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反集中1 問いのデザイン

ミラツクの反集中という本を購入したので読んでいきます。製本されていますが、原文は以下のサイトを探せば無料で全文読めるっぽいです。

最初は「問いのデザイン」の筆者の一人、塩瀬准教授の対談です。

「問うことそのものを肯定すること」がすごく大事だと思っています。問いの良し悪しを評価しないで、「今の問い方いいね!」みたいな感じで、問う行為そのものを認めるようにしています。

確かに、質問をする、ってすごくハードルが高いんですよね。既に説明されたことを聞き返すのは、自分の理解力が足りないだけかもしれないし、集中してなかったことを露呈するかもしれないし、意外とリスクが高い。

それでも勇気を出して質問すると、実は説明側が不十分だったことが分かって、他の聴講者も理解していなかったからすごく助かった、ってケースもあります。もちろん、そんなくだらない質問するなよ、って思われるケースもあります。これを、そのまま評価すると、よっぽど優秀な人しか質問できなくなってしまいます。

だから、たとえ悪い質問だったとしても「いいね!」と認めてあげるのは、学習を促進するうえでも非常に大切な心掛けだなぁと思います。

優秀な人に基準を合わせて、下を切り捨てながら上昇していくのは昭和の時代で終わりました。そういう親方気質で人材を選り好みしていたら、あっというまにコミュニティは老害の巣窟になって衰えてしまいます。質問えらい、それが令和のスタンダードになることでしょう。

未来をつくるというのは、「ちょっとめんどくさいと思って横に置いていることをちゃんと考える」ってこと。

考えるのはめんどくさい。どこかに答えがあるならそれを参照して真似した方が楽です。そうやってみんな正解を求めて、ランキングを参照して、バズったツイートに共感して、誰かの描いた未来像に乗っかっていこうとします。

でも本当に大事なのは自分で考えること。考えるっていうのは、頭の中で悩みごとをぐるぐるうじうじ悩み続けることではありません。きちんとデータを集めて、並べて、比較して、吟味して、そこから情報を引き出すことです。しっかりインプットした上で、そこから頭の中で分析する。

すごくめんどくさそうですよね。考えるってめんどくさいんです。でも、それをやらないと、未来はつくれないんじゃないかと。ただ時間だけが過ぎて、20年後も今を生き続けることになってしまいます。身体だけ大人になっても中身は子供、みたいなやつです。

情報を味わおうとする態度が、良い情報の受け取り方に変わると思います。それができたら、生きることがめっちゃ楽しくなると思う。

興味を持てること、面白がれること。つまり「問い」ができること。本当は、高尚な問いをする必要なんてないんです。純粋に興味があって、分からないことを問えばいい。

逆に、問いを立てることで自然と興味がわいてくるかもしれません。今までボーっと見ていた世界に、ちょっと小石を投げてみる。そしたら小さな波紋が立って、おっ、と思う何かが見つかるかもしれません。

答えがググれば見つかる世の中だからこそ、答えを出すことではなく問いを発することに意味が出てくるのでしょう。


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