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講談社社員妻殺害事件公判傍聴記・2022年10月27日(被告人:パク・チョンヒョン)

2022年10月27日
最高裁第一小法廷
事件番号・3(あ)319
罪名・殺人
被告人:パク・チョンヒョン(朴鐘顕。カタカナで開廷表に記載)
裁判長・山口
検察官・清野憲一、他3名
私選弁護人・山本衛、他2名
書記官・餅井幸一、前田洋

この事件は、講談社の敏腕編集者パク・チョンヒョン(朴鐘顕)が、2016年8月9日、妻を殺害したとされている事件である。被告人は一貫して無罪を訴え、支援団体も結成されている。
そして、最高裁でこの度弁論が開かれることとなった。最高裁は、死刑事件でもない限り、判決の見直しを行う場合でなければ、弁論は開かない。そのため、判決の見直しが行われる可能性があると、注目が集まっていた。
12時50分の締め切り時間までに、39枚の傍聴券に対し、160人が並んだと、職員より傍聴券交付場所にてアナウンスが行われた。傍聴人の中には、「創」の篠田氏もおり、講談社の関係者らしき人と、挨拶をしていた。
傍聴人は、ロッカーに荷物を預けさせられ、金属探知機のゲートをくぐらされ、反応のあった人は携帯用金属探知機でチェックをされていた。そして、広間にある傍聴人待合室に案内される。そこでは、本日の事案の概要が配られていた。待合室で、暫く待つことになる。
13時15分に、法廷に案内される。席は傍聴券により指定されており、私も指定されている席に座った。
法廷は、裁判官たちの席を要に、扇形に広がっており、検察官は右側、弁護人は左側に座っている。そして、最高裁には被告人は出廷しないので、被告人である朴鐘顕(パク・チョンヒョン)は不在であった。
検察官たちは、傍聴人が入廷した時に、既に在廷していた。眼鏡をかけた中年男性、ショートカットの女性、ショートカットの眼鏡の女性、髪の短い中年男性の四人である。机の上に、ファイルに入った書類を置いており、弁論要旨らしきものもおいていた。四人とも身じろぎせず、じっと座っている。あまりに動かないので、出来の良いマネキンにも見えた。
弁護人は、眼鏡をかけた中年男性、中年男性、白髪の老人の三名。机の上に、ファイルに入った書類を置いている。書類に目を通してもいた。
書記官は、眼鏡をかけた中年男性二名。
開廷前に、職員から、傍聴上の注意と、法廷撮影を行う旨告げられる。
若そうな女職員が13時25分に入廷し、「間もなく、開廷します」とだけ告げて、また奥へと引っ込んでいった。
裁判官たちは、13時26~7分ぐらいに入廷した。全部で四名である。眼鏡をかけた七三分けの初老の男性が中央に座っており、これが裁判長だろうか。他の裁判官は、左より、髪の後退した初老の男性、眼鏡をかけたオールバックの初老の男性、白髪の眼鏡の老人、という顔ぶれだった。
13時30分となり、最高裁弁論は開廷した。

裁判長『開廷します』
職員『刑事弁論、令和3年(あ)319、パク・チョンヒョンの殺人、検察官ら出頭しています』
裁判長『上告趣意書、趣意補充書3通、陳述』
弁護人『はい、陳述します』
裁判長『補足して、口頭で陳述することはありますか』
弁護人『はい』
弁論要旨が、検察官に配られる。眼鏡をかけた弁護人が立ち上がり、弁論を始めた。感情をこめて、弁論を行った。

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