見出し画像

【レビュー・要約】プロフィット・ゾーン経営戦略 真の利益中心型ビジネスへの革新

1. 手に取った背景

収益性のある事業戦略を考案するため

2. サマリー

2-1. 利益を生み出すビジネス・デザインの構成要素
企業のビジネス・デザイン(=成長するための構成要素)は4つに分類が可能。

①顧客の選択
■自社にとって最適な顧客を選択すること
・ 実質的な利益を増加できる顧客はだれなのか。
・ 利益を与えてくれる顧客はだれなのか。
・ 狙うべき“ではない”顧客はだれか。

②価値の選択
■顧客に対して報酬を得る方法(=利益を上げる方法)
・ 顧客のために生み出した利益をどう獲得するのか。
・ 自社の利益モデルとはなにか。

③戦略的コントロール
■「顧客はなぜ自社から商品を購入するのか?なぜ当社から商品を購入し“なければ”ならないのか?」という問いに対して、答えることができること。
・ 顧客はなぜ自社から商品を購入するのか。
・ 自社の提供価値を競争相手と差別化しているもの。
・ 顧客/競合にまけない戦略とは。

④事業領域
■企業の活動・提供するサービスのこと。
・ どのような製品・サービスを提供したいのか。
・ 組織内で、どのような活動や機能を遂行したいのか
・ 誰をビジネスパートナーにしたいのか。

2-2. 利益を生み出せる戦略を考える際の問いかけ
企業が成長し続けるには顧客中心主義を大切にする必要があり
「顧客は常にどのように変化しているのか?」という問いに答えることができる必要がある。そのために下記内容について考える必要がある。

・ 顧客の優先ニーズはなにか
・ 顧客を満足させるチャネルはなにか
・ チャネルに最適な製品・サービスはなにか
・ それらを生み出すための必要なインプットと原材料は
・ インプット・原材料に必要な資産、コアコンピタンスとはなにか

すなわち、「顧客にとって重要であるため、プレミア価格を支払ってよい」という考えを顧客に提供できない企業は成長しない。

そのためにも「顧客がプレミア価格を支払っても良い」という意思決定をおこなう背景にある社会・経済的背景を理解する必要がある。かつ、今後発生する“であろう”顧客の最優先事項を理解し、ビジネスデザインを作り出す必要がある。

2-3. 優れたビジネスデザインを生み出し、利益を追求できる企業の特徴
市場シェアでビジネスモデルを考えるのでなく、利益を生み出せる領域(=プロフィット・ゾーン)を理解する必要がある。

■利益を生み出すための、22の仕組み
利益を生み出すための仕組みは下記のように分類可能。

1. 顧客開発/顧客ソリューション利益
2. 製品ピラミッド利益
3. マルチコンポーネント利益
4. スイッチボード利益
5. 時間利益
6. ブロックバスター利益
7. 利益増殖モデル
8. 起業家利益
9.専門家利益
10. インストール・ベース利益
11. デファクト・スタンダード利益
12. ブランド利益
13. 専門品利益
14. ローカル・リーダーシップ利益
15. 取引規模利益
16. 価値連鎖ポジション利益
17. 景気循環型利益
18. 販売後利益
19. 新製品利益
20. 相対的市場シェア利益
21. 経験曲線利益
22. 低コスト・ビジネスデザイン利益

画像1

上記の各利益モデルを機能させるためにも、顧客のことを知る必要があり、
各問いに関して答える必要がある。

・ 最も収益性の高い顧客とは(太い客)
・ 顧客内で最大の利益成長性をもつ顧客とは(=将来金になる顧客)
・ 顧客ニーズを効率良く満たし、かつ利益成長を引き起こすために必要な投資内容とは?(=顧客の収益性を理解することにより、企業・組織は投資を合理化し、顧客にとって最も重要な技術・活動に焦点をあてることが可能)

2-4. 企業成長を目指す上での”問い”
企業成長をめざす上で、企業は5年ごとにビジネスデザインを見直す必要がある。プロフィットゾーンを再定義し、利益・価値を生み出せる新しいビジネスを常に考える必要がある。

しかし、現在抱える顧客に“固執”し企業変革をおこなうことができない企業も多く存在する。

そのため、下記の問いの順番にて経営者は企業を戦略を見直し、利益を生み出す戦略を考え、自社が取り組むべき領域(=プロフィット・ゾーン)を見つける必要がある。

1 自社の顧客は誰か
顧客の最優先事項を知ること。
Ex:過去2年間にて業界内にて成長した製品・サービスに対して、顧客がサービスを選んだ理由・価値が発生するメカニズム・価値を与えた背景(社会背景・経済背景など)

2. 顧客の優先事項はどのように変化しているか
過去・現在の顧客ニーズを時系列を追い、説明できること。

3. 自社の顧客となるべきなのは誰か
現在価値を提供している以外の顧客(業界・企業・消費者)にも、価値提供が行える顧客=(要は新しい顧客)を把握できていること。

4. 自社は顧客への価値をどうすれば増加できるか
顧客の最優先事項を把握し、顧客へ価値を生みだす方法を理解する必要がある。そのためにも、たとえばA・B・Cの3つを満たせば、顧客はプレミア価格(=最も高い利益を生み出す価格)を支払うなどの分析が必要。

そして、競合他社よりもプレミア価格を提示できるためにも、下記問いに答える必要がある。

・競争相手が満たしている顧客への最優先事項
・競争相手よりも、有利に満たすことが可能な優先事項(=差別化要因)
・競争相手よりも、低コストにて満たすことができる優先事項
・優先事項に顧客は支払うプレミア価格とは“いくら”か。
・プレミア価格を最大限にするために、顧客に同時提供できる最優先事項とは。

5. 自社はどうすれば顧客のファースト・チョイスとなれるか?
顧客の最優先事項に対して、競合・自社が提供するサービスを比較し、差別化戦略を考える必要がある。顧客の最優先事項に対して、競合・自社が提供するサービスを比較し、差別化戦略を考える。

6. 自社の利益モデルはどのようなものか
利益が生み出せる独自のビジネスモデルを考える必要がある。
高い利益を生み出せる方法を見つけるため、競合他社の成功事例を知っているのかが必要となる。
そして、経営者・組織のメンバー全員が利益モデルを理解し、高い収益達成に向けた組織戦略を練ることが重要。

7. 自社の現在のビジネス・デザインはどのようなものか
「顧客の選択」「価値の選択」「戦略的コントロール」「事業領域」の各項目を見直し、利益が生み出せる独自のビジネスモデルを作る。

8. 自社の現実の競争相手は誰か
自社が狙う、顧客の最優先事項を満たしている企業であれば、他業界の競合も競合となる。

9. 最も手強い競争相手のビジネス・デザインはどのようなものか
競合他社(別業界)との「顧客の選択」「価値の選択」「戦略的コントロール」「事業領域」を比較し、業界内の価値の流れを把握することが重要。

10. 自社の次なるビジネス・デザインはどうあるべきか
「企業の成長戦略の、顧客の最優先事項への適合可否」「過去に戦略変更を行った際に、その戦略の整合性」に対して向きあい、そうでない場合、数年後の自社のビジネスデザインを再定義する必要がある。

11. 自社の戦略的コントロール・ポイントは何か
「戦略的コントロール」にて考慮すべき点(Ex:ブランド・特許・著作権・製品優位性など)を数年後のビジネスモデルと照らし合わせて改善すべき項目を決める。

12. 自社の価値はどれくらいか
ビジネス・デザインを再定義し、「売上高利益高」「利益成長率」「資産効率」「戦略コントロール指標」「市場価値」などの各項目に対して、成長している企業を知り、他社の戦略をまねることが重要。

3. 私見

企業の提供するサービスが市場に受け入れられる背景を正確に理解する必要がある。市場の動向を見極めて、常に「利益」を追い続ける戦略、そして判断が重要。そのためにも、自社以外の企業へも目を向け、戦略を立案する必要がある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?