米国株、ダウ続落し221ドル安 地銀の経営不安やディズニー株安で ナスダック続伸

米国株、ダウ続落し221ドル安 地銀の経営不安やディズニー株安で ナスダック続伸

米国・欧州株概況

2023年5月12日 5:33



【NQNニューヨーク=川上純平】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比221ドル82セント(0.7%)安の3万3309ドル51セントで終えた。米地域銀行の経営不安が改めて意識されたのが相場を押し下げた。前日に四半期決算を発表した映画・娯楽のウォルト・ディズニーが大幅に下落したのも投資家心理を冷やし、ダウ平均の下げ幅は一時400ドルを超えた。

米地銀のパックウエスト・バンコープは11日、前週に預金が1割弱減ったと明らかにした。経営不安が高まったことから株価は3割超下落する場面があった。他の金融株にも売りが及び、投資家がリスク回避姿勢を強めた。

ダウ平均の構成銘柄であるディズニーは9%下げ、ダウ平均を下押しした。10日夕に発表した2023年1~3月期決算で成長分野の動画配信サービスの契約者数が減少したと明らかにし、売りが膨らんだ。

11日発表の4月の米卸売物価指数(PPI)はエネルギーと食品を除くコア指数の上昇率が前月比0.2%と市場予想に一致し、米国の物価上昇が落ち着くには時間がかかることを示す内容だった。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は同日に「インフレの持続性に驚いている」と述べ、物価上昇率の高止まりに懸念を示したと伝わった。

半導体のインテルと化学のダウの下げも目立った。半面、飲料のコカ・コーラや航空機のボーイングは上昇した。

ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。前日比22.065ポイント(0.2%)高の1万2328.507で終えた。ネット検索のアルファベットが自社サービスで人工知能(AI)の活用を拡大する方針を示し4%高で終えた。電気自動車のテスラも買われた。

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