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群れとは何か

これまでコミュニティ作りに関する様々な本を読んできましたが、結局のところ「群れ」とは何なのでしょうか。


群れとは友達?

群れっていうのは友達の集合体だよね、という考え方があります。ダンバー数なんかがいい例でしょう。群れにも密なものから疎なものまでいろんな段階があって、それぞれに違う役割があるように思います。

ダンバー数

ただ、これはあくまで自分が中心となっていて、個人が群れとどう接していくかという視点でしか描かれていません。私が所属する群れはこうだ、という話はできるのですが、もっと大きな視点で、社会の中における群れの役割を考えると、少し違った見方が出てきます。

群れとは関心?

コミュニティ作りについて調べていた中で、同じような目標を共有すること、同じ北極星を目指すこと、みたいなのが大事だという話がありました。そういう共通の関心を持つことも、群れには重要だと思います。

こういう実践的なコミュニティがすごく有用だというのは確かです。でも、世の中にはそうではない、何の目的もない井戸端会議のような偶発的にふわっと発生するような群れもあります。

群れとは物語?

人は、物語を共有することで群れを拡大してきた、という話がありました。一番分かりやすいのが宗教ですね。同じ神様を信じる、同じ神秘体験を共有する仲間。宗教に限らず、時間、空間、情報を共有することで仲間意識が芽生える、というもの。

確かに、物語を共有できない人とは群れが作れない気がします。どんな小さなきっかけでもいいから、お互いの共通点を見出すことで少しずつ相手のことを理解していく、というのは重要なステップだと思います。

群れとはネットワーク?

私たちは決して一つの群れだけに所属しているわけではないと思います。いろんな群れに関わって、群れと群れをつないだりします。強い結びつきのある群れ、長い時間を過ごす群れの重要度が当然高くなりますが、しかし時には弱い紐帯が新しい情報をもたらして群れを飛躍させるきっかけになったりもします。

群れというのは、それ単体で完結するものではありません。当然、社会の他の群れと戦ったり協力したりするために、力を発揮するために集まっているわけです。いわばスイミーです。だから当然、群れを考えるときは他の群れとの関係、ネットワークについても考える必要があると思います。

群れとはmini metro?

ネットワークを考える上で役に立つゲームがあります。mini metroっていうんですけど、駅から駅へとお客さんを運ぶように、路線をつなげるゲームです。

mini metro

これで遊んでいるといろんな群れの特性が見えてきます。まず、地域に根差した群れ。地理的に近い場所には、同じマークの駅が出現しやすいです。やっぱり距離が近いというのはそれだけで似た者同士になりやすいと思います。

しかし、似た者同士の群れは不満とか、足りない物も似ているため、崩壊へと向かいます。違うタイプの駅と交わることで、お互いに不足を補って共存していくことが大事です。そのために、なるべく違うタイプが集まるように横串を通してやるのが、metro経営者の仕事です。群れに風穴を開けて、今までとは違う軸を通す。これがとても大事です。

こうして生まれた路線と路線が交差して、さらにマクロに人の行き来が増えていきます。そのとき、乗換駅となる中継地点に負荷がかかります。カリスマ的な人にいろいろな欲求が集中します。これを突破するには、カリスマがものすごい強い力を発揮するか、もしくは欲求を分散するための弱い紐帯を別のところに作るか、ではないでしょうか。

私たちは、駅や路線といった、自分中心の友達の群れしか見えていないケースが多いですが、もっとマクロに群れと群れのネットワークを知ることで、街全体の大きな物語を編むことができるようになるのです。

何言ってるか分かりませんね。ただmini metro楽しいってだけです。


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