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「手放した先に見えた景色」DANRO JOURNEY参加者対談インタビューvol.2

トランジション(人生の変容期)をともに歩むプログラム『DANRO JOURNEY』。その第1弾が、2024年4月に3ヶ月の旅路を経て終了しました。

今回は、DANRO JOURNEY参加者でもある橋野(はしー)が、参加したメンバーのリアルな声を届けるべく、参加者同士の対談・インタビューを記事にしました。

この記事は、合宿を終えて1ヶ月後に行った対談と、DANRO JOURNEY全プログラム終了後に行ったインタビューの2本立てです。DANRO JOURNEYの変化のプロセスを覗き見るような感覚で、少しでもこのプログラムを感じていただければ幸いです。

<プログラム内容>
1回目:出会い
2回目:対話合宿(2泊3日)
3回目:再会
4回目:旅立ち
※各回の間に参加者同士のペアダイアログを実施。

▼DANRO JOURNEYに込めた想い

このインタビューに出てくる人


Episode1:エッジを超えた体験ー対話合宿を終えてー

この対談は、対話合宿の1ヶ月後、“再会の日”を終えたあとに実施しました。

それぞれの対話合宿の時間

はしー:対話合宿を終えて1ヶ月が経ったけど、みんなにとって合宿はどんな時間でしたか?

たくや:“受け取る”と“手放す"をひたすら練習していた時間でした。これまでは受け取りたいものしか受け取ってこなかったけれど、そうでないものも受け取りたいなと思って。そのために、ずっと握ってきたものを手放すことで、殻を突き破った感覚がありました。

人と一緒にいることが怖かったんだと思います。どうすればいいかわからなくなる感覚があった。そこから、合宿の時間を過ごすなかで「自然体でいいんだ」と思いはじめました。

一つ目の殻を突き破ったら、今度は新しい殻が出てきて。「本当にちゃんと自然体でいれてるんだろうか?」という問いが湧いてきて、また分からなくなったんですよね。

はしー:合宿中のたくやさん、「わかんね〜」って何回も言ってた気がします(笑)

たくや:合宿中は結構戸惑ってたかもしれませんね。

今も何をすればいいかは分からないけど、あんまり考えてない気がします。今すぐに次の殻を破りたいというより、感覚に従えば自然体でいられて、時がくれば勝手に殻を突き破るだろうという感じでしょうか。

あとは、わかさんが主催者側として合宿に参加してるとは思ってなくて。わかさんは高校の同級生だったので、最初は「出せるもんも出せないじゃん」という感覚もあり、そこは自分にとってのエッジでした。

おかげで、縁とか関係性って一度切れると修復はできないと思っていたけれど、作り直せるんだという大きな収穫もありました。

初日の集合の様子

せいや:僕は、他の参加者の悩みや変化を観察して、面白いなと思っていました。「みんな人間だな〜」って。

みんなが何かをさらけ出したり、エッジを超えていく様子を自分に投影させて、プログラムを楽しんでいたのかもしれません。

はしー:確かにせいやさんが楽しんでいた感覚、すごく伝わってきました。何かにすごく葛藤していたわけではなくて、終始楽しんでるように見えた。ただ、3日間のなかで、せいやさんの質感は変わった気がしています。

せいや:最初は構えてたのかも。初日は「なにかを得て帰ろう」という気持ちがあったけれど、「もういいや」と開き直ったのかなと思います。

たくや:砂場で遊んでいる感覚だったね。「何作ろうかな、みんな何作ってるんだろう?」と出来上がっていく様そのものを楽しんでいるイメージ。人のことをすごく見ている感じがしました。

せいや:最初は「この人はこう考えるんだ」と、一人間としての捉え方を観察してた気がします。人間性が理解できて、人生を分かち合っている関係性に変わったことで、接し方も変化していったのかもしれません。

はしー:僕にとって合宿の時間は、自分のなかに見え隠れしていた“ライオン的な自分”と向き合い、受け取ってもらえた時間でした。

これまでは、自分の心のなかにある気持ちを「外に出したら誰かを傷つけてしまうかもしれないから、自分の内側で加工してから伝えよう」と、いろんな気持ちを抑え込んで、話せるタイミングが来たらようやく人に話すというサイクルを繰り返してきた。でもそれは、自分の内側でずっとトゲが刺さり続けてるってことなんですよね。

合宿のときに、僕のなかにライオンのような人格がいることに気付いてもらえて、その自分を開示することを受け止めてもらえた。そのおかげで、「意外と受け取ってもらえるんだ」と知れたり、受け取ってもらった上で、「こうしたらいいよね」と新たな視点をもらえたのは、とてもありがたい収穫でした。

力を抜いて、今ここの想いを分かち合う

はしー:合宿参加前後で、二人はどんな変化を感じますか?

せいや:僕は、大きな変化はないかもしれません。ただ、あれだけの深さの人間を5人分見れて、自分のなかに「こういう人いるよね」とインプットされたのは、非常に価値を感じています。

今後自分が関わっていく人のなかに、「あ、はしーに近い状態の人だな」とか、「あの類の悩みだな」という場面が出てくる。そこが、自分の変化というよりかは、自分に入れた1番の価値だなと思っています。

あとは、初めてではないけど、久しい体験ではあったんですよね。

誰かにフィードバックをされたり、自分を客観的に表現してもらう場面は、今の環境だと少なくなってきていて。だからこそ、それをもらえて背筋が伸びたというか、気を引き締めたというか。ピリオドまでいかない、カンマで1回区切った感はあるなと思います。

対話合宿に向かいながら宿題の作文に取り組むせいやさん

たくや:せいやさんは、過去に変化したなって思う瞬間はあったの?

せいや:あるある。けど、明確に「この日に自分が成長した、人間性が変わった」とかはなくて。振り返れば、「このアクションや選択がその後の自分を作ったな」というのはあるけど、変化は徐々にするものだし、気付いたときにそれが変化と捉えている感覚だと思っています。

昔は原体験コンプレックスがあって、強い原体験を持ってエネルギッシュに生きている人に対して憧れて、無気力になったこともありました。でも、徐々に「どうでもいいや」と思いはじめたのかもしれません。

経験よりは、どれだけ選択をしてきたかの方が大事だと思っていて。選択を積み重ねると自分が積み重なって、意思決定に対して自信が出てくるから、そこがブレない自分なのかなと思っています。

はしー:合宿のときに、せいやさんは次のフェーズとして“衝突を超えていく”というテーマが出ていた記憶がありますが、その後変化はありましたか?

せいや:衝突した方が前に進むな、関係性が改善するなと見えていることはいくつかあるので、じっくり考えた上でアクションを起こしていくと思います。ただ敢えて衝突を探して時間を使うってことはあまりしないと思います。

はしー:羨ましいな。合宿の頃から、せいやさんは思考の切り分けが上手いなと感じてました。

僕の場合は、「いい気づきがあったから、その気づきを最大限活かしてアクションしなきゃ!」と自分を追い詰めてしまう感覚があって、不器用だなって思うんですよね。せっかくいい気づきを得たのに、うまく出来ない自分に落ち込んでしまう。

せいや:自分が決めたことに十字架背負っちゃうこと、自分にはあるのかな......

ちょうど今日、一度SNSの発信をやめていた友人がSNSを復活させてたんですよね。そこには、「やめると決断したことで、自分の考え方や周りの環境に変化があった。それによってSNSへの向き合い方や価値観が変わったから、もう一度やってみることにした」と書いてあって。

人って、3年だろうが1日だろうが、変わるものは変わる。だから、合宿のときと今とではみんな違っているし、そこに立ち戻りすぎなくてもいい。考えなくていいことは考えずに、今自分が思う方を大事にした方がいいんじゃないかなと考えています。

たくやさんが夜な夜な焚き火と向き合っていたのが印象的でした

はしー:たくやさんは変化を感じてますか?

たくや:僕はめっちゃ変化してる。

まず、ジャーニーに参加した意図が、「DANROに関わりたい」という気持ちだったから、自分を変容させようとは思っていなかった。それが今は、DANROにこだわらなくていいと思っていて、それは大きな変化でした。

あとはもう棚ぼたで、「すげえ場じゃん!」って。最初の方は、この場がよくなればいいなと俯瞰した気持ちで参加してたけど、「この場だったら自分も一緒に参加していいかも」と思い始めて、ぐっと入り込んだのは大きかったかもしれません。

期待そのものが変化したし、ペアダイアログやジャーニーとの関わり方も変化してるなと感じています。

はしー:確かに。最初の顔合わせのとき、たくやさんは自分のことじゃなくて、場に対するコメントばかり話す人だなと思ってました(笑)

たくや:素直に表現するようになったなと思います。ジャーニーの場はもちろん、それ以外の場でも、パッと出すようにしていて。

例えば、先日教職の送別会があったんですよね。職員の前で泣いたっていうのもそうなんですけど、他の職員から「悔しいとしか言ってなかったよね」と言われて。そこにあったものをスッと出せたという意味で、ジャーニーの存在は大きかったと感じています。

逆に意図的にすぐに出さないときも増えました。話している相手がすごく深く潜っているときは、その人の何かを邪魔したくなくて、タイミングを見極めて待っているかもしれません。

たくや:はしーは、変化を感じてますか?

はしー:僕は少し肩の力が抜けて、人に頼れるようになってきた気がしています。

僕はここ数年でたくさんの対話の場を経験していたから、人に頼ることが少しずつ出来ている気がしていました。でも、なんだかんだ最終的には「1人で抱えなきゃ」とか、「自分で描き切って意思決定しなきゃ」と思う節があったんですよね。

合宿が終わってからは、分からないなら分からないで、一旦出してみる。そこから見えてくるものもあると信じられるようになった気がしています。

先ほど話した「得たものを活かそうと背負い込みすぎる癖」はまだあるけど、ちょっとだけ手放せるようになった気はします。

たくや:前に比べてオープンできるようになったのかな?

はしー:オープンするタイミングが少し早くなったのかもしれません。自分的には誰にでも自己開示してるつもりだったけど、しんどくなっている渦中では、伝えられないことが多かった。でも、限界に行く前に渦中で伝えることができるようになってきたのは進歩かも。前より全然。

たくや:はしーのだんだん雑になってくる感じ、好きだわ(笑)。合宿のラストのときも、体ゆらゆらしてる感じがいいなって。

はしー:そのフィードバック嬉しいな。

せいや:はしーは毎回のコミュニケーションのなかで、ゆるさとしっかりの両方を存在させて、バランスとろうとしてるよね。だから、バランスを崩さないように話しがち。ヘロヘロモードだけとか、しっかりだけとかあってもいい気がする。

はしー:なるほどなぁ。確かに極端にどちらかに寄ってしまうことを恐れて、ずっとコントロールしておきたいという感覚があるかもしれません。

その結果、常に気を張っているというか。

コントロールしようとする力を抜いて、時にはどちらかに偏った自分を許せるようになれば、結果的にバランスがとれて前に進んでいける気がしてきました。

Episode2:手放すことが前へ進むきっかけにーDANRO JOURNEYの終わりとこれからー

このインタビューは、DANRO JOURNEYの全てのプログラム終了後に実施しました。

ーー改めてDANRO JOURNEYはどんな時間でしたか?

せいや:まさに旅にでているような感覚を味わえた時間でした。

自分の過去と今を潜って探して、参加者同士の人生も一緒に旅をさせてもらって、自己と他者の両方を通して思考を深めることができました。参加するときは目的や意味を探してしまっていましたが、合宿からは感じるままに自分の変化や出てくる言葉を大事にすることができ、自己を俯瞰して見ることで自分という人間をより理解することができました。

あと、友だちができたのは嬉しかったですね。深いところでつながれた時間はかけがえのないものでした。

たくや:本当に欲しかったものが手に入り、今の自分に不要なものが半強制的に手放された時間でした。

本当に欲しかったものは、思考レベルではなく肚レベルで捉えていたことのように思います。そのため、思考レベルで捉えていたものは単なる幻想に過ぎず、その幻想が破壊される痛みを感じ続けていたようにも思えます。ただ、その痛みを感じ切った先に、肚の底で望んでいたことを自覚し、それを掴み取りにいく意志が湧いてきたのも事実です。そのプロセスには、大切な探求仲間と後押ししてくれるファシリテーターの方々が欠かせませんでした。

自身の環境の大きな変化の最中、希望と絶望が同時に立ち現れ、そこで自分が何を選択するかを問われ続けた時間でした。

はしー:肩の荷を下ろせた時間でした。参加したときは「パワーを得て、現実を前に進めよう」と意気込んでいましたが、今は「いろんなものを得ようと意気込む気持ちを手放すことで、結果的に自然体で前に進めた」という不思議な感覚です。

自分のなかで言葉になっていない加工中の気持ちは外に出せないと思っていたけれど、ジャーニーはその気持ちを加工中のまま出せる時間で。

自分1人で考えたり気持ちを抑え込むのではなく、少し周りに委ねられる時間はとても貴重でした。

ーーDANRO JOURNEYを終えた今、何か変化はありましたか?

せいや:いい意味で日常に戻って前を向いて歩いている感じです。ジャーニーの経験を無理に外に出そうとするのではなく、適切なタイミングで勝手に外に出てきて、日常とリンクしていくだろうなと淡く期待しています。

なので、明確な変化はないかもしれません。でも、ジャーニーに参加しなかった人生はもう歩めないので、これからの変化はきっとジャーニーにもつながっているんだろうなと思ってます。

たくや:ジャーニー以外にもたくさんのことが公私ともに起こり、1日が長く1ヶ月が短く感じる、そんな訳のわからない日々を過ごしています。

変化した部分もあればそうではない部分もあったり、一方でそう思いたいだけの自分もいたりして。とかなんとか言いながらも、自分の内と外で繰り広げられる物語を面白おかしく鑑賞できるようになったのは大きな変化ですね。

また、およそ15年ぶりの友人との再会に伴う影響はとても大きく、過去の自分が癒され、未来の自分のために今の自分が支えられている。そんな感覚を味わいながら日々過ごしています。

はしー:「絶対に何かを収穫しなきゃ」とか「完璧にしなきゃ」と背負い込みすぎるのをやめられたのは、大きな変化です。前に進めないとき「力が足りないんだ」と落ち込んでいましたが、「ときには荷物を下ろした方が、結局身軽になって進める」と思えるようになりました。

自分へのハードルが高く「あのときから全然変わってない」と嘆くこともありますが、ファシリテーターのかずさんからもらった『2度の変化は大きな変化』という言葉が、お守りになっています。

日本からイギリスに向かうとき、たった2度違えばモロッコに到着するようで、数週間単位で見ると小さくても、時間が経ったときに大きな変化となっていると信じることができています。

ーーDANRO JOURNEYをどんな人におすすめしたいですか?

せいや:ある意味で余裕のある人がいいのではないかなと思っています。なにかいい出会いがあればいいな、なにか気づきがあればいいな、くらいに考えている人にはおすすめです。

たくや:今手にしているものを一旦手放し、何を手にするかを改めて考えたい人。また、自分と他者や社会、世界との関わり方を再構築したい人にはよいかなと思います。

はしー:何でも1人で抱え込みやすい人、考えすぎて行動できない人は新たな発見が得られるかもしれません。その瞬間に浮かんできたありのままを伝え、対話をすることで新たな世界を見れるのではないでしょうか。

あとがき

関係性って、別に誰かに線引きされてるわけではない。それなのに、「この人の前では、あんな自分は出せない」と思い込んだり、逆に「この人はこういう人だ」と、自分や相手の変化を受け入れられず、決めつけてしまうことはありませんか?

生きていれば、毎日のように気持ちの変化はあるはずなのに。

ジャーニーの道のりでは、変化についてたくさんのことを語りあってきました。そのおかげで、ジャーニーの仲間とは、たとえそれぞれ変化をしても、気軽にそのことを話せたり、面白がったりできる。変化を肯定しあえる存在は、とてもありがたいなぁと感じます。

今回の対談のメンバーは、参加したきっかけも、考え方も三者三様でした。きっと人それぞれ、刺さるポイントが違うし、DANROJOURNEYのプログラムも、人によって活かし方は人それぞれなんだろうなと思います。

たとえプログラムに参加をしなくても、この記事を必要としている人に届きますように。

インタビュアー・記事/橋野貴洋(はしー)


\次回開催!DANRO JOURNEYの詳細はこちらから/


<説明会日程>
①7月9日 21:00-22:30
②7月18日 21:00-22:30
③7月23日 21:00-22:30
DANRO公式LINEより、【ジャーニー】とお送りください。

DANRO株式会社 について

「日常に対話を、対話を文化に。」をスローガンに掲げるダイアログカンパニー。私たちがともにこの世界に生きていくために、人、自然、社会など全体性を探求しながら、循環し合える空間を創造しています。
実践型対話スクール、DANRO CHILDREN、For Biz向けのDANRO Collaborationを行う。その他対話を軸とした事業を展開。
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