お笑いの常識から外れたお笑い

私はお笑いが好きなのだが、今回はお笑いが好きだからこその知りえる、お笑いの常識から外れたお笑いにフォーカスをしたい。
まず、お笑いの常識から外れたお笑いの前にお笑いの常識を知る必要がある。
お笑いの常識とは端的に言えば、従来の常識(枠組み)から少し外れたものといえる。一般的に常識と考えられていること、あるいはそのコミュニティで常識とされているものから少し外れるといわゆるボケにつながり、それを正すことがツッコミに当たると考える。

図1

具体例を挙げると土砂降りの日にいい天気だな~という。これは従来の常識ではいい天気とは晴れた日のことを指すが、天気に関連して真逆でいうことにより、常識から外れ、ボケとなる。一方でそれに対して、土砂降りじゃないか!と従来の常識とのずれ指摘することがツッコミとなる。この辺については多くの人にとっては自然な知識だと考える。

さらにお笑いには多くの定番が存在する。例えば、明石家さんまの「ほんまや!」というフレーズがある。これはまずは他の人が食レポで美味しいもの食べたとする。そして次に明石家さんまが食べる前にそんなわけがないとフリを入れる、その後実際に食べて、「ほんまや!」というギャグである。これ自体はもはや伝統芸であり、もちろんわかっているのに笑ってしまうといったところに明石家さんまのテクニック、凄みがあると感じる。ただし、そのフリの時点で「ほんまや!」が来ることはわかる。となるとお笑い界の常識を知ってしまうとそのボケがお笑い界の常識から外れず、そう来るよねとなって笑えないことがある。

他にもお笑いのテクニックとして天丼といったものがあるが、これは同じボケを複数回繰り返すことである。これも2回目繰り返されたときにお笑いの常識を知っていると「はいはい、天丼ね」となってしまい、意表を突かれないため、大きな笑いが生み出せない可能性がある。(それでもテレビに出ている芸人であれば、テクニックで笑いにつなげることができる。)
つまり、お笑いを探求した時にその常識の幅が広がっていき、素直に笑うことが難しくなっていくといえる。
そのため、お笑い芸人やコアなお笑いファンはお笑いの常識からも外れた異端を面白いと認識し、お笑い芸人やコアなお笑いファンからだけ支持を集める特殊なお笑い芸人が存在する。例えば、ハリウッドザコシショウ、くっきー、永野などである。
お笑い界の常識から外れた上記の面々は共通して、総じて芸人ウケや一部のコアなファンからの支持は凄いなどといわれていることが多い。つまり従来のお笑いをフリにしているのである。

図2


お笑いの常識から外れたお笑いは一般的な常識から見たらただの異常や意味不明であり、もはや恐怖につながるかもしれない。ゆえに通常はウケない。上記の面々が売れるのに時間がかかっている。ではなぜ一般の方々からも面白いと思われるようになったのか。それは大衆の認知である。長い時間をかけて、お笑いの常識から外れたお笑いをやる人だという認知を得たのである。いつも意味不明なことをやるという認知により、常識が生まれて(常識に近づく)、やっと一般の方からの笑いにつながっていて、テレビに出て、多くの人の前で披露できることになっていると考える。
おそらく、従来のお笑いをフリにしたボケを続けていくことは相当難しいことであり、大衆に認知されることもなく、終わることがほとんどであろうと思う。それでも続けてみることで新たな道が開けるのかもしれない。

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