見出し画像

【のーがたのーと】お酒とコーヒーの二刀流!/「ヤマモト 酒食品」 桧垣克己さん 


直方商店街の中心部で今でも商売を続けておられるヤマモト。五日市の際には、コーヒーの店頭販売があります。このコーヒーをもって商店街を歩く方もちらほら。でも、地図等で調べてみると、酒食品を取り扱っているお店とも出てきます。

この真相について詳しく知りたいと思い、インタビューをすることにしました。今回は桧垣克己さんにお話を伺いました。


戦前からあるヤマモトの歴史

 
ヤマモトは克己さんの奥さんである博子さんのおじい様の代から商売を始められています。アーケードができる前からお店はあったということです。「ヤマモト」は直方商店街の移り変わりをずっと見守ってきています。

商店街を訪れる人も少なくなってきている今もなお、商売を続けておられるヤマモトさん。このお店でのこだわりは

「対面でのお客さんとのやり取り」

お客さんとの対話を大切にし、配達やオーダーメイドかつ出来立てのコーヒーを届けています。これはスーパーやコンビニにはできないこと。そのこだわりがお客さんを惹きつけているのかもしれませんね。

こだわりを力強く話す克己さん


ここのお店では関西の飯田酒造で作られている「長龍」と克己さんが作っている「コーヒー」とナチュラル化粧品を販売しています。「長龍」は博子さんの弟さんが働いていた酒造とのご縁で、九州では唯一の販売を行っているそうです。弟さんが続けてこられた一件、一件まわり、午後から配達という御用聞きで関西のお酒を直方で売っていたそうです。弟さんがお元気な頃は関西の小売店よりも販売していました。それは今でも続き、何十年もの間、多くの方が注文してくださっています。

お店にあふれる「長龍」

「コーヒー」と「ヤマモト 酒食品」


ずっと話題に出ている「コーヒー」。これは克己さんとの深いつながりがあるとのことです。克己さんはもともとコーヒー会社に働いていました。昭和43年ごろセールスでヤマモトに来て、コーヒーの実演販売を行ったそうです。当時の店主だった博子さんのお父様は「コーヒー」にピンと来ていなかったようですが、博子さんは興味をもって、翌日克己さんの会社がある小倉まで話を聞きに来たそうです。これをきっかけに、「コーヒー」が「ヤマモト」で販売されるようになりました。そして、この博子さんというのが、のちに奥さんとなる方。「コーヒー」は「ヤマモト」をつなげただけでなく、「克己さん」と「博子さん」もつなげたのです。

その後、五日市で実演販売を行いました。当時の五日市はにぎわっていて、出口が見えず、人がぶつかり合うくらいでした。よそからきた克己さんは「度肝を抜かれた」そう。売上もすさまじく、近くの百貨店である井筒屋での売り上げは25万だったのに対し、五日市での売り上げは35万だったそうです。この井筒屋の売り上げもかなり売った額であるので、それだけ、五日市がにぎわっていたのかがよくわかります。


克己さんがお客さんに合わせてブレンドをしたコーヒー

克己さんのコーヒーのこだわり 「3Days」 


コーヒーマイスターの資格を持っているくらいコーヒーのプロフェッショナルの克己さん。コーヒーへのこだわりを尋ねてみました。

「3Days。加工して3日以内に届けること。遅くても一週間以内。」

これを強く感じた話としてあるビール会社の話が印象に残っていると言います。その会社がこだわっていたのが「品質」と「鮮度」だったのです。加えて、酒造で勤めていた博子さんの弟さんにも「品質」が重要と聞いたそうです。この話から克己さんは「鮮度」そして「品質」を大切にしています。この2つを意識することで「味」、「香り」、「後味」が理想のものに近づいているそうです。

そんな強いこだわりを持っている克己さんならではのお客さんとのエピソードがあります。

「このこだわりのあるコーヒーがおいしいということをお客さんたちが広めてくださって、それを使っている喫茶店が数店舗ある」

「長い人では30年ほど愛飲している。他のコーヒーは飲めないと言ってくださるのが励み」

克己さんだからこそ、生まれたエピソードでしょう。

自分がブレンドしたコーヒーを最後まで愛情をこめて詰めます


これからの直方、商店街への思い


克己さんに様々な思い出がある商店街への思いを聞いてみました。
一時期は開催も危ぶまれましたが、若い人たちの活躍により以前の賑わいを少しづつ取り戻そうとしている五日市。

「一人だけの力ではできないが、今後も若い人たちを中心に様々なイベントを企画してくれるとありがたい」

そんな克己さんが最後にこのようなことを言ってくださいました。

「コーヒー販売は生きがい。命ある限りやりたい。生涯現役。コーヒーをやっていなかったらどんな人生だったのだろう。」

生涯現役。力強くおっしゃった言葉が印象的でした。コーヒー販売を生きがいとしている克己さんのコーヒーを是非皆さんにも味わっていただきたいです。


店舗情報


「ヤマモト 酒食品」
住所:福岡県直方市古町9-32
営業時間:10:30~16:30
定休日:日曜日
TEL:0949ー22ー1220


文・編集:江村友里 
取材  :江村友里、黒岩建杜、前田若葉
撮影  :前田若葉


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?