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ガキを働かせて食うんじゃねえ!

映画『ホーム・アローン』(1990)で泥棒退治をする主人公の少年ケビンをキュートに演じて、世界一有名な子役となったマコーレー少年を覚えているだろうか。15歳の頃には我が子の稼ぎを巡って醜い親権争いをする両親両方を訴え、自分の財産を自分で管理する権利を勝ち得たが、その時のマコーレーくんのコメントに、子を私物化する親どもは耳を傾ければよい。


「もうこれで終わり。
これからは自分でお金を稼いでね。
これ以上僕から出てくるものはないから」。


マコーレー少年はやがて青年となり、ヘロインなど薬物依存で生死を彷徨うなど(写真)、何歳で死ぬのか、悲劇はどこまで続くのか。

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彼のようなジャリタレで稼ぐステージママなどはもちろんだが、日本のお笑い芸人トータルテンボス大村はじめ、売れない芸人を中心に、子どもをユーチューブに晒して再生回数を稼いでメシを食っている大人が最近ひきもきらないという。


言語道断だ。ふざけるな。自分で稼げずに、子に稼がせるなら、芸人なんてやめちまえ。芸人どころか、人間失格である。
子どもを働かせてはならない、児童福祉の理念、日本の基本的な法律に反した、違法者(犯罪者)であろう、こいつらは。
予言しておこう。例えばトータルテンボス大村は、これから地獄のような人生をあゆむだろう、と。

もともと私は、「英才教育」と称して、もの心もつかない3つや4つの頃から親が子の進路を決めて徹底的に鍛える、プロゴルファーや野球選手やサッカー選手の親も、虐待に属すると考えている。
親たちは決まって、「俺が果たせなかった夢を」「子の将来を思って」なんて言うが、教えてやりたい。「子どもは別人格の命、お前の所有物でもなくお前が夢を追うための道具じゃねえ。自分で自分の人生を自己責任で決めていく権利があるんだよ」、と。

タイガーウッズなどの成功は「英才教育」にしかできないなどと正当化する向きがあるが、彼が父親アールの死後、いかにひどい人生となったか。若くして活躍したとしてもその後の人生をトータルに見たとき、不幸な結末になるケースが圧倒的に多い。何より、そもそも脚光を浴びるのがほんの一握り。そしてイチローやキングカズなど、物心ついてから自分の強い意志(自己責任)で努力もできた天才は圧倒的に強いし、その後の人生も素晴らしい生き方をするのだろうが、3つや4つで親にレールを敷かれた圧倒的大多数はメンタルが弱い。自分で決めたわけではない道をわけもわからずに歩いてゆき、かわいそうに、いっときの栄光すら得ることもないのだ。さて困った、と気付いた時には手遅れであることが多いのは、生き馬の目を射抜くこの競争社会の激流では当たり前のことだろう。

改めて言おう。
なぜ、親のロボットにするのがダメなのか。
タイガーを代表格とする、親の言いなりロボットたちは、人として最も大切な「自分で考え選択する」と言う能力を奪われるからである。引退後こそ無数にやってくる難局に接する時「自分で考え、自分で選択する力」がないのだから、悲劇も起こらいでか。奇跡的に我が子が若くして成功したとしたとて、その後の長い人生に訪れる悲劇は、可愛い我が子から最も大切なものを奪った己の子育ての、当然の行く末、結果として避けられまい。

子育ての基盤は、「自分で考え、自分で選択する力」をもとにした「自立力」の養成だ。そこにしかない。

親が死のうが、いや、死んだ後こそ、子が自ら幸せになる道は、その基盤の上からしか見えない。その、「道を見つける力」と「自分で見えたいくつかの道からひとつを選択し、一歩踏み出す決断と勇気」をも奪われてきたかわいそうな子どもたちの将来の本物の苦労が想像できない、無責任な馬鹿親野郎だから、そんなこと(最も大事な能力を奪うという残酷なこと)ができるのだ。

大きな声で叫びたい。
過ちては改むるに憚ること勿れ!

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