見出し画像

中之条町強盗殺人事件公判傍聴記・2023年10月24日(被告人:山本結子)

2023年10月24日

前橋地裁刑事1部合議

4号法廷

事件番号:令和2年(わ)第396号等

罪名:強盗殺人、現住建造物等放火未遂、覚醒剤取締法違反、威力業務妨害

被告人:山本結子

裁判長:橋本健

書記官:野原健志



弁護人は、眼鏡をかけた中年男性と、鼻の高くとがった青年の二人。机上に記録を広げている。

検察官は、眼鏡をかけた丸坊主の中年男性、短髪の眼鏡をかけた青年、他にも一名いたらしい。やはり、机上に記録を広げている。

証言台の周りは、衝立で遮られ、遮蔽措置が取られている。証人の要望があったらしい。

傍聴人は11人ほどで、法廷内は空席が多かった。記者席は二つあり、すべて埋まる。一つは高橋ユキさんが座る。

検察官側の関係者席に、眼鏡をかけた中年男性と、髪の短い30代ぐらいの男性が座っている。被害者遺族だろうか。

被告人は、小柄で色白、華奢な女性である。白いマスクから出ている部分は童顔だが、しかし、まなざしは鋭い。髪はベリーショートにしている。ノーネクタイの白いワイシャツ、黒い長そでのセーター、黒長ズボン、ピンクのサンダルという恰好。前を向いて入廷する。被告席に座ってからは、机上に記録を広げている。

裁判長は、白髪で眼鏡をかけた、丸顔の初老の男性。裁判官は、右陪席は美人で長髪の中年女性。左陪席は、青年であった。

衝立で、被告人用出入り口から証言台までが覆われ、証人が入廷する。

10時より、山本結子被告人の公判は開始された。


裁判長『開廷します、Tさん』

証人『はい』

山本結子被告人の元交際相手であり、殺害計画を立てられたり、家を燃やされそうになった男性である。

裁判長『生年月日、その通り』

証人『はい』

証人は、宣誓を行う。偽証罪について、注意が行われる。また、裁判長は、質問方法を説明した。検察側の証人なので、まず、検察官側の証人尋問から始まる。T氏は、小さな声で、しかししっかりと、証人尋問に答えた。


<谷検察官の証人尋問>

検察官『貴方は、被告人と交際し、つくば市内の自宅で同棲』

証人『はい』

検察官『交際相手、その前』

証人『います』

検察官『だれですか』

証人『Iです』

検察官『あなたの恋愛対象は』

証人『男女両方です』

山本結子自身も、男女両方を恋愛対象として見ていたようである。バイセクシュアル用のマッチングアプリを使っていたのであろうか?

検察官『Iさんとの関係はどうなりましたか』

証人『死別しました』

検察官『死別したのはいつですか』

証人『2019年4月です』

検察官『死別は』

証人『自殺です』

検察官『どんな』

証人『一酸化炭素中毒、車内で』

検察官『いわゆる練炭自殺でいいですか』

証人『はい』

検察官『貴方は、令和2年5月、マッチングアプリで被告人と知り合うということでいいですか』

証人『はい』

検察官『被告人と連絡取りあう』

証人『はい』

検察官『令和2年6月上旬から、被告人と同棲するようになる』

証人『はい』

検察官『同棲にあたり、犬二匹連れてくる』

証人『はい』

検察官『何ですか』

証人『柴犬と、ラブラドールです』

検察官『名前は』

証人『柴犬がリツです』

検察官『ラブラドールは何という名前ですか』

証人『ハルです』

検察官『持ち物は』

証人『被告人のです』

検察官『貴方としては、自分の犬だという思いはない』

証人『はい』

検察官『同棲時、Iさんに関して、不審なことがあった』

証人『I名義のLINE届くようになりました』

検察官『いつ』

証人『6月下旬です』

検察官『具体的な内容は』

証人『どこにいるの、最後に一度会いたい、思い出の場所草津で待っているよ、等でした』

検察官『反応は』

証人『反応は、しませんでした』

検察官『Iさんに関連して、他は』

証人『LINEのメッセージで、プレゼント中に入れてあるよと。クローゼット開けると、ブレスレットが入っていました』

ぞっとした。被告人は、T氏のことを好きだったというが、好意を抱いていた相手とは思えない悪意を感じる。なぜ、そのようなことをしたのか。

ここから先は

12,766字

¥ 700

よろしければ、サポートお願いします! サポートは、交通費などの、活動費として使わせていただきます!