米国株、ダウ続落し370ドル安 米金融引き締めの長期化観測で売り ナスダックは3カ月半ぶり安値
米国株、ダウ続落し370ドル安 米金融引き締めの長期化観測で売り ナスダックは3カ月半ぶり安値
2023年9月22日 5:30
【NQNニューヨーク=戸部実華】21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比370ドル46セント(1.07%)安の3万4070ドル42セントで終えた。7月10日以来の安値となった。前日発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受け、米金融引き締めが長期化するとの見方が改めて広がった。米長期金利がほぼ16年ぶり高水準を付け、株式の相対的な割高感が意識された。
米連邦準備理事会(FRB)が前日まで開いたFOMCで市場の想定通り、政策金利の据え置きを決めた。参加者の政策金利見通し(ドットチャート)では、年内に0.25%の追加利上げの余地を残した一方、2024年の利下げ幅は前回予想から縮小した。市場では「株投資家は高水準の政策金利が長く続くことを意識した売りに動いた」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が出ていた。
21日朝発表の週間の新規失業保険申請件数は20万1000件とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(22万5000件)を下回り、1月以来の低水準となった。米労働市場は依然として引き締まっているとの見方が広がり、FRBによる金融引き締めの長期化観測を強めた。米債券市場では長期金利が上昇(債券価格は下落)し、一時前日比0.08%高い4.49%と07年11月以来の高水準を付けた。
金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株の一角が売られ、顧客情報管理のセールスフォースやスマートフォンのアップルが下げた。
金融引き締めの長期化に伴う先行きの景気悪化への懸念もくすぶり、景気敏感株や消費関連株も売られた。化学のダウや建機のキャタピラー、スポーツ用品のナイキ、クレジットカードのビザが安い。ソフトウエア会社の買収を発表したネットワーク機器のシスコシステムズの下げも目立った。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比245.143ポイント(1.82%)安の1万3223.985で終えた。3カ月半ぶりの安値。ネット通販のアマゾン・ドット・コムやネット検索のアルファベット、電気自動車のテスラなど主力株が売られた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の一角も安い。
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