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足立区夫殺害未遂事件公判傍聴記・2023年5月12日(被告人:瀧田深雪)

2023年5月12日
東京高裁第五刑事部
506号法廷
事件番号:令和4年(う)第1770号
罪名:殺人未遂
被告人:瀧田深雪
裁判長:伊藤雅人
右陪席裁判官:島戸純
左陪席裁判官:江見健一
書記官:宮田れい子

瀧田深雪被告人は、SNSを通じて50万円で殺し屋に夫殺害を依頼し、未遂に終わったとされる。2022年10月31日、懲役10年の判決が東京地裁で言い渡された。無罪を主張していた瀧田被告は控訴した。なお、殺し屋とされた共犯者の一人には懲役8年、もう一人には無罪判決が下されている。
13時30分の傍聴券の締め切りまでに、34枚に対し、20数人が並び、抽選は行われず傍聴することができた。
開廷前、法廷の前に並ばされる。職員がスマホを切るように、何度も注意を呼び掛けていた。13時53分に入廷が許された。
被告人は、黒髪を後ろで結い上げた、中肉中背の、地味な印象の中年女性。色は白い。白ワイシャツの上に黒い服を着ており、黒い長ズボンをはいている。刑務官二人に挟まれ、前を向いて入廷した。被告席に座ってからは、やや伏し目がちである。下を向いていること、ちらっと傍聴席の方を見ることもあった。前に置かれた机には、薄い書類が一つ置いてあった。
検察官は、眼鏡をかけた浅黒い、痩せたサラリーマン風の初老の男性だった。机の上に分厚い書類が一つ置いてあった。
弁護人は、ストライプのスーツを着た30代ぐらいの男性。机の上に書類を積み上げていた。
裁判長は、眼鏡をかけた初老の男性。右陪席裁判官は、髪の後退した中年男性。左陪席裁判官は、髪の短い中年男性。
記者席は七つ指定されていたが、どの程度座っていたかは確認できなかった。
瀧田深雪被告人の控訴審初公判は、14時より開廷した。

裁判長『それでは開廷します。被告人は、証言台の前へ立ってください』
被告人は、証言台の前に立つ。
裁判長『名前と生年月日を言ってください』
被告人『瀧田深雪です。昭和54年10月3日生まれです』
一審時と比較して、か細く小さな声だった。
裁判長『職業、住所等に変更は』
被告人『ありません』
裁判長『元の席に座って聞いていてください』
被告人は、被告席へと戻る。
弁護人は、2月28日付の控訴趣意書、4月28日付の控訴趣意補充書を陳述する。
検察官は、控訴に理由はなく本件控訴は棄却されるべき、と答弁する。
弁護人は、証拠請求。検察官はいずれも不同意である。判決については不必要とする。
裁判長『判決を採用します』
弁護人『はい』
裁判長『他は却下します』
弁護人『はい』
裁判長『結審し、次回、判決とします』
被告人は、のろのろとした動作で、机の上の書類にメモを取る。どことなく、失望したような、億劫そうな感じがした。ここまで言渡しまでが短く、何も証拠調べをしないのでは、判決は決まったも同然だろう。
裁判長『判決の宣告期日は、6月2日13時30分はいかがでしょうか』
弁護人『お受けできます』
検察官『はい』
裁判長『よろしいですね。被告人、解った』
被告人『はい』
裁判長『6月2日13時30分、判決を言い渡します。この法廷で開廷します』
被告人『はい』
裁判長『閉廷します』
14時3分に、閉廷となった。本当に一瞬である。
閉廷後、被告人は、弁護人と何か話をしていた。その後、やや下を向いて退廷した。


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