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3-8. 意外の増員

皆様、今晩は。

東京は今夜から明日まで大雨が降りそうです。

共に6月もあっという間で過ぎていますね。

今度は全く面白くない話(?)をしようと思います。

前回でも述べましたが、団体ツアーで人数確認は添乗業務の基本で命と同じ的な物です。

集合する度に、

出発の前に、

チェック!またチェック!

そして、チェック!

再びチェックです。

エピソード1

思われる最悪な場面は高速道路SA(PA)でトイレ休憩後、

数えミスでお客様を残してバスが出発することです。

ああ、

想像だけでも怖いです。((@_@))

出発したバスはバックは出来ないから…

さあ、ところが…

出発前人数を数えると…

増える(?)こともたまにはあります。

ええ?

まじ?

間違えなく42人で出発したのに

SA(PA)でトイレ休憩後、数えたら

43人!

これってもしかしてタモリさんの「奇妙な話」?

確認してみたら

全然知らない高齢者の男性方が乗っていました。

......

エピソード2

あるツアーでまたPAでのトイレ休憩…

もう出発予定時間になっても一人が足りない。

確認したら一人参加の高齢者女性方でした。

このPAはそんなに広くて複雑な所でもなかったし、

別に混んでいるわけでもない。

トイレかな…

女性方なので悪いけど別の女性のお客様にお願いして

女子トイレをみてもらってもいない。

PAだから抜けるところもない。

だが、

最後でもう一度PAの建物を確認したら

売店でうろうろしている姿が見つかりました。

「何かあったの?」

問題は…

平和というほど

平気だったということ…

エピソード3

地方からの団体お客様が東京を訪ねて観光するツアーでした。

一人参加の高齢者女性方が何となく普通ではないと感覚的に感じました。

何か無表情で無口行動は遅い

ちょっと無愛想な?

僕が気に入らないか?

浅草のホテルでランチの後、自由時間

皆様とも久しぶりの懐かしい浅草でわくわくしながら

ホテルを出かけました。

自分はホッとしてまた次の仕事をしようかと思ったら…

先の女性の方がとこも行かず、

ロビーに座っていました。

「お客様、とこか具合が悪いでしょうか?」

「......」

「どなたかと待合でも?」

「......」

......

翌日朝、幕張のホテルで朝食後、チェックアウトされたお客様たちが

続々とバスにご乗車しました。

出発予定時間が過ぎても一人が足りない。

昨日の女性方でした。

先まで目撃されたそうですが、

今はどこにも見えません。

その数分後、自分の携帯電話に一通の電話が…

「もしもし?」

「すみません、こちらは(ホテル近所の)交番です。

○○様という方を保護していますが…」

「へえ?私のお客様ですが、そちらに?」

「はい、この方が持っていたツアーパンフレットに添乗員さんの電話番号が…」

「ああ、本当に、本当に良かったです。ありがとうございます。すぐ参ります。」

ホテルから交番までは年配の方の徒歩では結構遠い距離でしたが、

不思議なことでした。

......

最後のコースは東京スカイツリーでした。

朝の騒ぎ以後は自分がマンツーマンになりました。

自分の休む時間が無くなりますが、事故、事件よりはいいのは

言うまでもないので…

スカイツリーでも昼食含め自由時間でしたが、優しい同じツアーの

他のお客様たちが一緒に付き合ってくださいました。

せっかくの旅行なのに…本当に感謝です!

いよいよバスに戻る時間。

......

またおの女性のお客様がいない!!!

最終日なので東京駅での新幹線時間が危ない!

ドライバーさんと二人で心当たりのエリアを分担してスカイツリー中を

走りながら探しました。

そして、やっとあるお土産店で見つかりました。

他のお客様たちと食後、離れたようです。

ドライバーさんに感謝です!

......

幸いに以上のエピソードどちらも

大きい事故や事件無しで済みました。

皆様、ここで感じましたか?

そうです。

認知症です。

ええ?認知症なのに一人でツアー参加するの?

そうです。一人で参加します。

家族はいない?

受け入れた旅行会社も悪いでしょう!

家族がいます。

でも、参加の申し込みする時、認知症などは一言も言わないまま

参加します。厳密にいうとだまして参加したということです。

......

自ら黙って申し込んで参加される方もいます。

そして、息子、娘、お嫁さんなど

ご一緒に住んでいる家族の申し込みで

一人で参加させる(?)事もありました。

最初は自分も信じられなく

家族の方が病状を知らず、勘違いしたと思いまして

ツアー終了後お電話しました。

ところが、相手方の反応は意外と薄かったです。

(もう知っているままでわざと送らせたという事)

かなりのショックでした。

認知症の方本人、支えるご家族の辛さは
経験者じゃないと実感できないし、
そのなりの事情もあるだろうから
何とも言えないです。

21世紀日本の悲しい現実でした。

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