「今さら知りたい男女7人」第6回 「吾妻橋ビヤホール」の意味
「今さら知りたい男女7人」今回も「吾妻橋ビヤホール」を取り上げます。
さて、前回のエントリーで触れましたが、夏物語1話のラストで7人がはじめて一堂に会す場所が「吾妻橋ビヤホール」です。
1話冒頭 女性陣はサマーコンサートに行く予定(半分は男目当て)だったのですが、全員のチケットを持っていた桃子が予定を忘れ、仕事で沖縄へ。千明、香里、美和子は会場に行ったものの、チケットがないので中に入れなかったというエピソードが入ります。
このサマーコンサートの埋め合わせのために、千明が桃子に企画させたのがこのビアホールの合コン(※1)。なので、この合コンのホストは女性陣で、お店を決めたのも女性陣です。
6-1のシーンはお店の場所を聞いたであろう貞九郎に、良介が尋ねているシーンです。
ここで女性陣の住居と職場を列挙してみます。
千明
住居:市ヶ谷
職場:溜池山王
桃子
住居:江東区清澄
職場:フリーランスだけに不定? ただし、山の手線圏内であろうと思われる
香里
住居:横浜市金沢八景
職場:港区海岸
美和子
住居:埼玉県飯能
職場:所沢
ドラマで明示されているのは、桃子の住居、千明の職場、住居、香里の職場、美和子の職場なのであとは脚本の設定が生きていればという前提にはなりますが、20代の女性がこのお互いの位置関係で浅草から墨田川を渡った向こう側のビアホールを合コン場所として指定するかな? と思います。普通に考えたら新橋~東京あたり、美和子に気を使えば渋谷~新宿あたりでしょうね。
しかも、この「吾妻橋ビヤホール」は「外観をたまたまここで撮影しました」ではなく、シナリオに明示されていて、6-1にもあるとおりセリフにも使われています。つまり、「吾妻橋ビヤホール」というのは脚本担当鎌田さんの「指定」で、制作スタッフもそれを受けて撮影したということになります(※2)。
ドラマの中で合コンの場所を適当なところにすることはいくらでもできたでしょう。しかしそれをせず、あえて「吾妻橋ビヤホール」に7人を集めたのは、清洲橋(隅田川)を舞台にした男女の恋物語のスタートとして、意識された舞台設定だったのではないか? と思います。
ちなみに、「夏物語」、「秋物語」通して店舗での飲食シーンは数多くあるわけですが、シナリオでお店が明示されていたり、あるいは外観のカットが入って明示されているケースはほとんどありません。
まとめます
・ドラマではさらっと登場しているが、吾妻橋ビヤホールは普通に考えたらあまりない集合場所だった
・そもそも夏物語、秋物語で飲食の場所が明示されているケースがあまりない
・これらから、夏物語が清州橋(墨田川)を舞台とした恋物語として、強く意識されていたのではないか?
ということになります。
もちろん、制作サイドに聞いたら「大した意味はないですよ・・・」という返事が返ってくるかもしれませんが・・ w
なお、今後この清州橋(墨田川)を舞台とした恋物語については、ちょいちょい触れていくことになると思いますのでお楽しみに。
以上出会いの地ビアホールに関する深読みでした。
では、では、また次回
※1 厳密には、雑誌の企画で独身男性にインタビューをする桃子が、サマーコンサートの目的でもあった「(不倫をしている)香里に新しい男を見つける」ために、香里に独身男性を紹介するというもので、合コンではない。
呼ばれたのもインタビューを受けた貞九郎だけで、良介と野上は勝手についてきただけ。つまり、結果的に合コンになっただけである
※2 シナリオに書かれているのとは違う場所での撮影、シナリオにはないセリフが入っているなどは散見されます(※3)
※3 ちなみに、吾妻橋ビヤホールに女性陣3人が向かうタクシーの車中のシーン、タクシーから降りてお店に入るシーンがありますが、あれはシナリオにはありません
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