米国株、ダウ反発し247ドル高 利上げ局面の終了が近いとの見方が支え ナスダックは反発

米国株、ダウ反発し247ドル高 利上げ局面の終了が近いとの見方が支え ナスダックは反発

米国・欧州株概況

2023年8月26日 5:36 (2023年8月26日 5:45更新)



【NQNニューヨーク=稲場三奈】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比247ドル48セント(0.7%)高の3万4346ドル90セントで終えた。同日、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演に臨んだ。金融引き締めに積極的なタカ派的な内容だったとの受け止めから講演後は下げに転じる場面があったが、今の利上げサイクルの終わりが近いとの見方が相場の支えとなり、上昇して終えた。

パウエル議長はジャクソンホール会議で、インフレが高水準にとどまっていることから「我々は必要ならば、追加利上げの用意がある」と年内追加引き締めの可能性を改めて示唆した。市場では「タカ派的そのものだった。年内に今の引き締めサイクル最後の追加利上げがあるとみる」(ケース・キャピタル・アドバイザーズのケニー・ポルカリ氏)との受け止めがあった。講演後は米債券市場で長期金利が上昇し、相対的な割高感が意識された株式は売りが優勢となる場面があった。

売り一巡後は、議長発言があまりにも想定内だと捉えた市場参加者による買いが入り、再び上昇に転じた。「昨年の今ごろは利上げサイクルの終わりが見えなかったのに対し、今はその終盤にさしかかっていることが意識された。年内追加利上げの有無は取るに足らないこと」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)との見方もあり、投資家心理の改善につながった。

パウエル議長がコアインフレが減速基調にあることや、低い失業率を維持したまま労働需給の逼迫が緩和している状況を評価したことも株式市場では好感された。一時はダウ平均の上げ幅が300ドルを超えた。

個別では、航空機のボーイングが3%上昇で終え、ダウ平均を支えた。主力小型機である「737Max」の中国への納入を4年ぶりに再開する準備をしているとブルームバーグ通信が25日に報じ、買いを誘った。クレジットカードのビザや建機のキャタピラー、化学のダウなども上げた。半面、バイオ製薬のアムジェンと通信のベライゾン・コミュニケーションズは下落した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比126.674ポイント(0.9%)高の1万3590.646で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや電気自動車(EV)のテスラ、ネット検索のアルファベットなどが買われた。

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