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中之条町強盗殺人事件公判傍聴記・2022年9月15日(被告人・山本結子)

2022年9月15日
前橋地裁第一刑事部合議係
1号法廷
事件番号・令和2年(わ)第396号等-1
罪名・威力業務妨害
被告人・山本結子
裁判長・橋本健
書記官・小林光彦

この裁判は、中之条町強盗殺人事件の、区分審理である。
中之条町強盗殺人事件とは、主犯格の山本結子が、共犯者のK・Oを複数のSNSアカウントを使って操り、強盗殺人を実行させた事件である。K・Oは、強盗殺人実行犯としては異例の懲役30年を求刑され、懲役27年を言い渡され、確定した。事件への真相解明と、山本に操られたことが、考慮されたのだと思われる。
傍聴券の交付はなく、13時に、一般傍聴人は入廷を許された。
傍聴席は、全部で39席とのことであった。16人が座った。
検察官は、くせ毛の中年男性、髪の短い眼鏡の中年男性、髪を短く刈った眼鏡の痩せた中年男性の三名。青いファイルを机の上に広げ、書類に目を通していた。
被告人は、髪を前髪のないベリーショートにした、やや小柄な30代の女性だった。色は白い。ノーネクタイの白いワイシャツ、黒いセーター、黒長ズボンという出で立ち。しかし、中でも印象に残ったのは、その眼差しの鋭さだ。傍聴席の方に鋭い一瞥をくれて、被告席に座る。座ってからは、青いノートを読んでいる。弁護人が来るとノートから顔を上げるが、暫くするとまたノートに目を落とした。
弁護人は、眼鏡をかけ、柔らかい髪の、眉の濃い中年男性。PCとIPADを取り出して、机の上に並べる。
裁判長は、白髪の、眼鏡をかけた初老の男性。裁判官は、髪を後ろで束ねた痩せた中年女性と、柔らかい髪の青年。
こうして、13時10分、山本結子の区分審理初公判は開廷した。

裁判長『それでは開廷します。被告人、真ん中の席に移動して、椅子に座ってください』
被告人は、被告席から立ち、証言台の椅子に座る。
裁判長『名前は何といいますか』
被告人『山本結子です』
小さめの声だったが、弱々しさを感じさせない口調だった。
裁判長『生年月日は』
被告人『平成元年11月23日です』
裁判長『本籍は何処ですか』
被告人『埼玉県久喜市鷲宮(略)です』
裁判長『住所は何処ですか』
被告人『基本的には一緒です、最期に一が付きます』
裁判長『職業は何ですか』
被告人『無職です』
裁判長『本日は、貴方に対する威力業務妨害の審理を行います』
被告人『はい』
裁判長『検察官が起訴状を読みますので、聞いていてください』

<公訴事実>
被告人は、Nと共謀のうえ、令和2年2月4日ころ、佐賀市内において、群馬県吾妻郡(略)所在の、原町赤十字病院に対し「殺人予告、黒岩タカヒロの不祥事により、あなた方原町赤十字病院に入院している重篤患者を無差別に抹殺していく」などと記載した手紙を投函し、同月13日、前記原町赤十字病院において、同日、同病院職員に対し、同日から同月27日までの間、同人をして、警察庁の、周辺の警官活動を行わせ、同病院の職員を正常な業務に支障を生じさせ、持って威力を用いて、業務を妨害したものである。
罪名及び罰条・威力業務妨害

裁判長『今読まれたことについて、審理を行います。貴方には黙秘権がある』
被告人『はい』
裁判長『ずっと黙っていても構わない。質問に答えたければ、答えることは自由だが、答えたことは、全て証拠となる。その点は気を付けてください』
被告人『はい』
裁判長『いいですね。そのうえで、検察官の公訴事実で違っている点は』
被告人『私はNと一緒になって、脅迫文を送った事実は一切ありません』
きっぱりとした口調で否認した。
裁判長『弁護人は』
弁護人『Nと共謀した事実はありません』
裁判長『Nが記載の犯罪をやったことは争わないと?』
弁護人『はい』
裁判長『貴方もそれでいいですか』
被告人『はい』
裁判長『では、元の席に戻って』
被告人は、被告席に、手をぶらぶらさせながら戻る。
検察官の冒頭陳述が行われる。

<検察官の冒頭陳述>
検察官が証拠によって証明しようとする事実は、次のとおりです。
第一・犯行に至る経緯等
被告人は、令和元年7月ごろ、SNSを通じて、Fと知り合い、Fと交際するようになりました。被告人は同年8月20日、吾妻警察署に対し、一緒にいる友人が覚せい剤を所持しているとのことで、Fを伴って警察署を訪れた上、対応した警察官に対しFが覚せい剤を持っていると申立てた。警察官はFの所持品を捜索したところ、覚せい剤が発見されるとともに、同人の尿から覚せい剤成分が検出されたことから、同人は覚醒剤自己使用の疑いで逮捕されました。その後、Fは、同年9月8日、さらに覚せい剤の所持の疑いにより再逮捕されましたが、身に覚えがない旨申立て、同月30日に釈放されました。
黒岩タカヒロ警察官が、Fの取り調べを担当した。黒岩警察官は、Fの取り調べに際し、同人に対し、被告人との関係を断った方が良い旨の助言をしました。Fは釈放後、黒岩警察官の助言に従い、被告人が使用していたLINEやツイッターのアカウントを消去しました。
他方被告人は、Fが逮捕された後、警察官に対し、Fが所持していた覚せい剤は、被告人が覚せい剤の密売人から購入し、それをFに渡した旨申し立てたことから、同年9月8日、氏名不詳から覚せい剤を譲り受けた疑いで逮捕されました。その後、被告人は同月27日、窃盗詐欺の疑いで逮捕されましたが、同年10月19日に釈放されました。
被告人は釈放された後、ツイッターでユノンなるアカウントを使用し、被告人であることを秘して、Fと連絡を取りました。被告人は、Fと連絡を取りあう中で、同人の取調官が黒岩警察官であった事、黒岩警察官が被告人と関係を断った方が良い旨の助言したことを聞かされ、黒岩警察官に恨みを抱くようになりました。
被告人は同年11月ごろ、出会い系アプリを通じて、Nと知り合い、同人とLINEでやり取りをするようになりました。Nは被告人と直接会ったことはなかったものの、LINEでやり取りを重ねるうちに、被告人に対して好意を抱くようになりました。被告人は、Nが被告人に好意を抱いていると認識するや、同人を利用して、黒岩警察官に復讐をしようと考え、同月下旬から、同年12月にかけて、Nに対し、LINEで黒岩警察官に嫌な目にあわされたことや、仕返しに協力してほしい旨申し向けて、仕返しに協力することを求めました。Nは被告人の説明を信じ、黒岩警察官への仕返しに協力するようになりました。
そして、被告人は、黒岩警察官への仕返しの方法として、同人に対する脅迫文を送るだけではなく、入院患者などを殺害するという殺人予告文を送ることによって、各施設から同署に通報するような警察沙汰になるようにし、同署内での黒岩警察官の立場を窮地に追い込もうと考え、Nに対し、LINEで指示しました。また、被告人は、黒岩警察官や各施設に対する脅迫文及び殺人予告文を送付するにあたり、事前に脅迫文及び殺人予告文の文面案を自ら作成し、これをLINEでNに送り、Nに対し、文面案のとおりに殺人予告文を作成するように指示しました。Nは、同年12月ごろから、被告人の作成した文を清書し、脅迫文及び殺人予告文を作成し、それを黒岩警察官及び、施設に送ることを繰り返すようになりました。
第二・犯行の状況等
被告人はNに、原町赤十字病院に、殺人予告文を送るように指示しました。被告人は、本件殺人予告文の文面案を作成し、それをLINEでNに送りました。殺人予告文を作成するように指示しました。Nは、文面案を手書きで清書して、殺人予告文を作成し、LINEで被告人の確認を受けたうえで、同年2月4日ごろ、佐賀市内の郵便ポストから、本件殺人予告文を投函しました。本件殺人予告文は、同月6日に病院に郵送されました。本件病院の総務課長らはそれを閲読し、職員に対し、不審者や不審物に警戒させるとともに、本件病院の出入り口を3時間早めるなどした。この一連の対応は、同月27日頃まで続きました。
本件病院から通報を受けた吾妻警察署の警察官は、同月7日から27日までの間、のべ79人の体勢で、警戒に当たりました。
第三・その他情状等

続いて、弁護人の冒頭陳述が行われる。弁護人の冒頭陳述は、要領を得ず、聞き取りにくかった。頼りなさを感じた。

<弁護人の冒頭陳述>
弁護人が証明しようとする事実は以下のとおりであります。
本件につきまして。まず初めに、検察官は、共犯者であるNの恋愛感情を利用して、操ったとする。しかし、それは違います。被告人がNに依頼したのは脅迫文ではなく、前科等の個人情報を勝手に他人に漏らすとんでもない警察官がいることを世間に知らしめるための文書でありまして、脅迫する文言を書いていない。
第一、Nとの関係。
Nと知り合ったのは、令和元年11月ごろ。被告人は、交際の申し込み、互いの事を知るために友人から、と恋愛の傷をいやすために言った。被告人はNに対し、個人情報を勝手に他人に話すあり得ない警察官がいる、と話した。するとNは、「俺が力になってやる」「警察官がそんなことを言って良いのか、許せない」と同情した。Nとともに、文書にしてばらまくことで、世間に知らしめようとした。
吾妻書の警察官には、黒岩という個人情報を勝手に漏らすとんでもない警察官がいる、という部分は被告人が書き、後はNが作成した。
殺人予告は、確認した時はなかった。
文書の送付場所については、全部で15か所の施設を送付場所として挙げたが、送付はNに任せており、どこに送ったか、原町赤十字病院に送ったか、十分に認識していなかった。
2月下旬、Nから、警察が来たと言われた。その後、Nの母から「警察に被害届を出す」などいろいろ言われ、不快に思って連絡を絶った。
脅迫文の作成送付は、Nが独断で行った。
被告人が、Nの協力によって、黒岩への恨みを晴らそうとしたのは事実です。令和元年、黒岩と出会った。覚せい剤取締法違反で逮捕された時に会った。
黒岩は、被告人が任意で提出していた携帯を勝手にいじり、「何だこれ」となど言いながら、携帯を被告人の横に置いた。黒岩は、被告人と松本が交際していることを知っていた。松本は吾妻署の警察官。黒岩は、前科があり服役歴のある被告人が交際していたということを、不快に思っていた。
被告人、Fと行動を共にしていたOに、被告人が前科あり服役歴のあることを話し、保険証をとったのも被告人と話した。被告人は前科があることに大変なコンプレックスを抱き、黒岩が被告人とのかかわりを断つように言ったこと、前科の事を話したことに、怒りを抱いていた。
松本と別れたことにより精神的に不安定になっており、SNSと知り合ったYと行動を共にしていたところ、黒岩は、「警察の世話によくなる奴だから、関わるな」とYに言った。このように、黒岩は被告人と関わる人間に、関係を絶たせようとしており、被告人は、強い怒りを感じ、黒岩を強く怨むようになった。
Nと共謀したのは、文書を作成し、バラまくことである。殺人予告は、Nが付け加えた。共謀はない。
以上。

裁判長『公判前整理手続き結果。5回目から15回目整理手続き調書のとおり。威力業務妨害事件だけについて、区分審理を行い、部分判決。その後全体の事件。威力業務妨害事件について、Nさんが公訴事実のとおり、原町赤十字病院に脅迫文を送付したことに争いはない。争点は、関与の有無。採用書証、本日取り調べる。証人5人、被告人質問。本日、証人二名を調べる。22日、29日、10月13日を指定している。判決期日は、10月13日の論告弁論の後に指定する。11月17日になると。甲169号証拠~180、230、231,240、乙21号証、取り調べを』

<検察官側の要旨の告知>
甲169号証、発覚の端緒。原町赤十字病院からの通報について。令和2年2月6日午前10時35分頃、原町赤十字病院職員から、吾妻警察署に、本件脅迫文が届いたと通報があった。
甲170号証、本件殺人予告文の封筒と、脅迫文。題名に殺人予告と記載されている。「吾妻警察署の刑事に黒岩タカヒロという人物がいる。俺の大切な彼女を傷つけた張本人だ。黒岩タカヒロの行為により、貴方方、原町赤十字病院に入院している重篤患者を無差別に抹殺していく。これを止めたいのならば、吾妻警察署の刑事課、黒岩タカヒロに、彼女に謝罪しろと伝えろ」などと書かれている
甲171~173号証、原町赤十字病院の警戒状況。令和2年2月3日に本件殺人予告文を確認し、殺人予告文の郵送を職員に伝え、不審人物発見した時には、すぐに伝えるよう指示した。緊急外来の施錠状態を通常よりも3時間早めて施錠した。その対応は2月27日まで続いた。
甲174号証、原町赤十字病院に対する吾妻警察署の警戒状況についての証拠。2月7日から2月27日にかけて、延べ97人の警察官が駐留警戒。病院内への立ち入り警戒を行った。
甲175号証、本件殺人予告文の封筒の切手から採取したDNA型と、NのDNA型が一致した。
甲176号証~178号証、筆跡関係。本件殺人予告文の封筒の筆跡とNの筆跡が同じと推定される。
甲179号証、長北という消印押されている郵便物があるポストの設置場所を明らかにする。
甲180号証、被告人とFの身柄拘束の経緯。身柄拘束の経緯や、身柄拘束の根拠となった事実が記載。
甲235、236号証。携帯電話番号解析。(略)の携帯番号が被告人のものであること。この電話番号は、令和2年2月28日に(略)に変更されている。
甲239,240号証。令和2年2月6日、Nからの携帯電話の任意提出を受けて領置したこと。
乙21号証、被告人の戸籍。

<弁護人側の要旨の告知>
弁5号証、報告書。(弁護人、不同意部分まで読み上げようとし、裁判長に注意される)被告人のショートメールがスクショされた写真。
メールの内容を示す。

裁判長『以上で、証人尋問に移る。アライさん』
証人のアライユウスケ入廷。髪を短く刈った、ワイシャツ、黒長ズボンの30代ぐらいの男性。促され、宣誓を行う。偽証罪についての注意が行われる。促され、証言台の椅子に座る。
まずは、短髪の谷検察官が、証人尋問に立った。

<谷検察官によるアライ証人への証人尋問>
検察官『千葉県警の警官』
証人『はい』
検察官『経歴を』
証人『平成25年、4月1日に拝命しまして、前橋、伊勢崎、吾妻、舘林、今は成田国際空港で警備隊に勤めています』
検察官『Nの威力業務妨害の捜査に関与』
証人『はい』
検察官『携帯解析を作成』
証人『はい』
検察官『作成は』
証人『令和2年3月1日です』
検察官『使用するものは』
証人『解析用PCです』
検察官『手順説明を。どう行う』
証人『形態を解析用PCにつなぎ、データを抽出します』
検察官『どう表示される』
証人『エクセルのデータで、項目ごとにシートに表示されます』
検察官『報告書は』
証人『印刷して、報告書につけます』
検察官『一人で行う』
証人『野村さんと共同して、作成しました』
検察官『野村さんは』
証人『携帯からデータを抽出しました』
検察官『貴方は』
証人『データを印刷しました』
検察官『作成、貴方が行った』
証人『はい』
検察官『正確に作る』
証人『はい』
検察官『甲234号証の署名部分を示します。これ、報告書』
証人『はい』
検察官『署名押印、貴方の』
証人『はい』
検察官『まとめたもの』
証人『はい』
検察官『以上です』

<弁護人によるアライ証人への証人尋問>
弁護人『PCで抽出』
証人『はい』
弁護人『全て抽出された』
証人『はい』
弁護人『確実にすべて。残っているものは』
証人『残っているものとは』
弁護人『LINEは抽出できていないとか』
証人『そこまでは解りません』
弁護人『データ出てくる確認は』
証人『今回の件についてはしてないです』
弁護人『機械的に印刷した』
証人『はい』
弁護人『野村さんはしてない』
証人『それは解りません』
弁護人『全て出ていると認識』
証人『はい』
弁護人『こういった経験は』
証人『こういった・・・』
弁護人『データ抽出』
証人『はい』
弁護人『何回』
証人『具体的な数字は覚えていないが、たくさんやっております』
弁護人『抽出されなかったら』
証人『ソフトで抽出されないなら、写真撮ります』
弁護人『チェックはしてない』
証人『解りません』
弁護人『証人してない。野村さんしているか解らない』
証人『はい』
弁護人『2月26日、任意提出している』
証人『解りません』
弁護人『任意提出して、抽出した』
証人『もう一度』
弁護人『抽出、すぐにおこなわれた』
証人『と思います』
弁護人『野村さん抽出だから、はっきりと解らない』
証人『はい』
弁護人『日曜日にしたのは』
証人『理由は覚えていません』
弁護人『単に勤務日』
証人『はい』
弁護人『チェックはしている』
証人『はい』
弁護人『中身照合してない』
証人『はい』
弁護人『チェックとは』
証人『ちゃんと印刷されているかチェックしています』
弁護人『印刷されているか確認』
証人『はい』
弁護人『以上です』

アライ証人は、検察官の方に頭を下げ、検察官はそれに礼を返した。そして、アライ証人は退廷する。
被告人は、書類を机の上に広げ、前を向いて証人尋問を聞いていた。
続いて、サトウトモヒト証人が入廷する。髪の短い、引き締まった体格の30代に見える男性。宣誓を行い、裁判長より偽証罪について注意が行われる。

<谷検察官によるサトウ証人への証人尋問>
検察官『群馬県警の警官』
証人『はい』
検察官『経歴を』
証人『平成18年4月1日、群馬県警警察官。高崎署に勤務し、階級は巡査部長』
検察官『威力業務妨害の捜査に関与』
証人『はい』
検察官『Fの携帯を解析した』
証人『はい』
検察官『何通つくる』
証人『二通作成しました』
検察官『いつ、携帯を確認した』
証人『令和3年2月24日になります』
検察官『確認した目的、どの部分を確認しようとした』
証人『ツイッターのリボンという名のDMを確認しました』
検察官『DM保存されていた』
証人『いいえ』
検察官『他は』
証人『Gメールに、DMの内容通知されているのがあり、その中に文章が入っていました』
検察官『何をした』
証人『DMで、携帯の表示画面を写真撮影しました』
検察官『全て撮影しなかったの』
証人『量が多かったのと、時間的制約から、関係ありそうなものだけ撮影しました』
検察官『報告書は』
証人『令和3年2月25日です』
検察官『やり方は』
証人『SDカードさし込み、そこから』
検察官『署名部分示す、報告書』
証人『はい』
検察官『正確に作る』
証人『はい』
検察官『訂正は』
証人『改めて再度見たんですが、何ページ目か忘れたが、25日とあるの、24日の間違いです』
検察官『2月25日ではなく、2月24日』
証人『はい』
検察官『それ以外は』
証人『ありません』
検察官『解析』
証人『令和4年9月2日になります』
検察官『改めて確認したのは』
証人『新たに必要部分があったので』
検察官『報告書にした』
証人『しました』
検察官『いつ』
証人『令和4年9月2日になります』
検察官『間違いない(検察官は、書類を示す)』
証人『はい』
検察官『貴方がした』
証人『はい』
検察官『正確に作成した』
証人『しました』
検察官『以上です』

<弁護人によるサトウ証人への証人尋問>
弁護人『令和3年2月25日、令和4年9月2日、確認』
証人『はい』
弁護人『二回目、新たに調べる必要が出たと』
証人『はい』
弁護人『なぜですか』
証人『検察官の指示があったからです』
弁護人『どんな指示』
証人『何時何分か』
弁護人『時間も指示。その部分、とってない』
証人『はい』
弁護人『前回見てる』
証人『そこは記録がちょっと、出てるかもしれない』
弁護人『当初、必要性を感じない』
証人『何とも言えない』
弁護人『見た覚えは』
証人『よく覚えていない』
弁護人『令和3年2月24日、写真撮るときに重要そうと思ったのは』
証人『重要そうと思って撮りました』
弁護人『被告人にとって不利だなと思ってしまうものか』
証人『送られてきたのをありのまま撮っているだけなので』
弁護人『添付するとき、これをやめようとか』
証人『考えていない』
弁護人『ないと言い切れます?』
証人『何とも言えない』
弁護人『何とも言えない。他に、載せていないものは』
証人『ありません』
弁護人『最近なので。以上』

続いて、青年裁判官のテシマ裁判官が、証人尋問を行う。

<テシマ裁判官によるサトウ証人への証人尋問>
裁判官『テシマから。二回目の、令和4年9月2日』
証人『はい』
裁判官『Fの携帯』
証人『そのまま持っていました』
裁判官『返して・・・』
証人『本人の目の前で写真を撮りました』
裁判官『以上』

<裁判長によるサトウ証人への証人尋問>
裁判長『貴方は、写真撮った以外に、捜査に関与は』
証人『ありません』
裁判長『終わりました。ありがとうございました。下がって』

証人は、証言台から去る。
証人尋問の間、被告人はファイルを開き、中を見ていた。
甲238号証、245号証、247号証を、検察官は請求する。弁護人は異議なし。
甲238号証について、上から1行目~下4行目、3P目の9~19行目、4Pの22行~24行、5P目全て、第1~25号の添付写真、参考書面として該当。その余は撤回する、と検察官は述べる。
証拠は提出される。
裁判長『弁護人に確認。被告人の乙32~35号証の調書、不同意と。任意性争うのか、それで』
弁護人『はい』
裁判長『各同意部についてと。乙15号証、とりあえず留保。今回はこの程度。次回は、F、黒岩証人尋問。9月22日、午前がF、午後が黒岩。いいね』
被告人は、裁判長の方を向く。
裁判長『これで終わる』
被告人『はい』
裁判長『9月22日午前10時、出頭して』
被告人『はい』
裁判長『終わります』
15時30分まで予定されていたが、14時10分に終わった。
被告人は、証言の間は、おおむね前を向いていた。閉廷後、書類を弁護人に渡し、話をしている。手で何か四角く形作っていた。
公判の間に、群馬県警らしきワイシャツ姿の男たちが入廷し、傍聴席の空席は少なくなっていた。
閉廷後、裁判所の外で、記者たちが何やら輪を作っていた。


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