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ボクシングの「判定」について説明します。

こんにちは。
ボクシングのプロモートカンパニー、DANGANです。
 
今回も、ボクシングを始めて観る方、あまり知らない方に聞かれることの多い質問に答えていこうと思います。
ズバリ
「判定ってなんなのよ?」
というテーマです。
 
「何が判定基準になるの?」
「判定になる試合って何が楽しいの?」
「そもそも、誰がジャッジしているの?」
 
などなど、順番に答えていきます。 

そもそも「判定」とは?

ボクシングには、KO、TKO勝ちの他に「判定勝ち」というものがあります。

判定とは:試合時間を戦いぬいた後、ジャッジの採点によって勝敗が決まることです。 

KO(ノックアウト)、TKO(テクニカルノックアウト)のように相手をノックダウン状態にするような分かりやすい勝利ではないため、何を基準に勝敗を決めているのか分からないという方も多いと思います。
 
ボクシングの試合では、リングの3方面それぞれに「ジャッジ」という採点者が1人ずつ(計3人)います。それぞれがジャッジペーパーという採点用紙に1ラウンドごとの点数を記入して試合を判定しています。
 
このジャッジペーパーは休憩中にレフェリーにより回収され、スーパーバイザーという試合の管理者の手に渡ります。こうして3人のジャッジの採点結果が集計されるというわけです。
 
判定方法は、1ラウンドにつき10点満点からの減点方式。それぞれのジャッジは優勢だった選手に10点、劣勢だった選手に9点などの点数を付け、最終的には3人のジャッジの合計によって勝敗が決まります。
 
この判定の基準にはJBC(日本ボクシングコミッション)が定める規定があり、以下の内容にて判定されています。

第122条(採点基準)
試合の採点は、次の各号の項目を基準としておこなわれる。
① クリーン(エフェクティブ)ヒット正しいナックルパートによる的確かつ有効な加撃。有効であるか ないかは、主として相手に与えた効果にもとづいて判定される。
② アグレッシブ攻撃的であること。ただし、加撃を伴わない単なる乱暴な突進は 攻撃とは認められない。
③ ディフェンス巧みに相手の攻撃を無効ならしめるような防御。ただし、攻撃と 結びつかない単なる防御のための防御は採点されない。
④ リングゼネラルシップ戦術的に相手に優り、巧みな試合運びによって自らのペースにもっていくこと。 

一般財団法人日本ボクシングコミッションルールより

スポーツによっては、勝ち逃げのためディフェンスに徹した試合運びをすることもありますが、ボクシングは「アグレッシブ」のように積極的に試合に参加する姿勢や、「リングゼネラルシップ」のように試合のペースを掴むことが重視されるような、ショーとして観客を楽しませるための要素も盛り込まれているのが面白いところです。
 
 
一方で、こうした基準だけでは、試合結果が分かりにくいことも事実。
 

もちろん、意見が割れることも。

明確な基準を元に判定されるボクシングの試合ですが、時には予想のつかない判定結果になることもあります。
 
ジャッジも人間です。どれだけ冷静に試合を見ていたとしても、判定結果に考え方の違いが表れることも。
 
「試合終了時点では赤コーナーが優勢に見えても、全体のラウンドを通してみると実は青コーナーが確実にクリーンヒットを続けていた」など、そもそも判断が難しい状況も起こりやすいのです。
 
しかし、誰が見ても明白な試合ばかりではないところが、逆にボクシングの奥深さでもあるのです。選手がどんな戦略でラウンドをものにしていくのかを見ることもまた、ボクシングの楽しみの一つと言えるでしょう。
 
余談ですが、判定結果が大いに物議を醸した試合といえば、2017年のWBA世界ミドル級王座決定戦、村田諒太VSアッサン・エンダムの試合が思い起こされます。
 
試合では、優勢だと思われていた村田選手が判定負けしてしまい、この結果に多くの非難の声が。
この試合は「判定」の難しさ、もどかしさ、そしてボクシングの奥深さが詰まった試合となりました。

アッサンからダウンをとる村田選手

ジャッジってどんな人なの?

そんな、責任重大なジャッジの仕事。
どんな人がやっているのかも気になるところ。
 
実はジャッジは、定期的にJBCで募集されています。
その募集に応募して、厳しい試験に合格したあとに研修期間を経ることで、ジャッジとして試合で判定ができるようになるのです。
 
もちろん、JBC職員など、ボクシング関係の仕事をしながらジャッジになる人が多いのですが、高校の先生など異業種からの参入も見られるのが面白いところです。
 
ハードルの高い試験を乗り越え、平日に行われる興行の時間をジャッジに割くなど、フレキシブルな勤務環境でないと難しい条件かもしれませんが、この条件さえクリアできれば誰にでもなることが可能なのです。
 
 

DANGANの試合パンフレットには、自分で試合をジャッジできるスペースが付いています。


その結果が実際の判定や、一緒に観戦にきた友人とどれくらい近かったのかなどを見比べれば、そこに新たな楽しさが生まれると思って始めた試みです。

ここまで、判定について解説してきましたが、判定の魅力を知るには自分でやってみるのが一番。
 
DANGANのパンフレットには、各自で採点できるスペースが設けられています。

DANGANの試合パンフレット

もちろん、自分で判定をすることでボクシングの“見方”も変わってくることも。今まで注目していなかった点に目が向き、視点が変わることで、さらにボクシングの面白さに開眼するきっかけになれば幸いです。
 
「判定スペースのおかげで、パンフレットを見ると当時の光景が思い出しやすいです」
という声をいただくことも。
 
ぜひ、思い出のためにも試合会場に足を運び、自分の目で見た「判定」に挑戦してみてください。
 
さっそく試合を観てみたい!と思った方は、こちらからDANGANの興行スケジュールをチェック!
 


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