見出し画像

カルチャーセンターも改革の余地がありそうな件

高齢者のウェルビーイングを考える上で、カルチャーセンターを避けては通らないと思う。私は、この事業を開始してはじめてカルチャーセンターについて知った。

カルチャーセンターとは

NHK文化センターのチラシを添付


カルチャーセンターとは、社会人のために教育の機会を提供する民間の教養講座のことだ。有名どころで言えば、NHK文化センターや読売文化センターが挙げられる。最近、社会人のための教育として、リカレント教育やリスキリングに注目が集まっているが、カルチャーセンターはそれとは少しだけ異なる。リカレント教育等は、ビジネスの世界での自らの価値を高めるために、社会人になっても学ぶことを指すが、カルチャーセンターはもっと趣味的なものだ。そのため、専業主婦や高齢者がターゲットであり、学ぶ内容ももっと文化的なものになる。例えば、俳句、手芸、折り紙教室、歴史や哲学等である。

近年、売上を落としている

有限会社センテンスより引用
http://sentence.co.jp/2018/04/03/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98/

そんなカルチャーセンターだが、近年売り上げが落ちてきているらしい。矢野経済研究所によると、受講者層の高年齢化やフィットネスクラブや英会話教室等の専門スクールや大学との競争が激化したことが、売上低下を招いているとのこと。確かに、近年、専業主婦は凄い勢いで減っているし、カーブス等の地域密着型の専門スクールも充実してきた。直近では、少子高齢化や長寿化の影響で、60代も多くの人が働いている。そんな忙しい人にとっては、わざわざ都市部に行って、高額な受講料で講座を受けるのは、ハードルが高いだろう。カーブスなら家から近いし、いつ行っても良いので、仕事や家事と両立しやすい。

また、受講者層の高年齢化についても、距離が大きなハードルになると思う。高齢になるにつれて、行動範囲は狭くなっていく。2025年には、かつてカルチャーセンターのターゲットだったであろう団塊世代が75歳になる。75歳以上を調査した結果、フレイルが8.7%でプレフレイルが40%だったらしい。つまり、カルチャーセンターのターゲットの世代の半分くらいは、体に何らかの不具合があるということになる。それなら、大都市に出られない人も多いだろうし、長寿化の影響もありシニアはお金に余裕がない人も多い。売上が落ちてしまうのも、納得できる。

カーブスは爆伸び

カーブス公式サイトより引用

先ほども登場したが、調子が悪いカルチャーセンターに対して、カーブスは爆伸びしている。カーブスは、今の主婦やシニアの生活にマッチしているから、凄い勢いで伸びたと思っている。パートや家事の合間に行きやすいように、地域密着の店舗を各地に作り、コミュニティ作りを工夫しながら、いつでも行ける体制を整えている。

カルチャーセンターでも同じことができるのでは?

店舗で動画授業を受講する東進衛生予備校


カルチャーセンターは、仕組み化が難しい業態だと思う。仕入れにあたる多ジャンルの講師確保は、なかなかハードルが高い。だから今は、主要駅に大きいカルチャーセンターがあったり、地域密着では、個人の事業主やボランティアが活動している状況だ。全国に約68000のカルチャーセンターがある中で、会社はたったの15000件しかなく、残りはその他の個人や団体とのこと。

私は、ライブ配信を活用すれば、カルチャーセンターの仕組み化をうまくできる可能性が高いと思っています。ライブ配信を多店舗で共有すれば、一番ネックの企画や講師確保のハードルが下がります。「いつでも来ていい状態」も作りやすくなります。

かつても予備校業界も、今のカルチャーセンター同様、大きい店舗が都市部にある形でした。トップ講師の授業を集まって受講していた訳ですが、今や受験生の多くは、地元の東進衛生予備校や河合塾マナビスに通っています。それらは、店舗を持ちながら、動画というテクノロジーを活用しています。

高齢者さんは、スマホ所有率も高まってはいますが、リアルでのコミュニティを求めているのは事実です。以前から小売店舗やポップアップストアをしていた経験も活かして、店舗✖️デジタルの可能性も深く考えてみます。

ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?