見出し画像

公式組織の理論と構造(経営者の役割)

第二部(第六章~第九章)を読みました。簡単なことをただ小難しく定義しているだけな印象でした。なお前回の記事はこちら。

二人以上の人々が、一つの明確な目的のために協働する、その体系を「組織」と呼ぶことにした。企業、学校、家庭、政府などは組織だし、もっと刹那的に「電車内で座席を譲り合う」とか「スーパーで買い物列を形成する」とかも組織と言える。

組織に必要な要素はコミュニケーション・貢献意欲・共通目的の3つである。組織の目的(共通目的)と個人の動機は明確に区別しなければいけない。組織の目的と個人の動機が同一であるべきだ、と思う人もいるかもしれないが、絶対にそれはあり得ない。貢献意欲とは「個人的欲求と嫌悪の合成」である。個人的動機は必ず主観的なものである。一方、組織の目標は必ず客観的なものである。組織とは、各個人の主観を客観的に束ねて一つの目標を達成させるように調整するシステムである。だからこそ、共通目的に対して個人が貢献しようと意欲を持てるように、しっかりコミュニケーションによって伝えていくことが欠かせない。

複合組織について。普通に企業内でも複合組織というのは普遍的に存在する。親会社と子会社、社内に存在する事業部、部門、グループ、チームといった組織体系は複合組織そのものである。一番基本となる単位組織は15人が限度であり、多くの協働では5~6人が現実的である。

また、このような公式組織のほかに、非公式組織も重要になってくる。チームとは関係なく相談できる同期社員との横のつながりだったり、よく給湯室でお話しする仲間だったり、よく一緒に掃除をする仲間だったり、そういう非公式組織が個人の動機に大きな影響を与え、公式組織、複合組織全体の運営に欠かすことができない、と考えられている。

面白かったのは、組織の中でも物的環境の違い、特に「構築物、改良施設、工具、機械など」を所有しているかどうかは、他の組織との差別化がしやすい、という点。こういった物的環境を持つことが特徴となる組織は、リモートワークによってその長所を失いかねないのだな、と感じた。

次の第三部から、ようやく実践編になるらしい。楽しみ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?