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問いのデザイン~プロセスのデザイン

前回は課題のデザインについて説明したので、今回は後半の「プロセスのデザイン」を見ていきます。要するに、何について話し合うか決まったから次はワークショップを開催しよう、ということです。

前回のまとめは以下をご参照ください。

なんでワークショップするの?

本書の目的は、問いを通して創造的対話をすること、創造的対話を通して認識と関係性を編み直すことです。その手法のひとつがワークショップです。

ワークショップは、主催者から一方的な情報伝達をするのではなく、参加者が主体的に参加し、手や体を動かしながら学び合う場です。そこでは、参加者同士の対話を通して、新しい意味をつくりだすことで学ぶプロセスが重視されます。

P140

ワークショップのテクニック

ワークショップには4つのエッセンスがあるそうです。

いつもと違う雰囲気を作ることで、対話を活性化させたり新しい発見を促したりするんですね。

集団が日常の経験から離れて、普段とは異なる視点から定義した課題に思考をめぐらせ、当事者同士で対話をしながら新たなアイデアを生みだしていく。その過程で、集団がとらわれていた認識と関係性が編み直されていきます。そのような経験のプロセスを導くのが、ワークショップデザインの本質です。

P151

では具体的にどういう手順でワークショップを進めていけばいいか、というテクニックについて本書では詳しく説明されていますが、あんまり抜粋すると著作権が気になるので、詳細は本書を読んでください。

ここで一番大切にしているのは「対話を通して新たな意味を創りだす経験」だそうです。課題を解決するために「何をつくりだす必要があるのか」を検討し、課題を「創りだす経験」のブロックに分割するのがポイントのようです。

これは本を読んでるだけでピンと来るものではないし、たぶん実際に考えながら進めないと体得できないんだろうな、と思います。個別には理解できるのですが、実際に自分の課題に対してこのブロックを設定するというのはとても難しそう。

すごかった具体事例

本書のPart IVでは、筆者たちが実際に行ってきたワークショップの具体例が紹介されています。その中でもケース2とケース3が個人的にはとても良かったです。これは自分だったら匙を投げそうな状況に追い込まれながらも、リフレーミングなどの手法を使って問いを設定し、きちんと解決に導いていました。

ああ、こうやって使うのね、これがプロのワークショップなのね、というのが垣間見えました。いろんなテクニックがただ頭の中にあるだけだと決してうまくいきそうにない、本当に問いを血肉にしていかないといけないなぁ、これこそ実践あるのみだなぁ、と思いました。

自分でも考えてみる

先日、都会と田舎に関する問いを立てました。

これについてもう少し掘り下げて、ワークショップを開催するとしたらどんな「創りだす経験」を用意すればいいのか考えてみます。

以下、私の考えた案です。

成果目標  :居心地のよい群れに所属して社会的健康を得る
プロセス目標:身の回りにある群れを分析し、自分への影響を把握する
ビジョン  :社会的健康になって生き生きとした毎日を送る
課題の定義 :自分にとって居心地のよい群れの条件を把握する

創りだす経験のブロック
①自分が重要視する居心地の良さを問い直す
②実際に所属している群れの居心地の悪さを洗い出す
③自分が望む理想の群れの状態を定義する

本の内容から見よう見真似でやってみました。①~③をワークショップの議題にして対話をしたら、定義した課題の答えに近づき、成果目標を達成できる……でしょうか? 気が向いたらやってみましょう。

めんどくさくてもやってみよう

結局は、実践あるのみです。コミュニティ・オブ・プラクティスです。問いのデザインの筆者のインタビュー記事でも似たようなことを言ってました。

未来をつくるというのは、「ちょっとめんどくさいと思って横に置いていることをちゃんと考える」ってこと。

もちろん考えなくてもいいんだけど、少し気合いを入れて考えてみると、自分の未来が開けてくるのかもしれませんよ。

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