あの日

台所で1人、
白湯を飲む。

君と毎日、
夜のコーヒー、
飲んでいた日々を、

つい、
思い出してしまう。

君は、
病院できっと、
眠れずに、
ラジオの夜のプログラム、

聴いているんだね。

ねえ、
別々の夜を過ごしても、

私のこと、

少しは、
思い出してくれていますか?

好きで離れた訳じゃないよ。

好きで1人で居るわけじゃないさ。

君は、
私と、
離れているのに、

時々私に電話をくれるのは、

入院生活の退屈さからですか?

私が、
君の電話を取ることは、
ほんの気まぐれでは決して無いよ。

待ち焦がれて、

頬に血の涙を、流しているよ、

あんなに、
毎日離れなかった日々を、

忘れられる訳が、無いだろ!

君がそばに居たら、
いや、そばには居なくとも、

もし君が、
私が、
海になったとしても。

私は、
永久に、

君と寄り添った日々を、

忘れることが、できない。

忘れられたら、どんなに楽だい?

だけど、
しんどくても、疲れ果ても、

もういちど取り返したいのは、

君と夜中に毎日、コーヒーを啜って、

でたらめな、替え歌を2人して歌っていた日々。

あの日を追いかけて、
生き抜くだけだよ。

可笑しかったら、
笑ってよ。

その君の笑顔が、

私の、
たったひとつの、
宝ものなのだから!



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