米国株、ダウ反落し109ドル安 債務上限問題の交渉が難航 ナスダック反落

米国株、ダウ反落し109ドル安 債務上限問題の交渉が難航 ナスダック反落

米国・欧州株概況

2023年5月20日 5:28



【NQNニューヨーク=川上純平】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比109ドル28セント(0.3%)安の3万3426ドル63セントで終えた。米債務上限問題を巡る政府と野党・共和党の協議が難航していると伝わった。双方の見解になお隔たりがあることが改めて意識され、先行き不透明感から売りが優勢だった。

米メディアの報道によれば、共和党の交渉担当者であるギャレット・グレイブス下院議員が19日の協議を打ち切り、記者団に「生産的ではないため、(協議を)中断することを決めた」と述べたという。週末に協議を再開するかどうかについては「今はわからない」と話した。前日にかけては交渉の進展を期待した買いが入っていたが、売り直された。

米地域銀行株が下げたのも米株相場の重荷だった。米CNNはイエレン米財務長官が米大手銀行の経営者に対し、さらなる銀行合併が必要になる可能性があると語ったと報じた。地銀の経営不安が意識され、パックウエスト・バンコープやウエスタン・アライアンス・バンコーポレーションに売りが出た。

半面、米株相場の下値は堅かった。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は19日、銀行の信用状況が引き締まっているのを踏まえて「政策金利は想定されていたほど上昇する必要がないかもしれない」と述べた。一段の利上げで米景気が冷え込むとの懸念が和らいだ。

個別ではスポーツ用品のナイキや映画・娯楽のウォルト・ディズニーの下げが目立った。ネットワーク機器のシスコシステムズや製薬のメルクは上昇した。

ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落した。前日比30.941ポイント(0.2%)安の1万2657.897で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや半導体のエヌビディアが下げた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?