感謝の極みとド底辺のぼく
ぼくです。
仕事に行けなくなってから、1ヶ月が経とうとしています。
毎日毎日、心と身体がしんどくて、生きる意味を見失いつつあります。
そんな卑屈でネガティヴ極めているぼくのところに、彼は毎日仕事終わりに訪ねてきてくれます。休みの日は、朝から世話をしにきてくれます。夜中に体調がより悪くなるぼくを案じて、泊まっていってくれることもあります。
ぼくと彼は、5年ほど前に出会いました。
出会って半年ほどで、ぼくから告白しました。
彼はノンケだってことは知っていたし、ぼくがゲイだってことはオープンだった。
出会って1ヶ月目に、映画に誘った。もちろん、男友達として。でも、そのとき観た映画のチョイスは『シンデレラ』。ぼくが、ヘレナ・ボナム・カーターのファンだったから。
そもそも、この時点ではぼくも彼に恋愛感情なんて、微塵もなかった。彼は23歳。僕は28歳。年上好きのぼくにとっては、可愛い弟ができた気分だった。
それから2ヶ月後。彼から呼び出されて、仕事の相談を受けた。深夜のファミレスで、自分の不甲斐なさに涙を滲ませながら拳を硬く握って、自分への怒りに震える彼を見て、『あ、ぼく、この子のこと好きだ』って、自覚しました。
告白するまでの3ヶ月間は、とってもしんどくて、とっても幸せだった。彼はぼくを信頼し、尊敬してくれていたし、ぼくも、弟としてではなく、人間的に彼を尊敬し、尊重出来ていた。
どうして告白出来ちゃったんだろう。
今思い返すと、成功の可能性って、限りなくゼロで。彼に思いを寄せてる女の子がいた事も知ってた。
多分、ぼくは焦ったんだと思う。あの女の子が先に彼に告白したら、ぼくには一生チャンスは来ないって。だから、告白した。
友人たちと大人数で飲みに行った帰り。
ぼくはいつもより少し多めに飲んでた。
彼はお酒が得意ではないので、車で来ていた。
この頃、ぼくの送り迎え当番(田舎で車を持たないぼくを、友人たちが持ち回りで送迎してくれていた)は、彼が固定になっていた。この状態も不思議な偶然かもしれない。周りも、年上好きゲイのぼくが、年下ノンケの彼に惚れるとも思ってなかったんだと思う。
この日も、彼に自宅まで送って貰うことになり、車の中で、その日の飲み会についてあーだこーだ話をして、なんだか、うっかり、『ぼく、きみのこと、好きなんだよね』って。言ってしまった。
あの時の、彼の顔は一生忘れないと思う。
近所のコンビニの駐車場に車停めて、彼が真剣な顔して確認してくる。
彼『さっき、ぼくさん、告白してくれましたか?』
ぼく『うん。なんか、ごめん。好きかも。3ヶ月くらい前からすごい好き。迷惑だよね。忘れて。』
彼『待ってください。ちょっと待ってください。』
エンジン切った車の中で、彼はハンドルを握りしめて、青白い顔になってた。めちゃくちゃ考えてたんだと思う。
兄みたいに慕ってた人。ゲイだとは知ってたけど、まさか自分に好意を向けるとは。って。
真っ青な顔で、物凄く真剣な表情。ひたすらハンドルを睨みつけてた。
ぼく『ほんと、ごめん。気持ち悪いよね。忘れて。』
彼『正直、どう答えたら良いかわかりません。ぼくさんがふざけてるとは全然思ってないし、だから、こっちも真剣に考えなきゃって思ってます。それに、今、断ったら、ぼくさんとは一生会えなくなる気がする。それは、嫌なんですよ。こんなにまっすぐ好意を伝えてもらった経験、人生で1度もないし、ぼくさんを恋愛対象にみれるか、全然わかんないですけど、あの、ぼくさんな好かれるのは嫌じゃないんで、付き合ってみたいです。』
物凄く丁寧に言葉を選びながら、真っ青な顔で決意表明してくれた彼に、ぼくは、すごく感謝してる。
あれから5年。実はまだぼくの片想いだと思う。
彼は、気付けば弟ではなく、しっかり者のパートナーになっているし、ぼくはアニキぶらず、甘えん坊のダメ人間になっている。
彼はぼくの全部を許容してくれるけど、ぼくとの関係はトップシークレットだ。彼から愛の言葉を貰ったこともない。彼は自分にもぼくにも嘘をつかない。
確かに今、彼とぼくは、お互い大事な存在になれているとはおもうけど、まだまだ関係を深める余地は沢山あって、だから、ぼくは毎日新鮮に彼のことが大好きだって再確認する
よろしければサポートお願い致します。 ぼくがぼくらしく、あるがままに生きるために、応援されてる実感が欲しいのです。 これからも生きている記録を付けるために、大事に使いますので…何卒。