Love Story#13.(貴人)
★プロローグ
A.D.26年(高句麗代武神(テムシン)王9年)高句麗(B.C.37年~A.D.668年まで約700年間存在した国)第3代皇帝代武神王(テムシン王)はまだ不安な高句麗の基盤を整う為に必死。
彼の息子であるホドンは力になり彼と大臣らの信頼を得るが彼は第1皇后でなく第2皇后からの子だった。
なので、第1皇后である延(エン)氏と彼女の幼い息子でながら腹違い弟へエル(ヘウ)、彼女らに従う右輔(高句麗最高官職の一つ)ソン・オックの一派に耐えない牽制をうける。
そして、敵国である楽浪国(ナンランゴク)の姫である崔 蓮(チェ・レン)と運命的に恋に落ちるが、厳しい現実に挫折する。
一方、楽浪国には敵が襲うと自ら鳴ってラッパが鳴る「自明鼓」(じめいこ)というものがあり小国でありながらも難攻不落の要塞であった。
★登場人物
*ホドン(19歳):高句麗第3代大武神王(テムシン王)と第二皇后金(クム)氏から生まれた王子。スマートで文武と知略まで兼備し、ナンラン姫と恋に落ちたが第一皇后延(エン)氏と彼女の一派たちの陰謀と計略に巻き込まれてしまう。
*崔 蓮(チェ・レン/17歳):楽浪国(ナンランごく)王、崔 利(チェ・リ)の娘。いわゆる楽浪姫と呼ばれる。敵国である高句麗の皇太子ホドンと恋に落ち、結局陰謀に巻き込まれ国と愛の中で選択を…
*大王(38歳):高句麗第3代皇帝代武神王。(テムシン王)本命はムヒュウル。第2代瑠璃明王(ユリミョン王)の三男で幼い頃からスマートで武芸が優れて皇太子に選ばれ王になり26年間高句麗を統治した。夫人は二人で息子は二人だった。
*皇后延(エン)氏(30歳):代武神王(テムシン王)の第1皇后。ホドンの継母。大王との中で子供がいないままで第2皇后金(クム)氏が先、男の子(ホドン)を産んでその後、男の子(ヘエル)を産んだ。ホドンが優れて皇太子になり、皇帝になるのを嫉妬しあらゆることホドンを謀略、妨害する。
*ヘエル(9歳):代武神王の次男。ホドンの腹違い弟。第1皇后延氏の息子。
*ヤン・シン(19歳) : 貫那部(カンナブ/高句麗5部の一つで初期の強力な政治派の一つ)出身で大模達。(テモダル/武官の高位階級の一つ)幼い頃からホドンの親友であり事件の鍵を握っている。
*チャン・コン(22歳): 楽浪国の上将軍。崔 蓮を間にしてホドンと恋敵になるが、決定的な場面でホドンを助ける。
*崔 利(チェ・リ/51歳):高句麗の隣小国、楽浪国(ナンランコク)の王。崔 蓮の新夫で厳しくて非情の性格所有者。
*ウル・トジ(44歳):高句麗の貫那部出身の名宰相。左輔(高句麗で国防の半分を責任する第一官職)になり、懸命で実利的な政治で大王を力になる。
*ソン・オック(39歳):高句麗の名将。右輔(高句麗で左輔と比べられる官職。国防の半分を責任する)で右輔ウル・トジと対立する人物。第1皇后延氏とヘエルを支持する。
*クェユ(?):ホドンが格別にする占い師。奇異な人物でほとんどが知られてない。予知力が優れるが、それで災いを起こす。
*華真皇后金(クム)氏:ここでは直接登場はしないけど、代武神王の第2皇后でホドンの生母。かつてホドンを産んだ直後死ぬ。
*その他:ばば、雪華
*高句麗側:宮女、大臣1,2、将校(マルゲ)1,2,3、兵士1,2、行政官、地方官、伝令、近衛将軍、巫女、声1,2
*楽浪国側:兵士1,2,3、太官(首相に当たる官職)、輿囲将軍
(字幕)西暦31年。高句麗第3代皇帝代武神(テムシン)13年
#61 .楽浪城
戦闘はもう終わり向かっている。
ホドン:(別宮、崔 蓮の居所へ飛び込んで)姫!姫!、どこにいる?
詞兄(ヤン・シン)、姫は?
ヤン・シン:皇太子様、ご心配なく…姫様は臣(自分)が安全な安鶴宮(あんはっぐん)へお供しております。さあ、一緒にご案内します。
ホドン:(ホッとした)ああ、良かった。急いで行きましょう。
♯62.皇宮
出征する大王の高句麗軍2万大軍
♯63.楽浪城安鶴宮
真っ暗で静かすぎる
先歩くホドン、崔 蓮を探す。
ホドン:姫?姫?(不安)詞兄、もしかして姫に何か起きたのでは…
ヤン・シン:(ひやっとする声で)左様でございます、皇太子様…
ホドン:?今何と言った、詞兄?(びっくりして後ろヤン・シンを振り向いた瞬間)
さっと!!!いきなり刀でホドンを振り回すヤン・シン。
ホドン:あっ!!!(ホドンの断末魔悲鳴)
不意の一撃をされたホドン、握った環頭大刀を落としながらも
本能的に体を回して避けるが、右手腕をやられ血が出る。
ホドン:(辛そうにケガした右腕を左手でくるみながら)一体、何をしているのか!
ヤン・シン:(冷たい)残念ながら姫様はここにおりません。もう自分の父の手でこの世を去ったかも…フフフ…
ホドン:(信じられない顔)あああ、どういう事?あなたの正体は…
ヤン・シン:(皮肉る)皇太子様は姫様をすぐ会えると思います。
こちらが皇太子様のお墓になります。
ホドン:ああ、あなたを幼い頃信頼したのに…貫那部へ潜入した召西奴部(ソソノブ/高句麗5部の一つで貫那部(カンナブ)と対立する政治派)の諜者(スパイ)が…ヤン・シン、お前だったのか…
ヤン・シン:もう遅いぞ…思ったより鈍感だな…お前は高句麗の皇帝席に座る資格がない!
なぜ?お前は純粋すぎる…おおよそ、帝王というのはある程度野心を持たなきゃ…特に我が国、高句麗はこれから千年も続く強国になる為には、お前みたいな馬鹿に高句麗の運命を任せるなんてありえないぞ!!
ホドン:(寂しい表情)はあ…ヤン・シン…僕がどんなにお前を尊敬して信じたのに…
一つだけ聞く…
ヤン・シン:(刀でホドンの首を狙いながら)最後として聞いてあげる、何だ?
ホドン:(ヤン・シンの顔をまっすぐ見て)今までの19年間の友情も全て嘘だったのか?
ヤン・シン:(一瞬、動揺する目)それは…違う…だが、皇后様は俺に確実な未来を約束した。すまない…
ああ、もうそろそろ皇宮から出兵した陛下の2万精鋭大軍が到着するぞ。父上に命を落とされるより19年親友からの方が後代に名誉あるのでは…
(ホドンを切る為刀を上げる)
ヤン・シン:ああっ!!!(悲鳴)
ヤン・シンの背中に刺された長い剣。
不意の襲撃にホドンをにらみながら徐々に倒れるヤン・シンの体。
ホドンを最後までにらみながら息が切れる。
ホドンもびっくりして見たらヤン・シンを切ったのは…
全身血だらけになったチャン・コン!
ホドン:ああ、チャン上将!
チャン・コン:ううう…(致命傷を受けたので気力が限界でふらふら)
最後の力を出したチャン・コン、倒れる。
ホドン:(今の事態が信じられない)チャン上将......どういう事ですか…
チャン・コン:ひ…姫が危な…
ホドン:姫?今姫はどこに?
チャン・コン:し…思慕…亭(さもジョン)うう…(最後か口から血を吐く)
ホドン:チャ…チャン上将…しっかりして!
チャン・コン:姫を…頼む…(息が切る)
ホドン:チャン上将…(しくしくと嗚咽、チャン・コンの目を閉じってあげる)たとえ、僕らは敵だったけど…貴様が貴人だというクェユの話は事実だったね…
全てを降ろして安らかに…
次の生にはきっと友人で会って、
山の上にある静かなお寺で
ゆっくりお茶一杯でも飲める様に…
ああ、姫!(チャン・コンの遺体に丁寧に自分の鎧を脱いでかぶせて思慕亭へ向かう)
<次14話は最終話となります>