白昼夢
夏の終わり、
秋の始まり、
季節の間の夕暮れ前の溶けていく様な空の向こう側、
落下した飛行機雲
色の混ざり合う瞬間、
その一瞬に出逢うと衝動的に飛び込みたくなる。
今年も何度かあった。
一瞬、視界一面その空だけになって
映画のあのクライマックスみたいに
漕いでいる自転車がそのまま駆け上がっていくくらい重力とか天地とか全部無視して
止められなくなる。
その瞬間、
心はもう空にダイブしている。
この感覚はものすごく幸福で
光で真っ白になる。
この一瞬とも永遠とも感じられる瞬間は上手く言葉で伝えられない。
伝えられないけど
ある音楽を聴くと
どんなに曇り空でも
季節が違っても
空すら見えなくても
あの空が見えて来る曲がある。
この曲を聴いて想像してもらいたい。
空の向こう側
白昼夢の様な
そんな景色が映し出される音。
A RED SEASON SHADE
Oimiakon
2022.11.28
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