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津山女児殺害事件公判傍聴記・2021年10月7日(被告人・勝田州彦)

2021年10月7日
岡山地裁第1刑事部
100号法廷
事件番号・平成30年(わ)第528号
罪名・殺人等(殺人、強制わいせつ致死、住居侵入)
被告人・勝田州彦
裁判長・倉成章

この日は、39枚の傍聴券であったが、9時25分の締め切りまでに来た傍聴希望者は31人であった。記者らしき人が、およそ半分ほど並んでいた。傍聴希望者が傍聴券に満たなかったので、当然抽選は行われず、傍聴券なしの一般傍聴となった。前日の初公判は、37枚に対し182人が来たとのことで、同じ裁判とは思えない。
この日も、締め切り時間までの間に待合室に案内されたのだが、待合室の椅子が増えているように感じられた。昨日の大量の傍聴希望者を念頭に、念のために席を増やしたのだろうが、完璧に無駄になった形だ。
法廷内は、証言台が衝立で遮られていた。出入り口と証言台も、アコーディオン式の衝立で遮られている。今日は被害者の姉が証人として出廷するが、その入廷と証言を、傍聴席から隠すためなのだろう。
この日は、記者席の指定は10席に減っており、それに座ったのは8人であった。
弁護人二人は、衝立に邪魔をされ、バーの内部へ入るのに難儀していた。この日は、遺族の入廷の都合からか、弁護人と被告人は左側の席に座るようだ。
弁護人の一人は、三浦という弁護士。痩せて眼鏡をかけた、短髪の男性である。スーツ姿だ。もう一人は、主任弁護人である、賀川進太郎弁護士である。柔らかい髪、浅黒い肌に、がっしりした体格の、中年男性。半袖のワイシャツを着ていた。
被告人である勝田州彦は、下を向いて入廷した。やや後退した髪を丸坊主にしており、刑務所で日に当たらないためか、くすんだ白色の肌であった。やや小柄で、痩せた体を、昨日と同じく、肩に白いラインの入った黒いジャージの上下に包んでいる。顔は、白いマスクでほとんど見えない。前科内容から、日野日出志のホラー漫画の悪役のような、不気味な迫力とエネルギーに満ち溢れた人物を予想していた。しかし、実際の被告人は、どちらかと言えば大人しそうな印象を与えた。
被告人は、弁護人の横へと座る。座ってからは、衝立の方を見たり、弁護人の方を見たりしていた。弁護人に話しかけられ、「うん」と幾度か頷いていた。また、何か書類を見せられ、頷いていた。その後、弁護人から長い間話しかけられ、これまた幾度か頷いていた。
検察官は、眼鏡をかけた青年、髪を短く刈った眼鏡をかけた中年男性、痩せた青年の3人らしい。後ろに、眼鏡をかけた痩せた短髪の男性と、初公判にはいなかった髪の長い若い女性が座っている。被害者参加代理人だろうか。
賀川弁護士は、衝立について「僕が見えない、三浦さんも見えない」と文句を言っていた。「机、動かしましょうか」とも言っていた。結局、新しい机を裁判官の席側にしつらえてもらい、そちらに二人で座った。
証人は衝立にさえぎられて入廷し、勝田州彦の第二回公判は、10時より開廷した。

裁判長『始めても?開廷します。証人尋問を行います。座ったままでいい。名前と生年月日はこの通りですね。これから、証人として話を伺います。宣誓を行ってください』
証人は、宣誓を行う。
裁判長『記憶にあることだけ、正直に話すと。嘘をつくと、偽証罪となる。正直に。体調悪くなったら、遠慮なくいってください』
まずは、眼鏡をかけた青年である、市村検察官が、被害者の姉の証人尋問に立つ。
被告人は、少し下を向いている。そして、衝立からやや顔をそむけるような感じで、斜め前になっていた。
検察官による証人尋問の間、法廷内の空気は重く沈鬱であり、緊張感をはらんだ静けさがあった。尋問が進むにつれ、それは質量を増していった。

<市村検察官の証人尋問>
検察官『市村から。解らない事あったら聞いてください。名前は秘匿されていますので気を付けてください。貴方は、Aさんの姉ですね』
証人『はい』
検察官『平成16年当時の事を聞きます。津山の実家に住んでいる』
証人『はい』
検察官『母、父、姉、弟と住んでいる』
証人『はい』
検察官『当時、高校生』
証人『はい』
検察官『平成16年9月3日、朝から学校へ行きましたね』
証人『はい』
検察官『いつ頃学校を出た』
証人『3時15分ぐらいです』
検察官『午後ですか』
証人『はい』
検察官『その日、どこかに寄りましたか』
証人『まっすぐ帰りました』
検察官『何を使って通学していますか』
証人『自転車です』
検察官『どれくらいかかりますか』
証人『20分ぐらいです』
検察官『それくらいかかる』
証人『はい』
検察官『午後3時35分ぐらいに家に着いた』
証人『はい』
検察官『自転車は』
証人『敷地内に置きました』
検察官『それで』
証人『玄関から中に入りました』
弁護人『ちょっと聞き取りにくい』
裁判長『マイクを近くに。なるべく大きな声で』
証人『はい』
検察官『玄関から中に入った』
証人『はい』
検察官『カギは』
証人『開いてました』
検察官『扉は』
証人『しまっていました』
検察官『それで』
証人『居間に入りました』
検察官『どこにありますか』
証人『入ってまっすぐの部屋です』
検察官『甲71号証を示します。この見取り図、家の前の図面』
証人『はい』
検察官『居間は』
証人『ここです』
検察官『八畳居間、ここのこと』
証人『はい』
検察官『居間に入ると中はどうなっていましたか』
証人『妹が、横になっていました』
検察官『Aさんのこと』
証人『はい』
検察官『妹さんが横になっていたのは、どこですか』
証人『棚と机の間です』
検察官『どこの棚』
証人『TVの横の棚です』
検察官『甲71号証を示します。棚は、この写真の中に』
証人『はい』
検察官『どれですか』
証人『これです』
検察官『TVの横の茶色い棚』
証人『はい』
検察官『妹さん、棚と机の間の横と。机は』
証人『真ん中あたりです』
検察官『どんな』
証人『座って使う低い机です』
検察官『写真37と38を示します。37と38にうつっている机があった。この写真の机』
証人『はい』
検察官『居間の真ん中にある』
証人『はい』
検察官『妹さんの向きは』
証人『TVの方に頭があって、台所の方に足がありました』
このあたりから、証人は涙声になっていた。
検察官『うつ伏せ?』
証人『うつ伏せです。』
検察官『体か』
証人『体、胴体です』
検察官『顔の向きは』
証人『棚のある方に顔は向いていました』
検察官『甲71号証に、当時の状況、書き入れてもらおうと思います。八畳居間の図』
証人『はい』
検察官『棚は』
証人『これです』
検察官『サイドボードと書かれたもの』
証人『はい』
検察官『机置いてあった位置、青いペンで書き入れてください』
証人は、書き込んでいるらしい。
検察官『机と書いた位置にあると、妹さん、人型でいいので、書き入れてください。下の下に丸く書いたの、頭。そのうえ側に胴体あり、二本の線が足』
証人『はい』
検察官『妹さん発見した状況について、平成16年9月当時、再現の説明できましたか』
証人『はい』
検察官『甲写真2を示します。この写真、平成16年当時、妹さん発見したもの』
証人『はい』
検察官『向きはこの写真の通り』
証人『はい』
検察官『そのあと、妹さんを見た後、貴方は?』
証人『窓を開けました』
検察官『なぜ』
証人『暑かったからです』
検察官『どこの窓』
証人『居間の窓です』
検察官『図を示します。どれになりますか?』
証人『これです』
検察官『図の一番下のところ、そこが窓』
証人『はい』
検察官『どこを開けた』
証人『こちら側です』
検察官『右側の方』
証人『はい』
検察官『カーテン、開いていた』
証人『開いていました』
検察官『窓を開けて』
証人『振り向いて、呼びかけました』
検察官『どのように』
証人『名前を呼びました』
検察官『Aさんに対して』
証人『はい』
検察官『反応は』
証人『なかったです』
検察官『どうしましたか』
証人『近寄って揺さぶりました』
検察官『Aさんの背中の様子は』
証人『赤くなっていました』
検察官『それで、近寄って揺さぶる』
証人『はい』
検察官『様子は』
証人『何も答えませんでした』
検察官『背中が赤いのは』
証人『はい』
検察官『何でしたか』
証人『血でした』
検察官『それで』
証人『母を呼びました』
ここでも、涙声になっていた。
検察官『お母さんをよんだ』
証人『はい』
市村検察官は、次の質問までにちょっと間を置いた。証人は泣いている様子だった。
検察官『大丈夫?』
証人『・・・はい』
裁判長『落ち着いてからで構いません。大丈夫な時に合図して』
被告人は、これまでと変わらず、衝立からやや顔をそむけるように斜め前になり、少し下を向いていた。
証人『大丈夫です』
検察官『お母さんは答えましたか』
証人『いいえ』
検察官『で、お母さんは』
証人『いませんでした』
検察官『それで』
証人『母に電話しました』
検察官『応えたのは』
証人『妹が倒れているので、早く帰ってほしい、と言いました』
検察官『それで』
証人『隣のお宅に行って、呼ぶように言われました』
検察官『誰を』
証人『隣のおばさんを』
検察官『証人は』
証人『呼びに行きました』
検察官『どこに行った』
証人『東隣です』
検察官『まず何をした』
証人『ピンポン押して、呼びました』
検察官『おばさんは』
証人『出られませんでした』
検察官『で』
証人『反対の西隣に行きました』
検察官『それで』
証人『いませんでした』
検察官『証人は』
証人『家に戻りました』
検察官『お母さんは戻る』
証人『はい』
検察官『それで』
証人『妹に近寄り、呼びかけました』
検察官『電話は』
証人『救急車を呼びました』
検察官『妹さんの背中以外を見ることは』
証人『おなか側は見ました』
検察官『どうでしたか』
証人『赤くなっていました』
検察官『その後、覚えてることは』
証人『ずっと呼びかけました』
検察官『家に来た方は』
証人『隣のおばちゃんが来てくれました』
検察官『どこの』
証人『東隣です』
検察官『で、救急車が来た』
証人『はい』
検察官『それで、運ばれていく』
証人『はい』
検察官『窓にカーテンを閉めて生活していた?』
証人『開けていました』
検察官『外出時は』
証人『開けたままです』
検察官『この事件の犯人への気持ちは』
証人『妹はいないのに、何で生きているんだろうかと思います』
涙声であり、聞き取りにくかった。この時、泣き出した。被告人は、特に反応を見せなかった。
裁判長『最後、聞き取りにくい』
検察官『妹がいないのに、なぜ生きているのかと思います、と言いました。大丈夫ですか?確認は』
裁判長『一応、確認を』
検察官『聞き取れなかったので。妹いないのに、なぜ生きているのか、と』
証人『はい』
ここで、被告人は衝立の方を、ちらりと見た。

裁判長『いったん休廷にします。裁判員、下がります』
休廷明けに、弁護人の証人尋問となる。弁護人の尋問時間は、20分ほどとのこと。10時38分から11時まで、休廷となる。
被告人は、証人尋問の間、表情などに変化は見せなかった。やや下を向いて、退廷した。
そして、やや下を向いて再入廷した。弁護人の横に座ってからは、先程と同じように、衝立からやや顔をそむけるような向きで、斜め前へ向いていた。開廷前、宙を仰ぐなどしていた。
裁判長『再開します。大丈夫ですか?』
証人『はい』
痩せた眼鏡をかけた、三浦弁護士による証人尋問が行われる。証人は、前後の細かいこと、後の検証については、記憶の欠落が多いように思えた。
被告人は、体を斜め前にし、やや下を向いて、証言を聞いていた。反応を見せることはなかった。息が荒く見えることもあったが、特段興奮する場面でもなかったため、これが普通らしい。

<三浦弁護士の証人尋問>
弁護人『三浦から質問します。前を向いて、簡潔に答えてください。つらい記憶にふれるかもしれないが、ご了承願います』
証人『はい』
裁判長『マイクを伸ばしてください』
弁護人の声がやや小さかったため、裁判長が言う。しかし、弁護人のマイクは伸びなかった。
弁護人『当日、被害者が発見された状況について、お尋ねします。窓を開けて、それから、被害者に呼びかけをして、血のついていることに気付いた』
証人『はい』
弁護人『母に電話をした』
証人『電話をする前に、叫んで確認しました』
弁護人『両隣に来てもらうようにと』
証人『はい』
弁護人『母が来るまでの時間は』
証人『時間は解らないです』
弁護人『すぐではないですね』
証人『出るのはすぐと。そうすぐでは・・・』
弁護人『5~10分』
証人『はい』
弁護人『被害者、脈ないの解ってた』
証人『そうですね』
弁護人『救急車呼ぼうとは?責めてるわけではないです』
証人『パニックになって、それどころではなかったです・・・』
弁護人『それぐらい動転していた。両側の窓を開けた』
証人『はい』
弁護人『カーテン開いていたのは確か』
証人『はい』
弁護人『カーテンの枚数は』
証人『レースのカーテンと、普通のカーテンの、二枚』
弁護人『二重カーテン』
証人『朝開けて、夕方しめるまでは、ずっと開けてました』
弁護人『開いてたの、セパレートになって、窓の横に寄せる』
証人『はい』
弁護人『わけられてた?』
証人『そこまではっきり・・・』
弁護人『おばさん、東隣の人来たきっかけは』
証人『声は聞こえると思うんで、叫ぶし、泣いてるし、来てくれたと思うので』
弁護人『やりとりは』
証人『その日?ないです』
弁護人『どうして来た?隣のおばさんがやって来たきっかけ、声聞こえて?』
証人『予備にはいってないと思うんで、母も私も、隣の敷地から見えるから、来てくれたと』
弁護人『呼んだことは?』
証人『おばさんですか?』
弁護人『平成16年9月14日、供述してる。やり取り記憶は』
証人『はっきり覚えてません』
弁護人『書面要旨、示します』
裁判長『仰っては』
弁護人『貴方の調書によると、おばちゃんがバイクで帰宅したのが見えたので、被害者が大変なんです、と叫んだとある』
証人『記憶にないです』
弁護人『平成16年9月14日付の実況見分調書、あるので、そちらの15番目の写真、示します』
裁判長『趣旨は』
弁護人『記憶喚起。写真のみ。これ、貴方、隣のおばさんに呼びかけしている』
証人『思い出せないです』
弁護人『それから、見分調書示しているので、警察の前で記憶に基づいて再現した』
証人『今の記憶にはないんですが、当時そうやって話をしていたら、それが』
弁護人『窓を開けるしぐさしている。記憶は』
証人『ないです』
弁護人『4番の写真を示します。これ、掃き出し窓を開けた状況を再現している。カーテン開いている』
証人『したこと自体覚えてない・・・』
弁護人『開いているか否か。開いてないですね』
証人『はい』
裁判長『写真4を示しましたか?』
弁護人『外見えますか』
証人『その写真は見えないです』
裁判長『白いものは?』
証人『普段閉めないけど、台風来たときに閉める、雨戸です』
弁護人『そうであれば、必ずしも正確に再現していないのでは?』
証人『・・・』
弁護人『議論になるのでやめるが、雨戸閉めて再現した』
証人『はい』
弁護人『カーテンは』
証人『他の部屋も昼間に開けて』
弁護人『間違いない』
証人『はい』
弁護人『おばあさんの部屋は』
証人『おばあさんの部屋は外から見えるので、レースのカーテンぐらいは閉めていた。おばあさんの部屋私は入らないので』
弁護人『他の部屋は』
証人『記録は・・・』
弁護人『記憶喚起のため、甲1号証の写真45,46を示します。カーテンしまっているね』
証人『はい』
弁護人『お父さん使う、南東の七畳間は?』
証人『カーテン開いているか否か覚えていない』
弁護人『甲56号証示します』
証人『レース』
弁護人『まあ、必ずしも、当日、カーテン全て開いていないと思う。今回の現場、今も外からは見えるのでは』
証人『見えますけど、普段、その部屋にみんないるんで、何でかあの部屋はいつも開けています』

<主任弁護人賀川の証人尋問>
弁護人『一点だけ。先ほど、貴方帰宅されて、今回の被害に遭ったことを聞いたけど、最初に見た状況、警察の捜査官に話したけど、印象残ってたのは』
証人『入った瞬間に・・・』
弁護人『アレって』
証人『妹が寝てたこと』
弁護人『貴方、9月14日の供述で、飴の話は』
証人『今の私の記憶にはないです』
弁護人『飴の中身散らかっていた記憶』
証人『今の私にはないです』
弁護人『飴どこかに置いてあった』
証人『今の記憶にはないです』

<市村検察官の証人尋問>
検察官『二点ほど。記憶ないの何点かあったが、自分の記憶通りに再現していますね』
証人『はい』
検察官『雨戸しまっていたけれど、いつも閉めている?』
証人『動かしもしないです』
検察官『発見した日は?』
証人『閉まってないです』
検察官『以上です』

<主任弁護人賀川の証人尋問>
弁護人『一点聞きます。窓の話出てくる。窓開けたと。網戸は』
証人『いらった記憶はないです』
弁護人『網戸は設置している』
証人『はい』
弁護人『網戸を動かした記憶はない。ガラス戸で、右から左へ動く』
証人『左から右です』
弁護人『はい。その時、網戸あったかなかったか記憶は?解らないという記憶で?』
証人『あったかもしれないし・・・』
弁護人『解らない』
証人『はい』

裁判長『よろしいですか?一旦ここで休廷します。次は、裁判所から、あったら。再開は50分で良いですか?45分再開とします。一旦休廷します』
11時25分から、45分まで休廷となる。
被告人は、縄をかけられ、そのまましばらく在廷した。その後に退廷したらしい。
再入廷は、やや下を向いていた。田川弁護士に話しかけられ、何か耳打ちされていた。それに「うん、うん」と相槌を打っていた。
そして、被害者の姉が入廷したらしく、出入り口までの衝立はしまわれた。
裁判長『再開します。裁判所から少し』

<2番裁判員の証人尋問>
裁判員『お姉さん、玄関のカギ開いていると。それは普通ですか』
証人『大体が開いています』
裁判員『もう一点、自宅前の道路、こちら、近所しか通らないのか、知らない人も良く通るか』
証人『トラックとかそういうのも通ります。大きい道路の抜け道として使っている車が多いです』
裁判員『車多いけど、人は、近所の人が多い』
証人『はい』

<3番裁判員の証人尋問>
裁判員『駐輪スペースは』
証人『東側です』
裁判員『東側に止めた時、違和感は』
証人『とくには』

<5番裁判員の証人尋問>
裁判員『当日、家に帰り、暑くて窓を開けたと。居間の窓のカギは?』
証人『窓のカギまでは覚えてないです』
裁判員『いつもは』
証人『基本的には開いているか、出るときは、鍵を閉めて出る』


<裁判官の証人尋問>
裁判官『Aさん発見時について。帰宅して、八畳間に入って、臭いは』
証人『臭いは記憶にないです』
裁判官『明るさはどれくらい』
証人『よく・・・』
裁判官『暗かった?』
証人『そんな記憶はない』
裁判官『明るさは』
証人『多分一緒と思います』
裁判官『窓開けるまで、赤くなっていることや、血は、気付かない』
証人『ねとるわ、ぐらいしか思わなかったので』
裁判官『寝てると。来てた服はどんな服?』
証人『学校に行く制服です』
裁判官『色は』
証人『上が白で、下のスカートが紺色』
裁判官『以上です』

<高橋裁判官(女性)の証人尋問>
裁判官『一点。二階が部屋』
証人『はい』
裁判官『一階の部屋だと、出入りしてた部屋は』
証人『居間、台所、ふろ、トイレ、台所の一つ奥の部屋、でないと階段がないので』
裁判官『居間は家族が使う』
証人『はい』

検察官、弁護人は、質問がないとのことであった。

<裁判長の証人尋問>
裁判長『Aさんを発見した時、弟さんは』
証人『中学生なので、中学です』

<主任弁護人賀川の証人尋問>
弁護人『一点だけ。Aさん、寝ていると思った』
証人『はい』
弁護人『これ、普段から。証人が帰って来た時、寝てることは』
証人『ないです』
弁護人『その日は』
証人『こんなことになってると思ってないので』
弁護人『普段は寝てない』
証人『はい』

裁判長『以上です。ありがとうございました。ちょっと準備するので、お待ちください』
11時55分に休廷となる。午後は13時10分より開廷。
被告人は、相変わらず斜め前を向いていた。閉廷とともに、縄をかけられる。
午後、衝立は完全に取り払われていた。弁護人二人も、席を隅の方から、移動していた。
午後の開廷前、弁護人二人はゼスチャーを交えて何事か話し合っていた。また、がっしりした体格の検察官が弁護人に話しかけていた。
被告人は、少し下を向いて入廷した。刑務官が「裁判長、よろしいか」と確認し、手錠と縄を外した。その後、被告人は弁護人に何か話しかけられていた。
裁判長『再開します。午後は証拠調べ。まず検察官の方から説明を』

<検察官の証拠説明>
証拠の説明をしたい。
甲70号証、捜査報告書。内容、Aさん通学の小学校、自宅が記載された地図の内容。図面の上、被害者方、Aさんの下校状況が記載されており、中国自動車道が書かれている。
甲9号証、捜査報告書。Aさんの下校経路、明らかに。1枚目、先程の事実と同じもの。Aは、画面右下の小学校から下校。午後2時43分ごろ、Aさんの同級生の母親が、Aさんに声をかけている。午後14時45分ごろ、Aさんの同級生の母が、Aさん、小学校の校門から出るところを目撃している。B地点三叉路で、Aさんは一緒に下校していた同級生と別れている。午後2時50分ごろ、同級生の母親が、直進するAさん、現認している。B地点、AさんとAさんの姉を知っている女性が、Aさんが下校される所を現認されている。E地点の現認者は、明日証人尋問を行う。目撃情報、オレンジ色の線に従い下校した。午後14時45分ごろ、同級生と二人で下校した。B地点で同級生と別れ、自宅まで進行した。郵便局で左折。中国自動車道のガード下を抜けて、15時15分ごろ帰宅した。

ここで、弁護人は、検察官がパワーポイントで使っている図を使いたい、と述べる。これ自体を証拠として出しては、とも述べる。そして、甲73号証として、パワーポイントの図を請求することとなる。二枚目も、甲73号証として請求することとなる。

<弁号証説明>
弁124号証、平成30年9月10日付の司法警察員作成の捜査報告書。平成16年9月3日、15時03分ごろ、被害者方西側交差下の所で、明日の証人が、被害者を目撃したというもの。小学六年生、小学四年生の姉妹の児童二人がいる。姉妹、平成16年9月3日、姉妹の母親が次男を出産し、津山市山北から通学しており、高架下を通って下校していないことを証明した。②が被害現場。この事件発生時、姉妹は母の実家から登下校しており、高架を使って下校していない。被害者の通っていた小学校の通学路、被害者のほかの交通者、姉妹二名。しかし、犯行時、被害者以外に高架下を通る児童はいない。不審者とともに通過したのは被害者ということを証言している。以上124号証。
弁128号証、平成30年1月30日付捜査報告書。被害者と不審者を目撃した直後に、津山タクシーを目撃している。そのタクシーを特定した、津山タクシーの目撃について、という資料。15時03分ごろに走行したタクシー一台を特定した。他にタクシーはない。15時03分に目撃したと明らかになった。
弁51号証、事件二年前、平成12年12月3日に被告人の交付された免許。顔写真ついている。
弁52号証、平成29年12月24日付、タメヒサマサノリによる免許写真入手についての報告書。9月3日に近い日の免許の写真を入手した経緯。
弁53号証、平成16年9月5日付、津山署長作成、似顔絵の作成。明日の証人により、似顔絵を作成した。このような似顔絵作成。平成16年9月3日に、西60m路上で、小学生の女児を見てニタニタしていた。年齢は30~35歳。身長は170―175センチ。中肉、目は細い、髪は黒い。以上。
裁判長『今日の証拠調べは以上。明日10時より、目撃者の証人尋問を行う。今日はこれで』
14時まで予定されていたが、13時32分に第二回公判は終わった。
閉廷後、被告人は弁護人に話しかけられ、「うん」と頷いていた。やや下を向いて退廷した。

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