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素顔の頃に見た夢を

君がもうすぐ僕の前からいなくなるって知った
雪の降り続く街で
あの日僕は何を考えながら
そして何を見つめながら
とぼとぼと歩いていたのだろう

祭りの明けた朝
クリスマスツリーをしまう子供のような

忘れかけた人の夢を見た朝
抜けるような青空を見上げたくなるような

あれから数えきれないほどやってきた春夏秋冬が
数えたくないほど過ぎて行ってしまううちに始まった仮面舞踏会
それは昨日も今日も
そして明日もきっと続くのだろう
忘れたふりをしているのが仮面なのか
忘れてないって言い切っているのが仮面なのか
もう僕にはそれすら分からなくなった
だけど時間という謎は 素顔の頃に見た夢を
僕の胸の中だけに書き残してくれた
昔のことだけど 僕は君のことが好きだった

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