「毎回毎回感じられた、嘘のない自分でいられる清々しさ」DANRO卒業生インタビュー
人と人とのつながりの中には、”目には見えない温かさ”がある。その温かさが増し、循環する時、きっと、世界は今よりもっと明るくなる。そんな創業者の想いから生まれた『深いつながりを紡ぐ、実践型対話スクールDANRO Autumn』が2023年12月に最終回を迎えました。卒業生へのインタビュー記事を、数回に渡りお届けします。
今回お話を伺ったのは、元俳優でメンタルコーチであり、ソーシャルワーカーとしても活動しているしゅがーさん。「たった2ヶ月で何が得られるのかな」そう思いながらもDANROへ参加して感じたことや変化などをお話ししてくださいました。
くすぶっている自分を変えるきっかけに
――Instagramも拝見し、幅広い経歴と多彩な趣味をお持ちの方だなと感じていました。今回DANRO Autumnに参加されようと思ったのはなぜでしょうか?
しゅがーさん:好奇心旺盛であっちいってちょんちょん、こっちいってちょんちょん、といろんなことに手を出していました(笑)
DANROのことは、メンターをされている智也さんのメンタルコーチングの養成講座を半年間受講していてそのつながりで知りました。講座で学んで、もういつでも活動できるよというところまで準備はさせてもらったんですけど、そこから2〜3ヶ月くらいなにもしない期間があって。ぽかんと燃え尽きちゃったような感じだったんです。
ちょうどその頃、智也さんと石垣島に旅行する機会があって、智也さんは知っているけどあと2人ははじめましてという面白い集いで(笑)
そこで智也さんから「何かやってみたいけど踏み出せない、くすぶっているような気持ちの後押しになるきっかけがもしかしたらDANROにはあるかしれない」ということで紹介してもらい説明会に参加しました。
――説明会ではどんなことを感じましたか?
しゅがーさん:主宰のHiroさんが旅をされている方で、いろんなブレている自分とか、フラフラしている自分がいてもいいんだよ、というニュアンスのことを話されていたのがとても印象的で。
僕もさっき言ったみたいにあっちでちょんちょん、こっちでちょんちょんするので自分は遊んでばかりでフラフラして、というどこかでそんな想いもあったんです。でもそういう自分も認められるんじゃないかなと、思って参加を決意しました。
“自分の芯”は、実はあった
――Hiroさんとご自身とに重なる部分を感じられたのですね。実際にDANROで2ヶ月間過ごして、何か見つかりましたか?
しゅがーさん:ブレている自分、フラフラしている自分には “芯”というものがないと思っていたのですが、見つけました。というか“実はあった”ということに気づけましたね。
それがなにかと言うと、愛情深さとか無償の愛というもの。「愛」が自分の中のキーワードだったんです。どんな人に対しても愛を持って接しているというのは確かに自分の中にあるし、届けられているんじゃないかなと。
――「愛」!どうしてそれが自分の芯となるものと気がつけたのでしょうか?
しゅがーさん:今までも話しているときに確かに自分のこう、なにか届けたいなというか想いはやっぱりあって、それは「愛」でしたし、僕の言葉や雰囲気を通して伝えられているものだなと。
それに気付かされたのはみんなの言葉があったからです。
もともと人と話すのがすごく好きで、今回のDANROでも休んだ人たちに補習というか一緒にもう1回やろうよと声かけていました。
そうしてつくってきたその関係性を最後にみんなが「それがあったから参加しやすかった」とか「誰一人欠けることなくできたとか」と、そういうふうに言ってもらえたのこともすごく嬉しくて。
ワークの中でも「しゅがーさんは愛情を持って人と接することができる」「役者では芽が出なかったかもしれないけれど、数回しか会ってないけれど、私はしゅがーさんの全部の良さを画面上から感じていますよ」と。それから僕がいる回といない回では雰囲気が違って、いてくれる方がやっぱりいいよとか。
みんなが言葉にしてくれたことが嬉しかったですね。あ、伝えたいことはこれだし、伝わっているんだなと感じられました。
――しゅがーさんの芯となる「愛」が伝わっていたんですね。
しゅがーさん:2ヶ月という期間で何が学べるのか、何に気付けるのかとは思っていたんですけれど、人生のキーワードというものがあったということに気づけたのは大きな収穫です。
――私も今、しゅがーさんと話して数十分しか経っていないのですが、それでもみなさんがおっしゃられていたことはすごく分かる気がします。だからこそ、今までしゅがーさんがご自身でそこに気づいていなかったということに驚きました。
しゅがーさん:もうそれが当たり前のものだと感じていたのかもしれないです。高校も介護系で、大学で社会福祉を学んで、じいちゃんばあちゃんが好きだったんでその道に進んだというのもあるんですが、誰かに喜んでもらいたいとか役に立ちたいという想いは昔からベースにあったんですよね。
家族構成も母ちゃん、姉ちゃん、姉ちゃん、ぼくで兄弟も3人、ばあちゃんから見たら孫が10人くらいという人付き合いがたくさんある中で生まれて育ってきて、人に恵まれ愛情を受けて育ってきたなというのを感じていました。
だからこそ自然と自分も愛を与える側に回ろうというのが小さな頃からもしかしたらあったのかもしれないなと思います。
――自分が当たり前にやってきたことが、他の人から見たら愛に溢れた行動だったということに改めて気づかれたのですね。
しゅがーさん:なんて言うのかな「愛情深いね」など改めて“言葉”にしてもらえることで実感できましたね。言われたことで、誰に対しても愛を平等に届けている自分がいるなと。
嫌いな人もあまりいないし、敵もつくることもないし、自分で言うのはあれですけどぼくのことを嫌いという人もいないと思います(笑)
――無償の愛ってすごく難しいと感じるんですよね。だからこそ、それができるのがしゅがーさんの特性というか、素晴らしいところなんだなと感じました。
“人それぞれ違うから、その人らしく生きられたらいい”
――DANROの時間で特に心に残っていることをおしえてください。
しゅがーさん:「人それぞれ違うから、みんながその人らしく生きられたらいいね」という雰囲気がDANROにはあってそれがやっぱり印象的ですね。
僕はセクシュアル的に男性が好きなんです。それを含めても本当に居心地の良さを感じていました。
以前智也さんのコーチング講座の打ち上げで、はじめて一般的な人に対して自分がLGBTであることを告白してみたんです。そしたら「言ってくれてありがとう」って目の前で言われたんですよ。
今までは、彼女がいるとかうんぬん、嘘を作ってきての人生だったので全く嘘つかずにもありのまま自分で喋れるっていう、その全て受け入れてくれたっていう環境がすごく衝撃的で嬉しくて。
今回DANROではもう初めからこう話せる人には自分のことは打ち明けて言ってたんですけど、同様にみんな受け入れてくれましたし、みんなも自分の素を出して過去のことも話してくれた。
あ、自分らしくいるってこんなに素晴らしいんだ、清々しいんだということを毎回毎回感じられる時間でした。
――私にも伝えてださってありがとうございます。でも私もみなさんと同じ気持ちです。開かれてきているとはいえ、やはりご本人にとっては勇気のいることなんだなと感じました。
しゅがーさん:セクシュアルなことはやっぱり悩みますよね。僕も2年前だったら今この場で言えてないと思うんです。
今まではやっぱり気持ち悪いと思われるかなとか、色々考えてしまってたんですね。でも僕は本当全く変わらずこのままだし、みんなも言ってくれてありがとうって言ってくれて。
自分がこうやって勇気をもらったり、安心感を与えてもらったりとかしたぶんを他の悩んでいる人に届けていきたいです。僕だからできることもあると思うので。
自分らしくいられることの楽しさや嬉しさを自分の体験をきっかけに知ってくれる人がいたらとか、悩んでいる人が少しでも減ったら、という活動にメンタルコーチとしてつなげていきたいなという想いが芽生えました。
――しゅがーさんのようなポジティブな方でもやっぱり自分のセクシュアルな部分を言うのをためらってしまうということは、悩んでいて言えない人も多いんだろうなと。そういう人の役に立っていきたいという想いがあるのはしゅがーさんの雰囲気を含めすごく腑に落ちます。
しゅがーさん:うんうんそうですね、やっぱり興味はあるけど世間体もあるし、自分自身もまだ恥ずかしさがあるし。本当に今年きっかけで自分を開示することのためらいがなくなってきたという、人生でも大きな1年だったんですよね。まずは智也さんに感謝ってところと、DANROにも感謝で。
本当に今からだなと思っていて、今年で38になりますが、まだこの年でできることで多分いっぱいあるなと思っています。
――今後はどんな活動をされていきたいと考えていらっしゃいますか?
しゅがーさん:喋った雰囲気やニュアンスが結構いいねと言ってくれる方が多いので、自分が喋ってるところをインスタとかにも載せていきたいなと思っています。
――全然印象違います!しゃべっているのを見た方がしゅがーさんの良さが伝わりますよね。
しゅがーさん:本当ですか、よかった!インスタで誰かと対談とか、フランクなところから始めてもいいかなと思って。
それで僕と話してみたいとか悩み相談したいなって思ってくれる人がいればと考えてます。LGBTに特化したところも強みとして持っていけたらいいかなと思います。
本当の自分を出す勇気を自然と培えた
――プライベートではどうでしょうか?
しゅがーさん:実は、母ちゃんや家族、今までの友人には打ち明けられてはなくて。打ち明けることが全てじゃないとは思うんですけど、でも親しいからこそ「これが自分なんだよ」知ってもらっときたいという想いもあるんです。
いつか自分が死ぬ時とか相手が死ぬ時とかの前に言ったら「なんでもっと早く言ってくれなかったの」「そんなこと早く言ってくれればよかったのに」とかね、言われる気もするなと思って(笑)
タイミングがきたら言っちゃおうかなって、もう今はそんぐらいのちょっと軽い感じになったというか。
――なるほど!それくらい心軽くなっているなんて素敵です。DANROのみなさんが受け入れてくれたからこそ勇気が出たのですね。
しゅがーさん:伝えた後も顔色変えずに普通に接してくれるし、僕もそのなんだろう言ったからこそ開けるところがあるというか。
今回男1の女9で女性ばっかりだったんですけど、全然男女なんて関係なくてみんな人としてそれぞれ接してくださった。僕にも対してもそうだし、他の参加者同士もそうだし。
尊い人たちが集まってくれたなと思っています。そういう環境の中で、自分の自信や勇気を自然と培わせてもらった感じがあります。
――本当に良い関係性を築かれたことが伝わってきます。
しゅがーさん:最終回でみんながそれぞれに対してコメントし合う、感謝の言葉を伝えるという場面があったんですがもう満たされて満たされて。
2ヶ月DANROやったところでとは思っていたけど、いやいやいやもうなんか舐めてたなと(笑)本当に濃い時間でした。今度も対面で全員で会うんですが、今後一生付き合っていくメンバーなんだろうなって感じています。
DANROはマイナスからゼロに戻れる場所
――しゅがーさんにとってDANROとはどんな場所ですか?
しゅがーさん:マイナスからゼロに、ベースに戻れる場所なんじゃないかなと。自分の場合「これが自分だよ」というところを話せるのがベースのゼロだと考えたら、今まではマイナスの中でこう生きてたと思う。
フラットにゼロで行こうとしていたけど、やっぱどうしてもこうマイナス1や2というところでウロウロしていた感じがあった。
DANROは「自分から言ってみたいな」とか「やってみようかな」とか“ちっちゃいチャレンジ心”がくすぐられるというか、小さなこびとに背中を押してもらえる場所のような。そんなふうに後押ししてくれるみんなの言葉や雰囲気があったなと感じます。
DANROにはいろんな人がいて、今後もいろんな化学反応があるでしょうけど、その中で自分らしさが見つかるんじゃないかなと思います。
――ゼロに戻れる、自分に気づける場所、なんですね。
しゅがーさん: 土台を作れたというよりは、気づけた、思い出させてくれた、そんな感覚ですね。
みんな元々自分らしさというものはこれまでの人生で築いてきて持っているんだけど、忘れてたり考えないようにしてとかしてるんじゃないかな。
そんな「ゼロ」の自分に立ち戻れるような、空気感、時間を提供してくれた場所でした。
ーーしゅがーさんは本当に話しやすくて、愛の人だということをインタビューの時間だけでもものすごく感じられました。愛に溢れるお話を伝えてくださり、ありがとうございました!
しゅがーさんについて
元俳優。社会福祉士、メンタルコーチ、フィナンシャルアドバイザーの資格を持つ。趣味はエイサーや筋トレ、ミニバレーなど多岐にわたる。今後はLGBTの悩みに寄り添った活動をしていくことを志している。
DANROについて
「日常に対話を、対話を文化に。」をスローガンに掲げるダイアログカンパニー。私たちがともにこの世界に生きていくために、人、自然、社会など全体性を探求しながら、循環し合える空間を創造しています。
実践型対話スクール、DANRO CHILDREN、自己を探究するダイアログコミュニティの運営などを行う。その他対話を軸とした事業を展開。
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