観察力を磨く 名画読解 ~ 分析
第二部 分析を読んでいきます。
前回の、第一部 観察については以下を参照。
分析も、観察とそんなに違いはなくて、しっかり見よう、ということに落ち着くのですが、今回特に注意するのは「優先順位」と「陰性所見」です。
優先順位
明らかにおかしいものが絵画に混ざっていても、それがうまく説明できなかったりすると、自分のなかでの説明の優先順位が下がってしまうという事例がいっぱい出てきました。
たとえば下の絵をみたとき、あなたはいったいどういう順番で何を説明するだろうか? 人によって順番は変わるだろうし、また状況によっても優先すべき項目は変わってくる。そういうことをいろいろと意識させられる内容でした。
陰性所見
つまるところ、これですね。
私は人の言葉を表面的に受け取ることしかできなくて、裏の意味とか全然考えられないので、だから分析力が弱いんだろうな、と思いました。
でも、この陰性所見に気付くというのは、普段から「本来であればこれが表に出ているだろう」ということを意識する必要があると思うので、それなりに幅広い知識教養を持っていないとできないことだと思います。まあ筆者によれば、それを普段から意識することで鍛えるのが本書の目的ということになりますが。一分観察力、すぐ止めちゃったけど、ちゃんと続けないと力がつかないんだろうなぁ。
COBRA
筆者が、観察力を向上させるための方法論にCOBRAという名前をつけていました。これをぜひ参考にしていきましょう。
さきほどの優先順位とも重なってきますが、そこに明らかに描かれているのに指摘されるまで気付けないもの、というものもたくさんあります。これは大事じゃない、よくあるものだ、と脳が認識してそのまま情報を流してしまうのです。
私たちはそうならないように、細部に気をはらって、違和感に気付けるように観察力を鍛えていかなければならないんだ、ということを改めて感じさせるものでした。
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