とりあえず最後まで読みました。後半4~8章をまとめます。
前回、経験には連続性と相互作用が大事だ、という話をしました。今回は、衝動や欲望に任せた経験はダメで、将来を見据えた目的を持つことが大事だ、という話をします。
ちょっと分かりにくいですが、この辺りに本書で言いたいことのエッセンスが詰まっていると思いました。
詰め込み教育は個人の経験を無視しているからよくないのは確かだけど、では自由に経験だけさせていれば学びが深まるかというとそんなことない、というのが趣旨です。
ただ欲望のままにやりたいことをやっても何も学べません。自由な経験を尊重した子供たちは、たいてい礼節を欠いて言うことを聞かず、やりたいことに夢中になって遊んでいるだけ、みたいになりがちです。衝動に左右されて知的判断が入っていないのだそうです。
こうした自由な経験を学習に昇華させるためには、将来を見据えて考えるという工程が必要です。
こうした手ほどきをしてくれる先生がとても大事になります。結局、経験を重視する進歩主義教育でも、ただ子供たちを好きに遊ばせるのではなく、そこから先を見据えて考えるよう促すことが大事になります。また、それが子供たち一人ひとりに合わせていかないといけないのですごく大変で、結局昔ながらの詰め込み教育のように効率よく教えることなんてできないんじゃないの? という筆者の思いが見え隠れします。
結局、知識詰め込みも、経験重視も、どちらも欠点があって、どっちがいい悪いという次元の話ではないよね、もっと正しく教育とはどうあるべきかを考えないといけないよね、みたいなことを筆者は言っていたと思います。