米国株、ダウ3日続落し231ドル安 米債務上限交渉に進展みられず
米国株、ダウ3日続落し231ドル安 米債務上限交渉に進展みられず
2023年5月24日 5:25 (2023年5月24日 7:41更新)
【NQNニューヨーク=横内理恵】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比231ドル07セント(0.7%)安の3万3055ドル51セントで終えた。米連邦政府の債務上限問題を巡る政府と野党・共和党の協議に特段の進展がみられず、交渉難航を懸念した投資家がリスク回避姿勢を強めた。
議論の行方を見極めたいとの様子見姿勢が強いなか、バイデン米大統領との交渉にあたっている共和党のマッカーシー下院議長が共和党議員に「合意にはほど遠い」と述べたと伝わった。政府と野党の歩み寄りの難しさが改めて意識された。
一部の共和党議員が、早ければ6月1日にも米政府の資金繰り策が行き詰まるとの米財務省の見通しに懐疑的な見方を示したと伝わった。交渉の遅れにつながれば、米政府の債務不履行(デフォルト)リスクが高まるとして警戒された。米債券市場では満期の近い米財務省証券(TB)の利回りの上昇が目立った。
バイデン米大統領とマッカーシー下院議長は22日夕に会談したものの、合意に向けた大きな進捗はなかった。会談後にマッカーシー氏は協議が「生産的だった」と述べ、「合意するまで交渉を続ける」と語った。バイデン大統領は「デフォルトの選択肢がないことを下院議長と再確認した」との声明を発表していた。
ダウ平均は270ドルあまり下げる場面があった。今年に入って値上がりが続いてきた主要ハイテク株の一角に利益確定売りが出たのも相場の重荷だった。米長期金利が一時3月中旬以来の水準に上昇し、高PER(株価収益率)銘柄の相対的な割高感も意識されやすかった。ダウ平均では顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトなどが売られた。
一方、原油高を受けて石油のシェブロンが買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比160.531ポイント(1.3%)安の1万2560.245で終えた。22日夕に決算発表したビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズが大幅安だった。
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