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「これでいいんだ」積み重ねの時間が、徐々に私たちを変えていったーーDANRO Spring 卒業生インタビュー

人と人とのつながりの中には、”目には見えない温かさ”がある。その温かさが増し、循環する時、きっと、世界は今よりもっと明るくなる。そんな創業者の想いから生まれた『深いつながりを紡ぐ、実践型対話スクールDANRO Spring』が2024年6月に最終回を迎えました。

今回は、卒業生3人の対話形式でお届けします。

あき
シンガポール出身、大阪府在住。IT企業の社員として勤務。
mushi
2人の子どもと2匹の金魚と暮らすシングルマザー。
まい
17歳と6歳の子どもを持つ母。Webライター。

左上)あきさん、右上)まいさん(下)mushiちゃん

DANRO Spring 参加へのきっかけ


あき:
 私の場合は今年の自己探究第2弾!という感じですね。今年は「自己探究」をキーワードに進んできました。これまでは「私は何が好きなんだろう?」と気軽にいろいろ試してみたけれど、今年はその一歩を深く踏み込んでみたいと思ったんです。

そうなるとまだ見ぬ自分と向き合う必要性を直感的に感じてはいたんですが、見たことのない自分ってちょっと怖いですよね。勇気を出して一歩踏み出すのがなかなかできなかったんです。

DANROは、もともと姉が「DANRO Autumn」に参加していることで初めて知りました。「対話」ってどんなものだろう?と最初はよくわからなかったけれど、なんだか面白そうだと感じて。

DANRO TRAVEL」にも参加して道東へ行ってみたら、本当に楽しかったんですよ。その経験がきっかけで、Springが自分と向き合うきっかけになるかも……と、ふつふつと参加してみたいという気持ちが湧いてたのがはじまります。

道東旅、時間をともにしたみんなと(下段右下:あきさん)

mushi:私は正直、そんなに前のことではないのに、DANROで得たものが不思議で大きすぎて参加理由を忘れかけていますね(笑)。Spring体験会の時期がちょうど、2年くらい受けていたカウンセリングとコーチングが終わってマイナスからゼロになったなという段階でした。

でもゼロからプラスへの持っていき方がわからないという状況で、誰かに引っ張ってほしいという思いと、自分でも見つけ出したいというジレンマを抱えていて。なんだかSpringには「ここだよ〜」と引っ張られていった感じ。

DANROでなら、これからの人生を楽しく、幸せに過ごすヒントがここにはあるのかな、やってみようかなと思えたのがきっかけですね。私の中のテーマの一つに“仕事”もあったので「人生初の進路相談」とも思って参加しました。

新たな芽吹きを感じたDANROの時間

まい:DANROのことは以前から知っていたんですか?

mushi:最初はDANRO CHILDREN(以下:ダンチル)のメンバーとして活動していて、いろんな素晴らしい人たちと出会い、たくさんの刺激を受けました。でも、クラウドファンディングが大成功して終わった時にどこかに違和感を覚えたんです。

上手く言葉にできなかったのですが、DANROもダンチルも大好きなのに、なんだかやる気が出なくて、そんな気持ちで参加するのは嫌で。ちょっと真面目過ぎるかもしれませんけど(笑)。でも、もしダンチルでその気持ちを抱えていなかったら、Springには参加していなかったかもしれません。

まい:3人ともDANROに何かしらか関わっていたということなんですね。同じタイミングで参加することになったのは改めて面白いなと感じました。

私はこれまでDANRO卒業生のインタビューに関わらせていただいている中で、聞けば聞くほど興味を持つようになったんです。

毎回インタビューをするたびに「こんなに変化が?」と驚きましたし、みなさん自分の弱い部分も認めてさらけ出している姿がかっこいいなと感じる反面、うらやましくも感じました。というのもどこかかっこつけようとしたり、きれいなことを言おうとしたりしてしまうがいつも存在していて。

でも、これまで「今じゃないかな」という時が続いてなかなか参加には至らず。今回、Springのキーワードが「未来」と聞いて、なんとなく直感で惹かれました。

息子が17歳でまもなく巣立つかもしれないという時期が来て、彼と人と人としての関わりを深めたいと強く感じるようになったタイミングとも重なったんです。

DANRO Springで印象に残っていること


mushi:すごくたくさんあるんですけど(笑)これがなかったら今の私がないと言い切れるのは、とあるワークのあとにあきさんと語り合う時間があったことです。確かあきさんが先にシェアしてくださったんですよね。

あき:うんうん、そうですね。

mushi:あきさんの語りを聞いたときにまず「私はあきさんほど素直に書けていない」と思ったんですよ。あきさんがすごく素直に気持ちを出してくれているのに「私、すごく失礼やん」って。

DANROワークの中でのいつもひっかかることはいつも「仕事に関して」のこと。むしろDANROに参加したきっかけでもあるはずなのに、出さない。出せない。怖いのか、自信がないのか。言っちゃうとやらないといけなくなるからか。それこそ“エッジ”がすごくて。

mushi:ワークの時間ではじめに書いたものは、あたりさわりのないことだなと心のどこかでは感じていました。でも、あきさんの話を聞いた後に書いたものにはしっかり「仕事」というフレーズが入っている。はじめて意識して出した瞬間でしたね。

今は、これまで学んだことを社会に還元したいと思い、動き出せています。あきさんとの時間のおかげだし、感謝しかない。自分一人では出せませんでした。DANROでの関係性の中で出してもらえたと思っています。

DAY5「大切な関係性の探究」

まい:そのワークは5回目のDANROだったから、そこまでmushiちゃんが出したいものが出せてなかったということなんですね!

mushi:やっぱり避けていたんですよね。私くらいの年齢になると、一仕事終えて、これからはやりたいことをやろう!とする人のほうが多い認識があって……。

でも、私はこれまで「やれそうな仕事」しか選んでこなかった。だから仕事というワードが自分の中でブレてしまう。「やっと出したね」という感覚でした。

まい: 私は参加のきっかけでもあった「よく見せようとしまう」癖というか、自分の枠は初期段階で外せました。それは毎回行われる「チェックアウト」の時間がきっかけでもあり、一番強く印象に残っていることでもあります。

チェックアウトの時、モヤモヤしている人もいれば、あきさんはすごく笑顔で「すっきりした!」と言っていて(笑)。

同じワークをしているのに感じることがこんなに違うんだとまざまざと感じられた瞬間だったし「モヤモヤしてるって言っていいんだ!」という衝撃も、私の中では大きかったんです。

DANRO Springのみんなと

まい:こういう場では前向きなことを言わなきゃと考えてしまうことがやっぱり多くて、嘘ではないけど少し良く見せたい自分が出てきて……終わったあとに少し落ち込むことも。

これまでも「どんな自分でもいい」というのはわかっていたつもりだったけれど、改めて体感として腑に落ちたのが大きいですね。その時点で生きやすくなったというのはあります。ありのままの気持ちをさらけ出してくれたみんなに感謝です。

あき:チェックインやチェックアウト、私もすごく印象に残っていますね。みなさんの話聞いていると「こんなこと言っていいんや!」と思うことすごく多くて。1回目か2回目の時間、あるメンバーが「嫌だ」って言ったのは今でも覚えています。そういう気持ちも出していいんやって思うようになって。

回数を重ねるごとに自分も素直な気持ちを出しやすくなりましたね。チェックイン・チェックアウトは、すごい良い練習だったなと思えています。

自分の気持ちを素直に伝えられる時間があると、DANRO以外の時間でも「あ、今言えるかも」とほんまに少しずつなんですけど出てきて……こうやって人って変わっていけるんだと実感しています。

mushi:練習ってすごくわかる!私は特に言語化が苦手なので……まいさんには前に話したんですけど、私にとってチェックイン・チェックアウトって「魔の時間」だったんですよ(笑)。

良いこと言わなきゃいけない、でも計画的に組み立なきゃいけないとはじめは焦っていました。でもそのうち「意味わかんないって思われてもいいや」と思いながら気持ちを出せるようになって。

すると、思った以上に受け入れてくれる場がそこにはあったんです。すると外の世界でも、自分の気持ちにまずは気づいて。そして、自分の思いを伝えようって思えるようになった。素直な気持ちをまとめられるようにもなりましたね。

まい:毎回すごく面白い時間でしたよね。そうそう「嫌だ」という言葉があったときに、ファシリテーターの世太(せいた)さんが「いいねいいね〜」と(笑)。

素直に出すことって誰かの気づきになる、勇気になるんだと思えたら、もっと素直な気持ちを外に出していいのかもしれないと思えました。

DANRO Springでの変化


あきさん:細かい部分で言ったらたくさんあるんですけど……。全体でざっくり見た時に大きいなと思うのは“自分の感情を受け入れられる”というまではいかないけれど、受け入れる体制をつくれるようになったということです。

それこそさっきの話で、自分の素直な感情は、自分の感情を受け止めているから出せると思うんです。今何を感じているのかをフォーカスするようになって、自分の感情を受け入れられるようになったらすごい楽になったというか。より自分らしくいられるようになりました。

非言語の領域をアートで表現していく時間

まい:徐々に変化していったんですか?

あき:徐々に、ですね!最初はほんまに小さいところから始まったんですよ。私少し変わったかもと気づいたのは、それこそチェックイン。今日はどんな時間にしたいかを書いて伝える時間は、話したい人から話していくっていうスタイルでしたよね。

前の私だったら、最初に発表した人のを見て「あ、私書き換えよう」とかしてたと思うんです。

mushi・まい:わかる!(笑)

あき:「あ、ちょっとずれてること書いてるかも」と思ったら、もっと真面目に書いたほうがいいのかな、と書き直すこともありました。でもそれをしなくなったことが、初めに少しずつ変わっていると気づいた瞬間です。

「ずれているかもしれないけど、このまま出してみよう」と思えるようになったんですよ。

まい:私は「嫌なものは嫌だ」と思えるようになったことです。はじめの自己紹介に「ポジティブ」と書いていました。でもDANROの期間が終わってみて「ポジティブに考えようと頑張っていた」ところが大きいのかもなと思っています。

嫌なことがあっても「成長になるから」「意味があるから」と、言い聞かせていたかもしれません。それが悪いことではないのだけれど、無理していたのかなと。「嫌だな」と思う自分の気持ちを認めてあげられていなかったなと思います。

まい:それを感じたのはメンターのnoaさんとの時間でした。noaさんが私の考えていることを代弁するかのように、気持ちを声に出して伝えてくれて。「あ、嫌だと思っていいんだ、言っていいんだ。やりたくないことはやりたくないと思っていんだ」とすっきりしました。

昔は好きなものは好き・嫌いなものは嫌いというはっきりした性格だったのに、いつのまにか“全部を受け入れないとダメ”だと自分を洗脳していた気がします。どっちでもいいのにね。それからは、あきさんのいうように「楽になった」という感覚です。

mushi:「やりたい」をひろうより「やりたくない」を拾うほうが難しいなと感じます。でも、やりたくないを拾ったときにほうがすっきりすると思う!

私は子どもと3人暮らしでご飯作りたくない日もあるんですよね。そう言う時は「ママ今日ごはんつくりたくない」と伝えるようにしています。結局つくるんですけど(笑)。

でも、口に出すことで“妥協”じゃなくて“工夫”になるんです。「カレーはレトルトにしちゃうけど、でもサラダを作ったら偉くない?私」というふうに。この2ヶ月間でそんな感覚が生まれてますね。

まい:なるほど〜!口に出せるだけで我慢している感覚が減りますね。

mushi:それから、子どもが大人になったときに気持ちを出せる状態でいてほしいんですよね。「大人もやりたくないって言ってんだ」と思ってほしいというのもあります。

あき:「出すだけで変わる」っていうのは私もすごく実感があるところです。時々会社で研修があるんですけど、好きじゃないんですよ(笑)。普段はカジュアルな服でいいのですが、その時にはスーツを着なければいけなくて、出社してピシッとしないといけないもめんどくさいな、嫌だなとどんよりしていました。

この間の研修は前日が日曜日で、家族でごはんを食べている時に愚痴とはまた違う感じで「来週の研修嫌やねんな」とひたすら言っていたんですよ。それだけで「でもがんばろうかな」と思えて。言葉に出すだけでこんなに違うんだなと驚きました。

mushi:今回は創始者の和花さんやhiroさんも参加型だったのもよかったです。普段コーチングをされている方々のパワーはやっぱりありました。教えてくれるというわけではないけれど、ガイドとして引っ張っていってくれる人の空気感を味わえたのが大きかったですね。

まい:確かに「学ぶ」ではなかったから「こうするといいよ」とかはないけれど、コーチの方々の姿を見て「こうしていけばいいんだ」と勝手に学ぶことが多かったですね。

それこそチェックアウトの際に和花さんが「モヤモヤしてる」という言葉のあとに、本当に素直な気持ちを聞かせてくれて驚きました。思い切って私もモヤモヤしていると言ってみたら「モヤモヤしてるのにスッキリしてる」というすごく不思議な状態を味わえたんです。

世太さんも「モヤモヤ最高だね〜」と言っていて「モヤモヤって最高なんだ!」と(笑)。

DANRO Springはどんな場所?

DANRO Springの旅路


mushi:参加していない状態でもずっと続いていくような、火の温もりがあるような安心を感じられた場所でした。どの時間にも、それぞれ温もりが残っているように感じています。

まい:うんうん。絶対的安心感がありましたね。だからこそ、最後の方はもうすっぴん参加できました。むしろ、すっぴんのほうがDANROでは落ち着く。それは安心感が生み出せる気持ちだなぁと。

私はリアルタイムで参加できない回もあったんですが、そんな時は大抵行きにくくなったり緊張しちゃったりすると思うんです。でもDANROにはそれが全くなかった!

mushiちゃん:親知らず抜いたあとも参加してくださっていましたもんね(笑)。それも安心感があったからかと今思いました。

まい:痛くなったら途中で抜けてもいいと思えていたからですね!結局最後までいたんですけど(笑)。

あき:私はなんとなく“シェアハウスみたいな場所”を想像していて。みんな家族ではないし、なんならはじめましての方ばかりだったけど、ひとつの建物に一緒に住んで、それぞれ自分の部屋はあるんだけど、ある時間になったらリビングに集まって……。

シェアしたいことを話す、あったかい空間がある。みんないつか出ていくタイミングはあるけれど、そこで過ごしたことはずっと心に残っている。私にとってSpringはそんなイメージです。

まい:すごくしっくりきます!Springは燃え盛るとか、熱いとかではなかったけれど、自然体で落ち着いていられるという空間でした。まだ深く話せていない状態のメンバーとも、リビングで顔を合わせているような安心感がありましたね。

あき:最後のほうのDANROでは、みんながそれぞれに話したいことをという時間もあって、すごくよかったなと思います。

mushi:こうして話すとやっぱり恋しくなりますよね。DANRO期間中は怒涛の木曜日だったので、何もない木曜日は子どもたちも「さみしい」と言っています(笑)。私のウキウキした気持ちが伝わっていたんだなと思います。DANROは温もりだから、それが子どもにも伝染していたんですね。

終了後、和花さんとの1on1でしんみりしていたら「終わってないからね!なんで終わらそうとするの!」と怒られました(笑)。

あき:もうすでに懐かしい!こんな感じだったな〜って。またみなさんで喋りましょう!


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DANROについて


「日常に対話を、対話を文化に。」をスローガンに掲げるダイアログカンパニー。私たちがともにこの世界に生きていくために、人、自然、社会など全体性を探求しながら、循環し合える空間を創造しています。
実践型対話スクール、DANRO CHILDREN、自己を探究するダイアログコミュニティの運営などを行う。その他対話を軸とした事業を展開。
HP / Instagram

インタビュアー・記事/山中麻衣
「想いをつなぐ」取材・インタビューライター。その他企業と読者をつなぐwebライティングも。公式noteは<こちら>

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