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「トイレ写真」インスタグラマー 外国人に人気のワケ

インスタグラムといえば、美しい景色やかわいい食べ物などの「インスタ映え」する写真を連想する人も多いでしょう。しかし、なかには一風変わった写真を投稿する人がいます。カメラマンの中村英史さん(53)もそんなインスタグラマーの一人です。

中村さんが投稿しているのは、公園などにあるちょっと変わった形の「公衆トイレ」の写真。昨年1月に投稿を始めて、いまでは4600人のフォロワーがいます。特に外国人から人気があり、フォロワーのおよそ9割は外国人だといいます。

投稿を始めた当初は、ほとんど反応がありませんでしたが、いまではイギリスの「ガーディアン」やアメリカの「CNN」など世界数カ国のメディアで紹介されるようになりました。トイレ写真の何が人々を惹き付けているのか。その不思議な魅力について聞きました。(三好尚紀

※この記事は2018年6月19日、ひとりを楽しむメディア「DANRO」で公開されました。

インスタグラムアカウント「toilets_a_go_go」にトイレ写真を投稿している中村英史さん

――なぜトイレの写真を投稿しようと思ったのでしょうか。

中村:知り合いがインスタグラムをやっていて、自分もやってみたいと思ったんです。ただ、「どこかに行った」とか「何かを食べた」というのを紹介するのは面白くないと思って、何かテーマを持ってやりたいと思いました。そこでもともと建築物に興味があったので、公衆トイレを撮ったら面白いかもしれないと思い立ったんです。インテリアや便器の形など、トイレの内部には興味がなかったので、外観というか、建築物としての公衆トイレを撮ることにしたんです。

――投稿するトイレはどのように選定しているのですか。

中村:特に選んではないですね。公園があれば公衆トイレがあるじゃないですか。なので、地図で公園を探してから撮影に行くようにしています。仕事やプライベートで遠方に行ったときも、時間があればちょっと公園をのぞいて撮ったりもしますね。自宅から写真スタジオまでバイクで通っていて、その途中で公衆トイレを探しながら来ていましたが、ほとんどのトイレを撮り尽くしてしまいました。色々と気づくこともあって、基本的にトイレの管理は区が行っているんですけど、杉並区の場合、トイレの形は一緒でも前面の装飾に色々なパターンがあるんですよ。

杉並区のトイレ カラフルな木々のデザイン
杉並区のトイレ 鳥と子供とシャボン玉のデザイン

――撮影をするときに意識していることは。

中村:構図ですかね。周りの景色を入れたほうがいいのか、入れないほうがいいのか。入れる場合は、ちょっと引いて撮ったり、右・左・正面、ちょっと高さを変えて撮ったりと、何枚か撮ります。基本的に曇っているときに撮影するようにしています。天気がいい日は陰影がつきすぎて、建物自体のディテールが出にくかったり、逆光になったりしてしまうんですよ。たまたまいいトイレを見かけてしまった場合は別ですけどね。

外国人に人気のトイレ写真

初めてインスタグラムに投稿した写真

――どのくらい続けているのですか。

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