/78151232/fd62/4d4d/8245/168919d45bd7/20191223182053164s.pdf
2019年12月のレポート発行時点で外国語市場全体の伸びよりもe-learning市場の伸びが顕著であることに加え、
コロナ以降のオンライン化の流れを受けてオンライン英会話の拡大傾向はより加速されることが想定される。
(3)競合状況と優位性
競合状況としては、直接の競合は無いが、オンライン英会話では以下の大手事業者が該当。
①レアジョブ:講師数は6,000名(2020年5月時点)、料金プランは25分レッスン月8回4,200円/月など
(下図はレアジョブIRサイトより引用の同社業績推推移)
②DMM英会話:講師数は 6,500名(2020年5月時点) 、料金プランは25分1レッスン毎日1回6,480円/月など
③ネイティブキャンプ:講師数は12,837名(2019年12月時点)料金プランは25分1レッスン毎日1回6,480円/月など
優位性としては、以下のような点が挙げられる。
・学習者同士、日本人同士であるためにフィードバックが明瞭である
・安価な価格設定
・指導者にコストがかからない
・既存のオンライン英会話と学習者の目的が重複しないため、並行して利用することができる。
4.事業展開
ここから先は
¥ 990
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?