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上海アート探訪①【現代アート・シャンヤン作品展】

2021年9月17日〜11日1日の期間、上海「ICICLEギャラリー」で現代アート作家、向阳(シャンヤン)氏の作品展が行われている。

場所は地下鉄9号線「合川路駅」すぐ。韓国街からもほど近い場所にある。韓国街も魅力的なスポットなので紹介したいけど、今日の本題は「向阳个人作品展 脱离与蜕变」(シャンヤン作品展 離脱と脱皮)。

シャンヤン氏の作品を見るのは今回が初めて。1967年生まれ、90年代後半に渡米し、2010年から再び中国で活動する現代アート作家だ。会場に行って最初に目に入ったのはこの作品。

【这边那边ー飞鸟(あっちこっち飛ぶ鳥?)】。刺繍は途中で終わっていて、糸の両端でふたつの鳥が刺繍されている。この作品は「絹糸シリーズ」と呼ばれている。絹糸シリーズは2018年に台風被害にあって、今回はその修復した作品を展示しているそうだ。どれも絹糸が艶やかで美しかった。

この展覧会のいちばんの作品はこれ。【幻化之屋】。2018年の越後妻有トリエンナーレに出展された作品でもある。

この建物は、アンティーク家具と廃材を組み合わせて作られている。木材にはうっすらと絵が描かれているが、おそらくそれはもともと家具に描かれていたものだろう。左右には窓がついていて、無数の糸が張られていた。

糸はライトアップされていて、糸そのものが光の線のようにも見える。建物全体が「失われていくものを繋ぎ合わせた」という感じがして、迫力がありながら、少し儚さもあった。

上海に来てしばらく経つけど、まだこの場所の早さや眩しさに慣れることはできない。この数ヶ月、《都市で生きる人たちは、いつも何かを忘れたフリをしている》って感じていたけど、その感覚をギュッと掴まれたような作品展だった。

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