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フライングロボディクス産業 ~Industry-Up Week Autumn 2021

今日はフライングロボディクス産業、簡単に言うとドローンの産業利用について考えるセッションの紹介です。いまドローンの利活用はとても熱い分野で、インターネット黎明期みたいな夢のあふれるステージにあるそうです。

ドローンの法規制

まずドローンの飛行形態について、レベル1から4までの段階が定義されています。国土交通省の資料が分かりやすかったので引用します。

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レベル1は見える範囲での操縦
レベル2は見える範囲での自動飛行
レベル3は人のいない田舎で誰も目視確認していない状態の自動飛行
レベル4は人のいる地域で誰も目視確認していない状態の自動飛行

現在の法律では、レベル4の飛行は危険なので禁止されています。これを法改正して、2022年には許可してもらえるように議論を進めているそうです。

ドローン技術はここまで来ている!

今はレベル3の、人がいない地域での自動飛行の実証実験が各地で進められているそうです。山梨県小菅村では、注文されたものを公民館などまでドローンで運び、ラストワンマイルと呼ばれる最後の自宅までの配送は地元の輸送網を活用する、という方式で住民からも強く支持される仕組みができつつあるそうです。

運ぶものは、重量制限があるので軽めの食料品がメインですが、医薬品の配送などにもチャレンジしていきたいとのこと。

これからレベル4の都市部での自動飛行を実現するために、実証実験を通じて様々なデータを取っていこうとしています。たとえば、バッテリーの交換サイクルの最適化だったり、風に強い物流機体、危険を察知したら戻る、安全なところに落ちるなどの安全保障をどうしていくか、などがあります。ドローンの設計や部品については、航空産業のもつ飛行機設計の知見を取り入れたり、まだまだ検討すべきことはたくさんあるようです。

これからのドローン活用への期待

今後、都市部でのドローン活用で期待されているのは警備や点検業務だそうです。都市部での宅配はまだまだ先になりそうで、その主な理由は現在の宅配便が安すぎるのでドローン利用時のコストが見合わないからだとか。

なんでもかんでもドローン輸送にするのではなく、運ぶものに応じて大型トラックがよかったり、軽自動車が良かったり、いろんな選択肢がある中の一つとして、緊急性や速達性が求められるところでドローンが活用できるのではないかと考えられます。

日本は課題先進国と言われており、先進国の中でも最もはやく人口減少に転じたり、インフラ老朽化も進んでいて、これらの課題をドローンで解決できれば、世界に先んじたソリューションを作り上げられると期待されます。

今のところドローン技術は中国の方が進んでいますが、中国製のドローンは情報をどこまで取られるか分からないという不安があり、日本の技術に期待する国は多いんだとか。

私たちにできること

いま、ドローン産業はとても人手不足です。自動車産業と同じくらいの大きな産業がゼロから立ち上がろうとしています。30年前にインターネットが立ち上がったころと同じような、新しい未来のスタート地点にいます。もしドローンに興味を持った方がいれば、是非ともご協力ください。

直近の課題は、ラストワンマイルと言われる個人宅への個別配送をどうやって進めていくか。そしてその先の大きな目標としては、ドローンをただ不便の解消に使うのではなく、ドローンを使うことで新しく豊かな暮らしを提供できるようになること。今までできなかった新しいライフスタイルを提供することです。

これからどんどん発展していくドローン産業を、どうぞよろしくお願いいたします。

感想

私は、ドローンって要するにラジコンでしょう、くらいにしか思っていませんでしたが、話を聞くとすごく多様な未来が想像されていて、とてもワクワクしてきました。まず、それだけ人をワクワクさせる未来を描いて説明できるということがすごいなぁ、と思いました。

課題もまだまだ多いですが、特に新しいことを始めるときの壁となりやすい法規制についても、積極的に改正に向けて働きかけているというのがすごいと思いました。それだけ価値があると思わせられるから、国を動かすこともできるわけで、この熱量は今後ますます目が離せないと思いました。

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